タック二階堂 さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ノスタルジーを感じるキャラデザと演出。
詳細は公式でも。
岐阜県多治見市の伝統工芸「美濃焼」をテーマとした、いわゆる自治体タイアップ作品で、アニメ本編は15分です。残り15分はメインキャラの女性声優たちが多治見を旅する実写パートという構成で、ゴリゴリの自治体・観光協会巻き込み系アニメです。
まあ、実写パートは論ずるに値しないから除外するとして、ストーリー自体は悪くないですよ。なんでも、企画した人は中学時代からの原作ファンで、日本アニメーションに就職して制作会議に企画立案したとか。
いや、それだけの熱意があるなら30分尺でやろうよ……。何あの実写。YouTubeチャンネルでやればいいじゃんよ。
あ、いや、みにゃみとか本泉莉奈さんとか好きですよ。でも、あの実写はいただけない。そもそもキャストたちが「何で私達、こんなことやってるんだろ」的な雰囲気がしますし、そこまで関係性もないもんだからトークが探り探りだし。
あ、実写は除外するっていいましたねw
絵柄がね、いかにも世界名作劇場で名を馳せた日本アニメーションといった感じの、よく言えばノスタルジーを感じさせるキャラデザ。悪く言えば古臭い。口が「あわあわ」した演出とか、昭和かっ!ってツッコミたくなります。
でも、そういった古臭さが、なんか温かみがあるというかね。嫌いになれないんですよね。話も、ただのJKたちが陶芸部でワチャワチャやるだけじゃなく、主人公の母親が他界している陶芸家とか、父親が会社をリストラされて、母親の故郷である多治見で古民家カフェをオープンするとか、けっこう重いというか、そこはかとない物悲しさが漂っているのがいい。
化ければ「若おかみは小学生」のような感じになるかも。あ、いや、実写パートが足を引っ張りそうな気もしなくもないけど……。
=====第3話視聴後、追記です。
{netabare}
なんていうか、話はほんわかハートフルでいいんだけどもね。
三華のキャラがエキセントリックすぎて、ちょっと見ていてキツい。そりゃ、創作だから少しオーバー気味にキャラ設定するものではあるんだけど、十子じゃないけど、あんなの確かにイラッとしますよ。
でまあ、幼なじみだから仲直りという、ほんのり百合風味でちゃんちゃん。
ちょっと、少し後退したかなあ。あ、実写は観てないのでノーカンで。
(なんていうか、実写やるぞーってなったら、これぐらいのことしかできないのは分かるけどさあ。もう少し、なんかやりようがなかったかね。ホントに面白くない)
{/netabare}
=====第7話視聴後、追記です。
{netabare}
まったく人気ないし、話題にもならない空気アニメなんですが、これは全部、後半の実写パートのせいだと思ってます。それで離脱したアニメ好きが多いから。
でも、アニメパートはけっこう面白いんです。ちゃんと女子高生の日常系部活物として成立していますし、主人公の亡き母親が伝説の陶芸家だったという背中を追いかけて、いろいろ努力や工夫していくという流れも悪くない。作画も、古くささが味という感じがしますしね。
これ、ちゃんと30分枠アニメパートにして、普通にやってたらダークホースだったと思います。
あ、あとOP。ちょっとユーミン「やさしさに包まれたなら」オマージュが過ぎて、もはやパロディの域。もうすこしオブラートに包んだできにしてほしかったですね。
もったいないなあ……。
{/netabare}
=====第8話視聴後、追記です。
{netabare}
いったい何を見せられてるんだ?
年に一度、土岐川にウナギが大量発生して、市民がウナギつかみ大会のような状態。陶芸部もウナギ捕りに夢中なところに河童が来て、追いかけたら川の底に竜宮城。
中に入ると乙姫様ではなく、若返った主人公のおばあちゃん。多治見市の防災無線で流れる歌を歌いますよ。
さすがにククリの夢だとはわかりますが、お子様向けよね。変則的なサービス回で、みんなセクシーな水着じゃなければ、ニチアサでいいでしょな内容。
古くさいキャラデザだけど、意外と作画いいんですよね。水着姿のキャラのスタイルもデッサンが魅力的ですし。
にしても、今回はいつもにも増して多治見市のPR色が強かった。こうなると、もうゴリ押し感が出て、うーん…。
{/netabare}
=====最終話視聴後、感想です。
{netabare}{netabare}
焼き物コンクールに出展した陶芸部の面々。ククリは審査員特別賞、十子は準優勝、そして姫乃は参加賞でした。
ずっとお父さんに何を作っていたか内緒にしていた姫乃でしたが、コンクールから返却されてきた「ざぶとんです」を見たお父さんは、思わず座りたくなって座っちゃいます。
そりゃまあ、焼き物だから壊れますよね。
土下座したお父さん。でも、思わず座りたくなってと弁解するお父さんの言葉に、姫乃は嬉し涙を流します。お父さんが座りたくなるような作品を創りたかったから、賞はなくても本望だったんです。
{/netabare}
というお話でした。
再三言っているように、本当に古くさいキャラデザと演出。でも、それがなぜか温かくて、ほっこりするんですよね。
本編は、実にやさしくて穏やかで、思わず顔がほころぶ素敵な世界観。今はなきお母さんの姿を追い求め、一生懸命に陶芸に打ち込む姫乃の姿には、思わず「がんばれ」と声を掛けたくなります。
ここの評価ほどダメな作品ではありませんよ。最後まで観たら、きっと好きになる素敵な作品でした。
まあ、多治見ゴリ押しだったり、それにともなったBパートの女性声優が多治見で遊ぶだけの実写動画とか、そういうのが印象を悪くしている感はありますが、本編は観てほしい良作。みにゃみは安定した孫感があって可愛いのですがね。どうにも、今期はゾンサガのまさお(リリィ)の印象のほうが強いかね。
だっただけに、30分フル尺でやれよと声を大にして言いたいです。
まあ、10月からの秋アニメで2期放送が決まっているので、期待しましょうね。
{/netabare}