はざまくろお さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
私が想像した最終回
TV版第一話のとき、機械伯爵にお母さんを殺された鉄郎は、逃げた雪の中で本当は自身も亡くなってしまったのだと思ってた。
「母さん、人間って不便だね…。機械の体だったら寒さなんてへっちゃらなのに…」
と嘆きながら。。
そしてその魂だけが、お母さんにそっくりなメーテルと出会い、銀河を共に旅しながら、機械の体をタダでくれる星(=天国)にたどり着くまでのお話なんだと思ってた。
以下、私が想像した最終回・・・
終着駅の星で、澄み渡る青い空を見上げながら鉄郎は言う。
「メーテル。ボク、機械の体なんていらないや」「永遠の命があったって幸せになれない人にたくさん出会った…」
「それとさ、もう分かってるんだメーテル。ボクにはもう、その命がない事を…」
大きく目を見開いてメーテルがつぶやく。
「鉄郎…」
「………」
「それでもあなたは誰にでも優しく、正直で、ずっと立派だったわ…」「そんなあなたをここまで導くのが私の使命……いえ、そんな鉄郎と旅ができたことが何より幸せだった…」「ここまで一緒に来てくれてありがとう、鉄郎…」
鉄郎を無事送り届けたメーテルは消え、その視線の先には、天国で待っていたお母さんお父さんの姿。鉄郎は大好きな家族とずっと幸せに暮らしていく。。
一方、現在の地球は、機械人間のはびこる無情な世界が未だ広がっている。メガロポリスとは正反対の山の中、雪に埋もれた一人の子供の亡骸が、遠く宇宙を見つめている。その灰色の空を、悲しく汽笛を鳴らしながら銀河鉄道が飛び去っていく。。
<エンディングメロディーが流れる…>
ある人は言う、
幸せになる為に永遠の命は必要無いと。
ある人は言う、
短くともその魂に宿る想いこそが永遠なのだと。
今、一人の少年の旅が終わりを遂げた。
それは長い試練の旅だったのか、
悲しみの心を癒す旅だったのか。
それは鉄郎の魂だけが知っている。
メーテルはいつも優しく微笑んでくれる…
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みたいな最終回です…うぅ涙。
ずっとそんな最終回を想像しながら観てたから、鉄郎が頑張ってメーテルにほめられたり、無邪気に笑い、走り、夢に向かって精一杯生きる決意をするシーンを見る度に、切なくて涙が止まらなかった。
でも本当の最終回はもっと希望のあるものだったから、最後までとても楽しく見れた。最後のナレーションでは感動して鳥肌が立った。
自分も大人になった今、時間のある時にまた1話から観て、一人至福の時間を過ごしている。TV版の古臭いアニメがまた良い。
でも、昔勘違いしてたバッドエンドを想像しながら見てみるのもオツなものです。切なくて優しくて大好きな作品です。