プラ さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 2.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
約束のネバーランド、それは1000年越しの希望
緻密な作戦により、ついに農園を脱走したエマ・レイ達であったが、さっそくピンチに陥る。巨大な鬼に追いかけられたと思えば、農園からの追手に詰め寄られ、絶体絶命の状態に・・・と、そこに現れたのは、とある「鬼」たち。ソンジュとムジカと名乗る両氏は、農園育ちの人間を食べない宗教の者らしい。エマとレイは最初は警戒するものの、二匹の鬼の無償の善意を感じ、行動を一時的に共にすることにする。
この世界において、鬼と人間がどういうわけで今の関係になったのか、ソンジュとムジカに問うたところ、衝撃の真実を知る。大昔、人間と鬼は戦争を繰り返していたが、1000年前のある日に世界を二分して棲み分ける「約束」を交わしたらしい。
しかし、鬼には一つの問題があった。人間を食することで人間の持つ知能を取り込んでいた鬼にとっては、人間がいなくなると退化する一方であった。そこで、人間を養殖する目的で農園を設立することを条件に、「約束」を結んだ。エマたちがいた農園は、最も賢い子どもが育てられる農園であり、食用児としては最高級品であった。
ムジカたちは、人間を食べなくても退化しない「邪血」という特殊な鬼であるらしい(これは後半に出てくる)。エマたちを助けたのも、人間を食べることに引け目を感じているのだろうか。
とりあえず農園から逃げたものの明確な目標がなかったエマたちだったが、人間と鬼の二つの世界があるという話を聞いて、人間の世界に帰還することを最大にして最高のゴールとした。エマたちは、ムジカたちから生きるための術を学んだ。食べられるものの選別や狩猟の方法、料理の仕方などを学んだ。「支援者」と呼ばれる人々が遺したと思われるヒントをもとに、森林の地下道をたどって、地図に示された場所を目指して進む。
森林の出口でムジカたちと別れたエマたちは、荒野を進み、目的地へ向かった。すると、そこには地下シェルターがあった。シェルターは何から何まで完備されており、しばらく普通に暮らせる環境が整っていた。エマたちはしばらくここを拠点とし、人間世界帰還の作戦を念入りに練ることとした。
シェルターにたどりついたその日に、地下にあった電話から「ミネルヴァ」と名乗る人物からの伝言があった。ミネルヴァという名は、農園脱出作戦を練っている時に見かけた名前であり、農園の外に関する情報やヒントを与えてくれた張本人であった。残念ながら彼は亡くなっているらしかったが、エマたちはゴールに着実に近づきつつあることを実感して、士気を高めるのであった。
ここまで順調に進んでいるように思えたが、シェルターはあっけなく見つかってしまう。シェルター内部まで侵入されるが、すんでのところで命からがらなんとか逃げ出し、予定よりも早く次の目的地へ向かうこととした。
次の目的地は、荒野の向こうの果ての地。人間世界と通ずる出入口があるらしいとムジカから教えてもらっていた。その途中にある鬼が住む街の近くにあった神殿を一時的な拠点とし、鬼の変装をしながらしばらく過ごすこととした。
ある日、人間であることを鬼に気付かれてしまい、追いかけ回されて追い詰められてしまう。そこに別の鬼が現れ、エマたちは助け出される。なんと、その鬼は鬼の仮面をしたノーマンであった。ノーマンは生きていたのだ。
ノーマンは特に優秀な子どもだったため。農園の最先端の実験場の被検体として「出荷」された。実験内容としては、薬物を使って最高級品の子どもを育てる実験をしていた。ノーマンは持ち前の頭脳を発揮して脱走計画を企て実行、被検体となった別の子どもたちと一緒に連れ出した。ノーマンたちは徒党を組んで、鬼滅亡の計画を立て、着々と準備を進めていた。
ついに鬼滅亡計画を実行し、鬼が退化する薬剤を散布したノーマンたちであったが、ひっそりと暮らしていた邪血の鬼を前に怖気づき、さらには当初から計画に反対していたエマたちに説得されて、断念。
エマは邪血を使って鬼と融和し、人間世界への脱出をめざした。鬼たちは鬼たちで、鬼世界の支配階級に不満を持っており、鬼との協力は案外カンタンだった。
皮肉なことに、自分が幼少期を過ごしたグレースフィールドの地下に、人間世界への通用口があることが道中で判明。通用口めがけて、鬼たちの協力を得ながら突き進む。
そして、最後に立ちはだかったのは、ピーター・ラートリー。全農園の主である。ラートリー家は、1000年前に鬼と人間の世界を分ける約束に関わった張本人たちであり、その際に人間の養殖場を作る裏約束をしたらしい。ピーターの兄が密約の存在を知り、農園の子どもたちを助け出そうとしたミネルヴァの正体であったことが判明。
そしてそして、最後の最後にエマたちを助けたのは、農園のママたちであった。人間である彼女らも農園経営には疑念を持っており、結託した。追い詰められたラートリーは結局自殺。エマたち一行は人間世界の通用口へ・・・
いよいよ人間世界に。しかし、エマと仲間たち数人は、残りの農園から子どもたちを助け出すために、鬼の世界に残ることを決意。
最終的には全員助け出したようで、エマも人間世界に帰還して、ハッピーエンドで終わる。
・・・いくつか回収されなかった伏線や説明不足な点があった。
・シェルターの奥に、HELP!!と血のような赤文字で書かれていた部屋を見つけたシーンがあったが、これ以後は言及されない。
・ソンジュは、人間は野生化したら腹いっぱい食べたいと言っていたが、どこまで本気だったのか?
・大昔に鬼と人間で争っていた理由は何か?
・エマの仲間たちが脱出してから、鬼世界の子どもたちを全員助け出すまで、最後の数分でまとめられてしまったのが残念。