栞織 さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:途中で断念した
鉄血的な「二十四の瞳」で
原作のラノベはまったく知らないんですが、世界観が面白そうです。指揮官と戦闘部隊の精神が同調するんですか。今までの作品になかったSF設定なので、非常に面白いと思いました。精神的にプレッシャーがかかって自殺するという設定も出色だと思います。また、人種差別的な要素もあるみたいですね。今期の作品の中では、一番社会性の高い話だと思いました。絵コンテの描写も落ち着いた要点をつかんだ感じで、ひとつひとつのカットにあまり無駄なものがないように思いました。今期は見るべき作品が多いので、各話まで感想を書けないかもしれませんが、何話か置きにこの作品は感想を書いていきたいと思います。よろしくお願いします。
作画は今風ですが、全体的に上品で作品のトーンが一定していると思いました。このまま崩れないで最後まで行っていただけたらと思いました。音楽もいいと思いました。主題歌がわりと好みです。
第二話{netabare}
戦闘場面、前半のものがよかったです。迫力がありましたし、CGの使い方も巧みでした。今風の画面だと思いました。後半のレイナのクラスでの演説、そしてスピアヘッド部隊との通信と、いろいろと点景で出されていますが、設定情報がまだまだわかりづらいので、長編小説が少しずつ進んでいくみたいな感じですね。とにかく社会的な欺瞞がたくさんあるというのが見ていてわかります。演出は本当にポイントをよく押さえていて、シンエヴァやFateの劇場版2などの演出と共通していると思います。映像作品であり、映画風であり、しかもアニメ調であるというところが非常にいいと思います。作画も今風ですが、肩の力が抜ける感じの絵で、重苦しい場面でもほっとした感じがあります。時々出される背景の風景描写が世界系っぽくとても美しいです。 {/netabare}
第三話 {netabare}
前半の和気あいあいとした泉での場面、夕食後の休憩タイムと、一転して後半のレーナ主点の作戦指示ミスでの戦死の回でした。戦闘場面は今回はなしでしたが、その分レーナが作戦を指示している時どんな風かがわかる感じで、ボードゲームと云ったら語弊があるでしょうが、そんな感じで刻一刻画面上の戦線が変わるのを見つめているだけというのがよくわかりました。そんな中でのキルシュベーデの戦死、本当の名前すら知ろうとしないというエイティシックスからのなじり、レーナの繊細すぎる心が痛む場面でした。見たところ、一般市民よりも上流階級の御姫様のような私室の雰囲気で、レーナが本当に保護された存在というのがよくわかります。しかしレーナが書庫で見つけた古い地図が、今後の話の展開の鍵になりそうで、今回の話では痛恨のミスになりましたが、どう話がつながっていくか楽しみに思えました。
差別意識の重い話がこの作品の主なテーマのようですが、こういった状況は今の世の中にも存在するので、今後も見て行きたいと思いました。 {/netabare}
第四話 {netabare}
前回の続きで、レーナがスピアヘッド部隊の名前を聞き出すまで。レーナの父の死の模様、またレーナをなじったセオに師のような人物がかつていて、壁の向こうから来ていたこと。そのためレーナにきつく当たったこと。そしておそらくシンの死んだ兄の話。死んだセオの師にあたる人物は、狐というコードネームであることから、「機甲猟兵メロウリンク」のフォックス大尉を思い出させます。フォックスは結局部隊を裏切って自分の出世を優先していたという話でしたが、この86でも同様の話があるのでしょうか。徐々に全体像の話がわかってきていますが、まだまだ情報不足で、この回では足踏みっぽかったです。今回も戦闘場面はなしでした。
あと細かいことですが、サンマグノリア共和国ですが、似た名前はサンマリノ共和国という確かイタリアの町だったと思いますが、視覚的にはどう見てもロシアっぽいです。ヒロインの名前がヴラディとつくのもロシア系っぽい。86区というのは、ひょっとして私たちの住む極東アジアのことなのかもしれません。言わでもがなという事を言ってしまいましたか。レギオンがB29でスピアヘッドがゼロ戦とか、メカファンの間では指摘はもう出ていると思いますが・・・・。第二次世界大戦中に、ソ連国内でこういうヒロインのマタハリ(←たぶん全然違う)みたいな人がいたとしたら、すごいなと思いますが・・・。現時点ではいなかったという歴史でありますが・・・・。
マタ・ハリさん今調べてみましたが、混血のダンサーの人だったんですか。女スパイの代名詞の人だけど、FGOのキャラにいるみたいで、キャラデは黒髪のエヴァのアスカみたいですね。レーナとはかぶらないなあ。 {/netabare}
第五話{netabare}
