おかむ さんの感想・評価
4.0
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
正統派スポコンアニメ……ただし種目はかるたッ!
同名少女漫画を原作としたアニメで、原作の漫画は第2回マンガ大賞2009、宝島社「このマンガがすごい!」2009年オンナ編3位・2010年オンナ編1位、第35回講談社漫画賞少女部門を受賞するなどアニメ化が期待されていたのだが、個人的には視聴前の注目度が低かったため、視聴後に良い意味で印象が大きく変わったダークホース。
特にかるたというマイナーな競技を扱っている点などから視聴前の印象は低かったと言わざるをえない。
『カードキャプターさくら』や『ギャラクシーエンジェル』シリーズの浅香守生が監督を務め、キャラデザ・作画監督を濱田邦彦が務める等、日テレ×マッドハウスらしいスタッフが名を連ねている。
物語の完成度は高い。
序盤の小学生編ではかるたとの出会いを、中盤以降の高校生編ではかるたに関する様々な発見や考え、悩みなどを扱っている。
特筆すべきはその全てに無駄な回が無い点である。
関係無いような回でも、新たな発見や視点、発想の転換などが見られ、終始ひたむきなかるたに対する情熱が見て取れる。
勿論手に汗握る試合の展開や次回への布石等の演出面も非常に好印象である。
シリーズ構成を務めた高山直也はアニメでは馴染みの薄い脚本家であり、意外な手腕を発揮してくれた。
声優は主人公を務めた瀬戸麻沙美はやや安定感に欠ける印象。
それでも新人としては充分にこれからの活躍に期待できる好演の範疇であろうか。
周囲を固める声優陣も豪華とは呼べないまでも、実力のある人物が多く、手堅い印象を受けた。
個人的に自分が幼い頃、様々な少年役を務めていた藤田淑子さんが中年教師を演じている事に少し感慨深くなった。(どうでもいい。)
キャラは充分に特徴分けはされている為見ている分には違和感は無いものの、ビジュアル的にはやや弱めの印象。
心理面ではそれぞれに違った事を考え、カルタに対している事などは好印象である。
作画はマッドハウスらしいと言えばマッドハウスらしい。
かるたの描写は丁寧に、ギャグは大胆に描かれ、その中にも様々な遊び心もあったという印象。
主人公兼ヒロインである千早も結構遊ばれている。
やや静止画が多かったのが残念だが、基本的には安定していた。
音楽は音響に関しては問題無し。
オープニングは作品を意識した作りになっているが、声が合っていない印象を受けた。
エンディングは主人公を務めた瀬戸麻沙美が歌っているのだが、あまり歌は上手ではない模様。
BGMは無難。
全体的には話の良さが突出している為、最後まで気持ちよく見ることが出来た。
原作は勿論の事、脚本、演出等も見事である。
2期は無さそうだが、綺麗に終わっている点も好印象。
是非、ご視聴をお奨めしたい。