ねっち さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
45分間の奇跡
45分間という短い時間だったにも関わらず本当にいい作品を見たなという余韻を味わえました。
この作品は人間の蛍と妖怪のギンとの甘くて苦い恋物語です。ギンは人間に触れられると消えてしまう、設定としては割とよくあるような設定で話としても王道に忠実に進んでいきます。夏の間しか会えない、2人きりの秘密の共有、蛍がギンに惹かれていくのも見ていてすごく伝わってきました。そしてギンの方もいつしか蛍に気持ちが傾いていって、、
明確にここで好きになったというところは描かれないのですが蛍が中学校にあがり、制服を着てギンに会いに行った時、ギンが「なんか女みたいだな」と言っていてこの時にはもう既に少し意識していたのかなと思いました。
個人的に好きだったところは蛍が木から落ちた時、ギンに対して「絶対に私に触れないでね」と涙ながらに言うシーンが彼女のやるせない感情がすごく伝わってきて見ているがわの胸も締め付けられました。
そしてなんと言ってもラストです。私はあれ程切なく、絵になるキスシーンは見たことがありません。触れられないからせめてもとお面を蛍に被せてキスをするあのシーンを見ただけでこの作品を見てよかったなと思えました。
そしてギンの最期はほんとうに呆気なかったです。2人の過ごした時間、ここまで積上げ育んで来たもの全てを無にするラスト、そんな中で2人はようやく触れ合うことが出来るのです。蛍がギンに飛びつく時の子どものような笑顔、消えゆくギン、涙する蛍、このシーンはほんとうに涙無しでは見られませんでした。
唯一この作品を見て失敗したなと思ったことはこれは出来れば夏に見たかったです。これは名作ですね。
85/100点