前回適当に与太話を書いてしまいましたが、今回の話で基本設定が出そろった感じですね。脳を使うというのはSFでよくある・・・と言ったらあれですが、わりと昔からある話ですね。最近はこういう設定はよけがちでしたが、ひと昔前の特撮ネタ的設定で、今風に行くのかと思いましたです。うまくそのあたり、見せていると思います。ロボットの設定とかすごいですから。ラストで淡々と戦況をレーナに話すシンくんの場面が出色でした。やはり今期のアニメでは私はこの86が一番かなと思います。
人間の脳と精神意識の関係は、いわゆるスピリ系ぎりぎりの学問で研究されてきましたね。わりとオーソドックスなところでは、イギリスでの交霊術研究などかあげられます。死者と語ろうとした人たちは、いつの時代にもいました。もちろんこの作品では、反戦の観点で描かれますから、スピリ系の話には傾かないと思いますが、私は面白いと思いました。死者との会話は、これまでのガンダムのニュータイプでは普通の会話でしたから、今回86で亡霊の叫びという描写で出されたのは、非常にいいと思います。どうなっていくか楽しみです。
それにしても冒頭で描かれたシンの兄ショーレイは、非常に真面目で優しい青年だったのですが、幼いシンの首を絞めようとしたのは、一体どういった理由なのでしょうか。先々どうなるか目が離せません。 {/netabare}
第六話{netabare}
あれ?首絞めシーンのショーレイの髪の色が黒色ですよね。ショーレイは赤髪だから、どうなっているのかな?もしかして別人なのでしょうか。一瞬しか映らなかったからわからなかったけど。
今回は戦闘場面があって、しかも二人死亡したし、その脳をシンが黒羊にしないために狙撃するとか、前回の続きで重いドラマだったです。出だしがキャンプファイヤーの時の楽しい思い出でしたから、その明暗がすごかったです。黒羊はあの、スピアヘッドに取りついたロボットたちなのでしょうか?不気味そのもので、もう人間じゃないのが恐ろしかったです。とにかくもう固唾をのんで見守るしかない作品で、どうなるのかなあ、登場人物たちに幸せになってもらいたいという一心で見てます。レーナも共和国内で、エイティシックスに肩入れしないように釘を刺されていますから、ケーキばかり食べていると言われていても、かわいそうな立場だと思います。あれ以上どうしようもないという状況で。この先どうなるのかなあ、共和国は滅亡するらしいというバレを拝見してしまいましたので、また不幸になっていくのかなあと思います。それではまた。 {/netabare}
第七話{netabare}
今回はちょっと地味な回でした。スピアヘッド部隊が使い捨てにされているという説明が長くて、ちょっとラジオドラマ風でありました。レーナはしかし、シンたちに花火を贈ったりとちょっとはずしている感じがあります。彼女としては精一杯の努力なんだろうけど。補給増員はまったく新しい部隊になるという話に衝撃を受けたり、やっぱりお嬢様なのだなあと思いました。
アンジェの背中の入れ墨の文字が気になりますね。ちょっと「どろろ」のどろろの背中の入れ墨を思い出したり。また、兄のショーレイが立ちはだかる最後の場面では、手塚さんの「ミクロイドS」のジガーとか、「Gガンダム」を思い出したりしました。1クールの最後でこの兄をシンが倒すのでしょうか。あれは脳だけの状態になっているんですよね・・・・。
それではまた次回。 {/netabare}
第八話{netabare}
今回は重要な回でしたね。セリフ早回しでよく聞き取れなかったんですけど、レーナの医療用奉仕みたいな人は、シンたちの家族が隣に住んでいたってことなんですか?アベマTVでコメント欄開けはなして見ていたんですけど、そういう事を言っている人たちがいました。原作既読組の人だと思うけど。
それで、パラレイドの技術開発で原始的な実験を繰り返していて、シンの母親はそれで命を落として、シンの兄ショーレイはそれを深く恨んでいるという事なんでしょうか?彼にも収集令状がかかったのは、パラレイドの素質があるから選ばれたのかもしれません。なるほどそういう事かと思いました。そのパラレイドの実験というのが、アメリカとかで50年代頃にしていた感じのESP実験ぽく設定が出されていて、何か現実感があるなと思いました。とにかく、私もスティーブン・キングの「ファイヤ・スターター」ぐらいしか読んだことがないのですが、その手のSF作品が元になっている設定だと思います。やはり「86」見続けていてよかったと思いました。
それにしてもCパートのショーレイは怖かったですよ。鉄血のアインみたいで、この先どうなるのか、シンとは悲劇的展開しか予想できなくて、怖いです。ではまた。 {/netabare}
第九話{netabare}
なんか思っていたよりも非常に肩透かしだった回でした。ショーレイが死んだんですけど、唐突に挿入されたレーナのイメージシーンが余計だったと思います。 なんかこの回で急速に86への興味が全部失われましたね。今後は各回でもう感想は書かないかと思います。まあメカもので「二十四の瞳」をやっていると思えば、ですね?それではまたいつか。 {/netabare}