HmFDB75691 さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
最終話 驚くような結末ではなかった
見て見ないとわからない作品、というのが第一印象。オリジナルでミステリー要素があるので、期待はしてみたい。
第1話 動物なのか疑わしい
{netabare}
作画や声優はイマイチだけど、ミステリークイズと考えれば気にならないレベル。
まず、疑ったのは、動物の世界。小戸川だけが、動物に見えているだけで、本当は人間の世界。医者が「おれは何に見える」と訊いて、小戸川が「ゴリラだ」と答えている。正常な答えだけど、医者は居酒屋で心配している。医者を人間と考えれば、小戸川を心配する理由になる。アルパカの看護師は、小戸川を患者と見ているから、アルパカと言われても笑っただけ。
押し入れに隠れているのは、小戸川が唯一見える人間。これが女子高生なら、小戸川には動物が大好きな娘がいて、事故かなにかで失った。生きていれば女子高生になっていた。娘のことが原因で人間が動物に見えてしまう。公式HPの看板には、心理学に出てきそうな用語がいくつかある。
{/netabare}
第2話~第10話 同一人物だと思う
{netabare}
レビューや考察をする人が少ない印象。自分もそうだけど、久しぶりに考察してみた。
キャバクラで拳銃を撃ったのは左利きで、田中は右利きなので、撃ったのは田中ではない。田中に協力した三矢ユキと推測できるが、三矢は右手で唐揚げを食べていた。
小戸川に見せるためのアリバイ作りなら、小戸川のそばにいたボーイの今井が、田中だと推測できる。ただし、今井と田中の声優は別の人。
ニュースでは三矢と言っていたが、小戸川は否定した。押し入れにいるのは、三矢で、行方不明の女子高生が誤って田中に始末されたと推測できる。三矢の所持品を、その女子高生が持っていたりして、田中が勘違いしたか。
まとめ
1.キャバクラで拳銃を撃ったのは、三矢の可能性が高い
2.今井と田中は同一人物
3.押し入れにいるのは、三矢ユキ
疑問点
・なぜ、白川は消しゴムを持っていたのか?
詐欺を働いていたなら、金になる消しゴムを小戸川にあげるのは不自然。カポエイラで小戸川を助けたけど、どうして、そこに小戸川がいたのがわかったのか。田中を仕向けているのは、白川という可能性もありそう。
・市村しほに似た人物?
行方不明の女子高生が有力そうだが、女子高生は三矢に似ていると推理したので、微妙。市村しほと三矢ユキは、仮面をつけてしか会ったことがなく、お互いの素顔を知らない。そこにつけこんで、二階堂ルイがなにかをしている気もする。
{/netabare}
第11話 犯人はこいつかな
{netabare}
本物の三矢を(真)、代わりの三矢を(偽)としておく。
1.犯人は市村しほ
まずは、推理から。
三矢(真)は、事務所に行き、二階堂ルイを待つ(小戸川のタクシーには乗っていない)。
二階堂ルイが現れる前に、市村しほが事務所にやってきて、犯行に及んだ。
市村しほは、行き帰りのどちらかで、小戸川のタクシーに乗った。
根拠を挙げてみる。
・小戸川は市村しほを「見たことがある」と言った(ただし、ちょっと違うとも言っている)
・三矢(真)の背後に回って鈍器で気絶させたなら、背後にいても無警戒だった人物、つまり顔見知り
・一発で仕留められない力の弱さから女性と推測(抵抗されたならその痕跡があるはず)
2.キャバクラの発砲は、三矢(偽)
今回、三矢(偽)は、唐揚げを右手と左手で食べていた。
キャバクラの発砲は、田中に協力していた三矢(偽)で、田中のアリバイ作りだと思う。
今井と田中は同一人物だが、小戸川には、助けを求める今井と、復讐する田中では、違って見える。
同様に、市村しほも二面性を持っていて、似ているけどちょっと違うとなった。
3.一度見たら、動物に見える?
小戸川以外の視点のときも、動物なのは不自然。だから、小戸川が一度でも目にした人物は動物に見えるのかも。
ハリネズミは、”ハリネズミのジレンマ(触りたいけどケガをするみたいな感じ)”だと思う。
三矢(真)の後始末を、小戸川は見ていた。ハリネズミを捕まえたいが、自分の過去も思い出すというジレンマにあっている。
4.押し入れにいるのは、幼いころの小戸川?
