退会済のユーザー さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 2.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
アニメ版ダンサーインザダーク
原作既読。
それでも視聴後は後頭部を金属バットで殴られたような感じ。
多くの方が書かれているように二度と観たくないという気持ちも分からなくない。ただ、わたしは9話以降ならもう何度かは観たいと思う。
湯浅監督ごめんなさい。
原作が偉大すぎるために一部酷評になります。
それからこのレビューをきれいにまとめる自信がありません。
気が向いたら更新することにします。
人間と悪魔の中間の存在、デビルマンを主人公に、人間を描いた作品(これを書いていて寄生獣を思い出す)。原作(加筆したものではなく復刻版を強く推薦します)にあった、合体は人間から理性が失われ、本能的に行動しているときにしかできないという設定がなくなり、デビルマンの誕生シーンから違和感を感じる。明は悪魔の襲撃にあい、やむにやまれず覚悟を決めてデビルマンになったのではなかったのか?
了が理性的に見えてしまうシーンが多い。不良相手に改造した猟銃をぶっぱなしていたのもサタンだったのなら仕方がないと納得させられた一貫性が欠如している。多分、それに加えて悪魔がたいして怖くないのでわたしにとっては8話まで視聴するのが非常に長い道のりだった。改変で良いと思ったのはシレーヌ編くらい。それとて愛の描き方は違うと思う。デビルマンを招集するためにでてきたヒンドゥー教徒が合体してデビルマンとしてでてなかった??
なにより、この作品は人間というテーマを扱っているのに現代にあわせてカスタマイズする必要はない。わたしごときにはとうてい思いつかないがどうせ改変するならば時代を貫く普遍的な描き方をしてほしかった。SNSなんかを使うとなるほど、若い人には伝わりやすいかもしれない。でも今後廃れてしまう可能性は大いにあるわけで、この作品が今なお多くの人を魅了してやまないのは時代がうつろいでも変わらない人間と愚鈍さ、醜さ、そしてやさしさを描いているから。自らの醜さを理解している人間、それを大人と呼ぶことは間違いなのかもしれないが、そういう人こそ心を打たれる。だから美樹の聖女化も作品の魅力を下げている一因と考える。わたしは生き恥をさらしてないで死ねとまで言う感情的な美樹の方が好きだ。本作ではミーコの方が人間らしく見える。
湯浅監督は映像による情報量が多く、わたしも四畳半神話体系ではそれがとても心地よかった。が、デビルマンとはミスマッチ感がすごかった。
それでもバラバラになった美樹の串刺しのシーンや衝撃のラストを含め、映像化してくださったことに敬意と感謝を!!!基本的に作品の中身を詳しく書かない主義なのに我慢できなかった…。原作の虜だから仕方がありませんね。