タック二階堂 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「聲の形」の原作者が送る大河ファンタジー。
詳細は公式でも。
原作は「聲の形」の大今良時氏で、週刊少年マガジンに連載中のコミックです。制作はブレインズ・ベース。
“観察者”(CV:津田健次郎さん)が地上に落とした“球”。この球は、あらゆるモノの形を写して、その姿に変化することができる存在です。球は石に形を変え、石に生えたコケに姿を変えます。そして、深手を負ったレッシオオカミが絶命したら、“それ”はオオカミへと姿を変えました。
極地のような場所を“それ”が歩いていると、粗末な住居を見つけます。そこに住んでいる少年は、“それ”を見つけると「ジョアン」と声をかけてきました。どうやら、オオカミは少年に飼われていたようでした。
少年は5年前に楽園を目指して出ていった村の人達に置いていかれ、ひとりで生活をしているようです。“それ”が2ヶ月ぶりに戻ってきたことで、少年は村の人達がいるであろう楽園に向けて旅立つことを決意します。さて、少年と“それ”は無事に村人たちに出会えるのでしょうか。
という冒頭のストーリーです。
NHKで、全20話で放送される予定の壮大な物語。映像の雰囲気は、かつてブレインズ・ベースがシリーズの制作を手掛けていた「夏目友人帳」っぽさを感じます。初回は、もちろん冒頭なのでつかみという感じではありますが、期待感は非常に大きい印象です。少年がそういうことになって、“それ”がそうなるだろうというのは早くから想像できますが、分かっていても感動する作りは見事でした。
あっ、そうそう。EDで流れてきたのは宇多田ヒカル。これには驚かされました。なかなかの良曲です。
これは継続視聴確定ですね。
=====第13、14話視聴後、追記です。
{netabare}
いよいよ2クール目がスタートです。
まあ、いろいろあってジャナンダ島に連れてこられたフシ。何を考えているかわからない島の少女・トナリと仲間たちとともに、ピオランを救出して島から脱出するという展開になるのでしょう。
{netabare}
てか、フシが変身したのがパロナって、それって…
{/netabare}
あいかわらず、すべての面で高いレベルを維持しています。これからも楽しみですね。
{/netabare}
=====第17話視聴後、追記です。
{netabare}
あれれ?
どうしました?作画。
あと3話ですよ。息切れしている場合ではないです。フィナーレまで頑張ってください、ブレインズ・ベース。
話は……、たぶんジャナンダ島から逃げるまでの話なのでしょうね。
{/netabare}
=====第18話視聴後、追記です。
{netabare}
う~ん……。
どうも、ジャナンダ島編に入ってからピンとこないというか。サブキャラに対しても、そこまで思い入れができないんですよね。むしろ、パロナが死んでしまったことのほうが気になりますよ。
なので、子どもたちがゾンビ製造機と化したノッカーにやられ、天に召されていくシーンも驚くほど感情が動きませんでした。グーグーの最期のときは、あんなに号泣したのにね。
ずいぶんと雑にサブキャラを退場させましたねえという感じ。
作画も、今回は良かったけど前回でだいぶ怪しさがありました。全20話と、今となっては長丁場なので、少し息切れしてきた印象です。
まあ、それでもここまでの貯金でストーリーは★4つ以下は付けられないのですが。
{/netabare}
=====第19話視聴後、追記です。
{netabare}
いや、うーーーーーーーん…
なんでしょうなぁ。ホントに、このジャナンダ島編に入ってから、言葉を選ばずに言えば面白くないです。感動もしません。
それもこれも、ひとえにトナリのファーストインプレッションが悪すぎたこと。だまして囚人送りの島にフシとピオランを乗せた。島についてからも振る舞いも、よく言えば不思議ちゃんで、何を考えているのかわからない。
そんな魅力の乏しいトナリの手下みたいな子どもたちが、ノッカーにやられてゾンビ化し、それにとどめを刺そうが刺すまいが、どうでもいいという気持ちになってしまいます。
そして、ハヤセ再登場も、すっかり異常者になってしまって魅力がなくなっていることも面白くない要因です。敵役は魅力があるからこそ映える。序盤のハヤセには、その魅力がありました。
しかし、このジャナンダ島編では、異常者でべらぼうに強くで残虐、フシの子種を欲しがるという、あの魅力的な敵役ぶりはどこいった?という感じ。しかも、これ、雑な昇天の仕方ですよねぇ。で、なに? 今度はフシはハヤセにも変身できるようになるわけ?
過去に関わったキャラの扱いが雑になるのも、ちょっとね。
もはや、マーチには何のために変身しているんでしょうか。
せっかく、ここまで走ってきたのに、最後の最後でいろいろと息切れしちゃっている印象です。もったいない、実にもったいない。
{/netabare}
=====最終話視聴後、感想です。
{netabare}
とりあえず1期をまとめるための回といった最終話でした。
先にジャナンダ島を脱出して、港町で待っていたピオラン。でも、フシは自分と行動を共にするとノッカーが襲ってきて、身の危険があるからピオランと離れる決意をしますよ。
だけど、いざ離れるとなったら寂しい。手紙を残したり、冬の寒さをしのぐ毛皮を置いていこうとしたりします。でも、結局は見つかってしまい、ピオランと一緒にいることに。
このくだりが長くて、ちょっとどうなのかなという気持ちになっていましたが、ピオランの寿命が尽きてしまうところは、少女時代のピオランがよみがえってきたりして、なかなか感動的ではありました。
で、それから数十年という、わずか3秒あまりのCパートが流れ、第2シーズンが2022年秋に放送予定とのアナウンスがありましたよ。
そりゃそうでしょうね。これでは、完全に尻切れトンボですから。
この1期に関しては、冒頭の少年とオオカミのストーリーで、ガッと心を掴まれたスタート。そして、少しずつフシは自我を獲得していきながら、得体のしれないノッカーとの戦いを通じて、いろいろな人との出会いと別れを繰り返していくロードムービー的なストーリーでした。
なお、いくつかの編に分かれて構成されていますので、それぞれの編の評価ですが…
エスキモーの少年編>タクナハ編>ニナンナ・ヤノメ編>ジャナンダ島編
といったところです。
完全な右肩下がりとは言いませんが、序盤の期待感からすると、ちょっと落ちてしまったかなという印象ではあります。
まあ、続編「サールナイン島」編に期待しましょう。
{/netabare}