こま さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
戦野に紅く雛罌粟の咲く
86〈エイティシックス〉について。
九年前、共和歴三五八年。共和国の東の隣国にして大陸北部の大国ギアーデ帝国が、周辺諸国全てに宣戦を布告。
世界初となる完全自律無人戦闘機〈レギオン〉部隊による侵攻を開始。
軍事大国ギアーデの圧倒的武力の前に、共和国正規軍はわずか半月で壊滅。
これにより共和国政府は二つの決断を下す。
一つは八五行政区内への、全共和国市民の避難。
もう一つは、戦時特別治安維持法。
共和国内に居住する有色種(コロラータ)を帝国に与する適性市民と認定。市民権を剥奪し、監視対象者として八五区外の強制収容所に隔離する法律。
これにより全ての有色種は強制収容所に送られ、兵役とグラン・ミュール建造の労役を課せられる。
二年後、有色種を劣等生物〈エイティシックス〉と蔑視する差別意識は具現化させる。それが共和国が造った無人戦闘機械〈ジャガーノート〉
エイティシックスは人間ではないのだから、奴らを乗せればそれは有人機ではなく無人機だ。
共和歴三六七年。
戦死者のいない激戦場で、戦死者にカウントされないパーツ扱いの兵士達が、今日もひたすらに死に続けている。
共和国内の人間が銀髪なのは白系種(アルバ)だからですね。白銀種(セレナ)や雪花種(アラバスタ)と色々いるみたいですが、アニメでは説明はされてません。
そしてもう一つわかりづらかったのは知覚同調(パラレイド)ですかね。
五感のどれでも同調は可能ではあるが、基本的には聴覚が利用されている。視覚では情報量が膨大過ぎて使用者への負荷が大きいため……だけではなく、視覚を同調しなければ、見なくてすむから。眼前に迫りくる敵の威容を。すぐ隣の仲間が機体ごと吹き飛ばされる無惨を。引き裂かれた自分の体から零れる、自らの血と内腑の色を。
だから同調されるのは聴覚のみとなっている。
ちなみに、レイドデバイスを使用することにより、人間全てが共有する『人類種族の潜在意識』――集合無意識に『道』が通り、その『道』は集合無意識の海を経由して、指定した人物の意識に接続するそうです。うん。意味わかんないですねww
文章であれば色々と説明してくれているのでわかりやすいのですが、全部説明してたら1話終わっちゃうのでまあしょうがないですね。
久々に1巻を読み返してみましたが、漢字多いですね💦でもついつい読み込んじゃうくらい引き込まれる文章です。
ストーリー、伏線、作中ギミックの使い方、戦闘描写、全体を漂うヒリヒリとした雰囲気、そしてラストの一文まで、文句なしの大賞作品。と時雨沢恵一(キノの旅、ガンゲイルオンライン)が大絶賛しています。
最後に、
ヴラディレーナ・モリーゼ『回顧録』
{netabare}豚に人権を与えぬことを、非道と謗られた国家はない。
故に、
言葉の違う誰かを、色の違う誰かを、祖先の違う誰かを人の形の豚と定義したならば、その者達への抑圧も迫害も虐殺も、人倫を損なう非道ではない。{/netabare}