三矢(偽)と思ったが、三矢(偽)がタクシーに乗っているシーンがあるので、押し入れにいるはずがない。
とりあえず、心の奥底に隠した幼いころの小戸川の記憶としておく。両親と最後に行ったのが動物園で、帰りの車のなかで、人を動物に例えたりしていた。
{/netabare}
【考察】タクシーに乗った人物を推理してみた
{netabare}
事件当日、小戸川のタクシーに乗った人を推理する。ただし、前回と答えは同じ。ネットの感想では、タクシーに乗ったのは三矢ユキ、犯人は三矢(偽)が多かった。確かに、メンバーが消えれば、という動機はあるので検証してみる。
1.三矢ユキがタクシーに乗った場合
本物の三矢ユキは、現在の三矢(偽)と似ている。
小戸川が三矢ユキを乗せたなら、第5話で三矢(偽)を「見たことがある」と言って、市村しほのときは言わないはず。じっさいは逆なので、小戸川は、三矢ユキを乗せていない。
2.三矢(偽)が犯人で、タクシーにも乗っている場合
第5話で三矢(偽)を「見たことがある」と言うはずなので、これはない。
3.三矢(偽)が犯人で、三矢ユキ、三矢(偽)が、タクシーに乗っていない場合
三矢(偽)が犯人なら、このパターンしかないと思う。ただし、市村しほを「見たことがある」と言った点が不明になる。
4.市村しほが犯人で、タクシーにも乗った場合
現在の推理。第5話と矛盾しないと思う。ただし、小戸川は、「三毛猫じゃん、ちょっと違う」とも言っている。
この点を検討してみる。
・犯行後、返り血を浴びて、色が増えた
・二面性があると、小戸川には別々の人に見える(現在の推理)
タクシーに乗った人物は、事務所で降りたので、犯人なら犯行前になる。だから、返り血はなさそう。
人が動物に見えるのは心理的なものだから、同一人物でも犯罪者のときは別人に見える、といった症状があっても不思議はない。
{/netabare}
【考察】毛の色が同じハムスター
{netabare}
大きく分けて三つの出来事が絡まった話だと思う。
1.田中の復讐
今井と田中は同一人物。
キャバクラで発砲したのは、三矢(偽)で、田中のアリバイ作り。
田中(今井)はドードーのために金欠で、夜はキャバクラでバイトし、宝くじも買っている。ドードーを当てた夜の田中(今井)は、こんな感じ。
小戸川に番号を聞いて、新宿で降りる→キャバクラでバイト→帰り道でドードーを当てるが、小戸川のタクシーで消滅
ミステリーキッスと接点がある今井が、大金をちらつかせて三矢(偽)を仲間にする。第5話で、三矢(偽)が後部座席にスマホを仕込む。第6話で、今井が簡単に小戸川のタクシーを見つけ、スマホからGPSに変える。
そのあと、今井は、小戸川をキャバクラに誘い、変装した三矢(偽)に発砲させた。復讐者が今井ではないと小戸川に思わせるアリバイ作りをした。
小戸川に復讐したあとは、仮面と拳銃をそばに置いて三矢(偽)を消し、犯人に仕立てる計画か。
2.三矢ユキの事件
犯人は、市村しほ。ただし、動機は不明(笑風亭呑楽に関係するのかも)。
第10話で、ドブが指摘したのも、市村しほだと思う。
今井と田中は同一人物。今井はスカンクで、田中はピューマ。ピューマはスカンクを見ると逃げるらしい。猫を見ると逃げそうなのはネズミ。
小戸川が「三毛猫じゃん、ちょっと違う」と言ったのは、毛の色は同じだけどハムスターだったから。"猫"と視聴者に思わせるためのミスリードだと思う。ハムスターを市村しほと認識できたのは、写真だから。
3.小戸川の症状
・人が動物に見える
一度見た人は動物に見えると考察したが、リハビリの人まで小戸川が見ているとは思えない。
意識不明になった"子供の小戸川"が見ている夢かもしれない。ミステリーキッス→三人家族、リーダーがいなくなる→親がいなくなる、といった解釈。
メモリーノートには、タクシードライバーになった話が書かれている、とか。
・強い執着心があると動物が違う
なにかに執着があると、別の動物に見える。ドードーや復讐に執着するときは、田中(ピューマ)。市村しほも事務所に向かっているとき、なにかに執着していた。
{/netabare}
第12話 漫才は伏線なのか?
