たわし(爆豪) さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
「総監督」という意味
エヴァンゲリオンでも庵野秀明監督は「総監督」という立場で指揮していたように、あくまでもアイデアを出したり作品を作っているのは前田さんや鶴巻さんであり、それに対して作品の良し悪しの決定をしているのが「総監督」という仕事である。
押井作品として見て良いものかどうかはさておいて、本作は完全に押井守が作ってきた映像作品のセルフパロディである。
なので、なんで題材がバンパイアものなのか。。とか、古臭い特撮や自身の作ってきたアニメのパロディを惜しみなく使っているあたり、既に「楽屋オチ」に近い作品でる。
したがって、ストーリーの主軸というものが存在しない。押井作品としては非常に稀なアニメである。
だからと言って、気軽に見れる作品かといえば、マニアックすぎて普通の人は面白くないと思う。
ジャンプのアニメや、押井自身が作ってきた「パトレイバー」や「うる星やつら」などはストーリーの主軸があるからこそ万人に理解できる内容だといえるだろうが、本作はそもそも押井作品を観ていないと面白さが半減してしまう。
それがプロの仕事だといえるのか。。というもので、富野由悠季監督が「ターンA」を経て「Gのレコンギスタ」で前説なしの導入部で一見さんお断りの札を張っているように、本作も予備知識がないと「楽屋オチ」であるという認識すら理解できない作品である。