ぽに さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
色んな形の「愛してる」を知る物語
原作未読。
私は何かに執着するキャラクターというのがあまり好きではありません。何かに執着することは、別の何か大切なものを失うことに繋がると思っているからです。
最初に視聴を始めたとき、主人公のヴァイオレットがあまりにも少佐に執着しているし、無機質、無感情だし、これは自分には合いそうにないと思って1話で切りました。また、世界観の割に作画が綺麗すぎて……違和感を感じてしまったのも理由の一つです。
数ヶ月後、あまりにも評価が高いので我慢して最初から見返すことにしました。そして気がつきました。私の見る目がなかったことに……。
この作品のテーマは、「愛してる」とは何か。幾千、幾万の作品で語られた根源的なテーマにド直球で切り込んでいます。そして、この作品が訴えたいことは「誰かを本当に愛しているなら、ちゃんと言葉で伝えた方がいい」だと私は思いました。
兄弟愛、親子愛、王族の愛、その他いろいろ。
「愛」って、結局人と人とのつながり方の一種ですよね。環境や立場が違う人達がどのように繋がっているのか、主人公ヴァイオレットが代筆する手紙によってあらわになります。
ヴァイオレットの義手は、彼女の特異性を表す便利な小道具になってますし、他人の人生をのぞき見るのに便利な「代筆業」という設定は秀逸だなと感じました。また、代筆が成り立つためには識字率が高い日本では不可能であるため、架空のヨーロッパ風な世界観になっているあたりも好感が持てましたね。
欠点と言うほどではないのですが、アニメオリジナルキャラクターのエリカが2話のためだけに用意された感が強く、あまりキャラとして動いていないのがもったいないかなぁと思いました。
とりあえず「合わない」と思っても、4話くらいまでは我慢して見て欲しいと思います。そこまでには、きっとこの作品が何をやりたいのかが分かるでしょう。