{netabare}
つぎが最終回だからもう少し明らかにしてほしかった。
拳銃の発砲回数は数えようと思っていた。埠頭の発砲は、大門弟。袖が青いし、小戸川が行き先を大門弟に教えている。
1.今井と田中は同一人物
諦めずに、この推理を貫く。今回の話を時系列に並べる。
小戸川がGPSを発信させる→今井が解放される→信号をキャッチした今井が田中に豹変し、駐車場に行く→復讐を果たし、今井に戻る(ここが微妙)
今井と田中が一緒にいるシーンはない(たぶん)。キャバクラは変装した三矢(偽)なので。
ミステリーキッスと接点があるのは、今井。三矢(偽)が協力するのは、顔見知りで金を持っている今井であって、金欠の見知らぬ田中ではないはず。
2.三矢ユキ事件の犯人は、市村しほ
市村しほも、今井、田中と同じように、小戸川には違う動物に見える(三毛猫と三毛ハムスター)。動機は不明で、凶器の鈍器も不明。今回の話では進展なし。
3.小戸川の症状
こちらも進展なし。
漫才ネタが、小戸川の症状と関連があるような気がした。
小戸川の支援者は、笑風亭呑楽と推理。お金を持っていそうだし。
{/netabare}
【考察】呑楽は、小戸川の祖父
{netabare}
ミステリーとしての推理は尽きたので、心理学で考えてみる。
舞台は、小戸川の頭のなかにある地図(メンタルマップ)で、過去の記憶が混じっている。小戸川は、新宿に行ったことがなく、想像上の新宿の街をタクシーで走っている。小戸川(少年)は意識不明か眠っている状態。
ミステリーキッスは、小戸川の三人家族を表し、三矢ユキは父親、二階堂ルイは母親、市村しほが小戸川に該当する。小戸川少年に起きた出来事を考えてみた。
小戸川少年(11歳)は、呑楽の落語を見たいと親に頼み、新宿に行くことになった。小戸川少年は、行ったことのない新宿の街を頭の中で描いていた(アニメの舞台となる)。
父親には持病があり(漫才が伏線)、普段は母親が運転していたが、その日は父親が運転した(センターの変更)。運転中、持病が出て車は海に転落。車内で頭を打ち(鈍器で殴打に該当)、父親は気絶後、海の中で窒息。小戸川少年だけが助かり罪悪感を抱える。母親が気絶してなければ、助けなかった罪悪感も含まれる。
「落語を見たい」と言わなければ、という後悔が生まれる。両親を失った小戸川少年は、祖父の呑楽に育てられる。三矢ユキが父親なら、呑楽は小戸川の祖父になる。
祖父は反社会勢力と関係があり、それを嫌って父は家を出た。だから、小戸川は、祖父について聞かされていなかった。祖父と父の間にあった溝(ditch)を後悔し、11歳の小戸川を支援した。
小戸川は罪悪感を抱え、自身を傷つける田中が現れる。貧乏な家庭で、金持ちになりたい願望が今井となる。市村しほは、父親に対する小戸川の後悔や罪悪感。こう考えると動機や凶器は必要なくなる。
剛力、柿花は、イマジナリーフレンド。ドブは反抗期の小戸川かな(後部座席にいて運転の邪魔をしたかも)。白川は母親の側面か。さすがに全部のキャラを当てはめるのは難しい。
押し入れのなかは、小戸川少年(の記憶)。動物に見える症状は、ゲームの影響かな。動物園に行ってから落語に行こうとした、とか。
最終回は、口を割りそうな二階堂ルイ(母親に該当)の命が狙われ、小戸川が助けて、過去も思い出す、そんな感じ。
{/netabare}
最終話 驚くような結末ではなかった
{netabare}
思ったほど含みはなかった。ミステリーとしては不自然な点もあるので指摘しておく。
1.小戸川以外の視点でも動物に見える
小戸川の出ていないシーンでも、動物に見えるのは不自然。すべてのキャラクターが小戸川の症状を持っていることになる。
2.市村しほに対する小戸川のセリフ
犯人は、和田垣さくら(三矢ユキの代わり)で、事務所まで乗せた客も和田垣。このパターンでは辻褄が合わないと前に述べた。
小戸川は、二度も和田垣を乗せている。それなのに、市村しほを乗せたあと、「三毛猫じゃん、ちょっと違う」と言ったのは、不自然でミステリーとしてはアンフェア。二度目に和田垣を乗せたときに、「前に乗せたことがある」と示唆すべきだろう。
和田垣に対してだけ認知能力が低下するのは都合がよすぎる。女性に対しては能力が低くなるといった設定が必要だろう。
3.田中と和田垣の接点が不明
金欠の田中に、接点のない和田垣が協力するとは思えない。ほかのメンバーを狙うなら報酬なしで協力するだろうが、田中が狙ったのは、小戸川。
三矢ユキの事件に関しても、凶器の鈍器は不明だし、動機も弱すぎる。こんな動機では、頻繁にアイドルグループで事件が起きてしまう。
【総評】
面白かったけど、ミステリーとは言えない。
アニメをよく見る人には、動物キャラに違和感がなくて、人間だったというオチに驚くのだと思う。たぶん、制作側もそこに力を入れていたのだろう。
自分の場合、第1話の時点で疑っていたから驚きはない。市村しほ以外犯人になりえないことも説明した。それを覆す展開もなかった。市村しほに動機を与えれば、犯人として成立すると思う。
押し入れのなかは含みがほしかった。例えば、小戸川と和田垣の家庭の事情が似ていて、同情する意味で和田垣に似ている猫をかくまった、とか。あと、白川が突然現れた理由も結局わからずだった。
アニメ作品としては評価できるけど、ミステリーにするなら、もう少し丁寧に作るべきだった。
{/netabare}