退会済のユーザー さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
この物語はフィクションです。家出JKを連れ帰るのはただの犯罪です。
社会人×JKのシリアスな方、
とでも言っときましょうか。
コミカライズでちょこっと読んで、
これは賛否両論な作品になるだろうな、
と思ったが、案の定。
正直、吉田さん以外の登場人物に、
いまいち共感が持てないので、
ここでは無視します。
私は少数派だろうけど、
吉田さん称賛派(以下、敬称略)。
吉田は賢者だの聖人だの、
ネットには色々書いてありますが、
私が思うに、
彼は善意の良い人である。
性善説で物申しますが、
人は善意か悪意かの二択なら、
善意が大半を占める、と思いたい。
世の中、悪いニュースばかりが流れ、
良いニュースは流れないので、
悪い人たちが世の中にはびこっていると、
どうしても思わされてしまうが、
大半の人は、
困っている人がいたら助けたいって気持ち、
少なからず持っているものでしょう。
例えば、近年よくある災害ボランティア。
誰かが困っているから、
見ず知らずの人であろうと助ける。
それに対し見返りを求める人はいない。
吉田の精神もそれと同じようなものなんだろう。
一方で、
人助けには勇気が要るし、責任も伴う。
周囲の目もあるし、
面倒事に巻き込まれたくない、とか、
自分がやらなくても誰かがやってくれるだろう、
といういわゆる事なかれ主義な一面もある。
近年、こんな話をよく聞く。
迷子で泣いている子どもがいても、
声を掛けてはいけない。
何故なら、不審者や誘拐犯に間違われるから。
まあ世知辛い世の中だと思う。
家出JKを連れ帰るのとは別次元だが、
周囲の目を気にせず、
見返りも求めず、
面倒ごとも厭わない、
ただ困っている人を助けたい、
という勇気は、
このご時世、なかなか奮えないものである。
{netabare}
作中の吉田の行為は犯罪であり、
本人もそれを自覚している。
これ自体を擁護する気はない。
ただ、結果的には、
1人のJKの人生を救っている。
沙優は毒親のもとで自分を殺しながら生き続け、
親友の自死を目の当たりにし、
おそらく普通の思考ではいられず、
もしかしたら自らも命を絶っていたかもしれない。
その1人の人生を救ったという事実を、
ただの犯罪者と切り捨てるのはあまりに安直だろう。
そして、
沙優を拾った後の責任もしっかりと継続している。
沙優と一緒に過ごすうちに、沙優からの好意に気づき、
吉田自身も沙優に好意を抱き始めていたのだろうが、
自分が行っていることは犯罪であることを認めているからこそ、
一切手を出さず、沙優からの誘惑も受け流している。
沙優は家出JKであり親の庇護である。
なし崩し的に一緒にいてはいけないという事を、
理解しているのだろう。
だからこそ、ちゃんと親の元に帰し、
大人になっても、犯罪まがいの事をした自分のことを、
好きでい続けてくれるなら、
自分は待つ、という姿勢を貫いている。
そんなピュアな恋愛的見方をすれば、
終わり方も納得。
進学したのか、
社会人になったのか、
はたまたニートの押しかけ妻になるのかは、
想像に任せるしかないが、
こういう結末は自然で良い。
{/netabare}
ちなみに、最終話、ED後の、
「今度はあなたの家に泊めてよ❤」が、
面白い具合に物議を醸してますが、
当然ながら、
私は吉田のような、
勇気ある善意は持ち合わせていない。。。
まあ、JSであれば、
迷わず連れ帰りますけどね。
...ここまで真面目に書いてきたのに、
台無しだよ。。。