レオン博士 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
命の重みを知る者と軽んじる者
【シナリオ】{netabare}
2期1部序盤はジュラテンペスト連邦国の賑やかな日常を描きつつ不穏な空気も感じられて、この平和がどんなふうに壊されるのか不安を感じながらもジュラテンペストが理想的な国になっていく様子を楽しみながら見ていました。
ただ、リムル様リムル様と崇拝がくどいと思うのでここで脱落する人も多そう。
※たぶんこのパートを退屈と感じるか面白いと感じるかがシリーズを好きになれるかどうかの分かれ道だと思う。
そして1部後半、リムルが不在の間にジュラテンペストが襲撃され、さらにリムルもヒナタに襲われて不運に不運が重なって危機的な状況に!
あれだけ理想的な街だったのが、人間の醜さと敵国の思惑によって崩壊していくさまは見ていてつらいですね。繁栄と絶望と反撃という構成は上手いと思いました。
その人間の醜さがしっかり断罪されるシナリオは私は好み。
一方的に侵略して残虐な行為までしていますから、仕返しに何をされても文句言えないと思うし、圧倒的な報復をされていてスッキリしました。
でも、悪いのは国王や騎士団長などのトップやショウゴ達であって一般兵士はただ命令に従っているだけでしょうから、生贄にされて気の毒だなあと思った。
特にショウゴ、キョウヤ、キララの行いはさすがに嫌悪感が強いので、悲惨な最後を遂げたのと、キララは女性なので視聴者への配慮なのか、キョウヤとショウゴほどの直接的な残虐描写を避けたのは良かったと思う。
命を重んじるリムルと、命を軽んじるショウゴ達の対比も良かったですね。
この3名の卑劣な行いと制裁を受けて悲惨な最期を迎える流れは、異世界転生でチート能力を手にして調子に乗った人間の末路を描いていて、力に溺れる者への戒めというメッセージ性があっていいなと思いました。
死者が蘇るのはさすがにご都合主義が過ぎてて、シオンもゴブゾウも好きなので死んでほしくなんてないけど、シナリオ的にはそのまま生き返らず、その死の重みを背負って未来に進むほうが好み。生き返ったことでこの先もなんだかんだ言って仲間は死なないんだろうなーってわかってしまったのは大きなマイナス。 まあ、好きだから今後も見ますけどね{/netabare}
【残酷なシーンや気分の悪いシーンに注意】
前半は和やかですが、中盤に人間の醜さ全開な気分悪くなる展開があります。
それから終盤はかなり残酷な描写があるのでそういうのが苦手な人は注意したほうがいいかも。
【キャラクター】{netabare}
ミュウランが好き。
あっさり奴隷から解放できてしまったのはもったいない気もするけどあんまり引きずって欲しいネタでもないかも。
ヒナタはあまり魅力的に思えなかった。
敵なら敵でいいんだけど、なんか残念なタイプの強敵。
ショウゴとキョウヤとキララは徹底的に醜悪でいっそ清々しい。死亡フラグ立ちまくってましたね{/netabare}
【クオリティ】
とても安定した高クオリティ作品で、シリーズのファンなら安心してみていられます。主題歌も良好。