シャベール大佐 さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.0
作画 : 1.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
内容ではなく視覚的に笑える、近未来SFアクションアニメ
近未来の日本を舞台にしたSFアクションアニメ。全12話。
「EX-ARM」というのは、脳や眼や手など人間の体のパーツを模した兵器で、人体に装着すると超常的な能力が発動可能となります。物語は、EX-ARMを使用する犯罪者たちと、主人公・夏目アキラたちが所属する警察内部組織「EX-ARM対策課」との戦いを描いていきます。ただ、この作品を語るうえで、まず真っ先に触れなければいけないのは、内容よりも、なんといっても作画ですね。とても2021年の作品とは思えない低品質CGは、なかなかのインパクトがありました。バトルシーンなどは、ふた昔くらい前の格闘ゲームのようでしたが、それでもこの作品のなかではまだマシな部分であって、いちばん酷かったのはキャラの表情でしょう。まるで死んでいるかのような、見事なまでに無表情な顔に、声優さんたちの迫真の演技が乗っかり、さらにまた、作画の省エネのためか、やたらと顔のアップのシーンが多かったりして、なんだかシュールな紙芝居を見ているような感覚になりました。物語自体は、よくある普通の近未来SFという感じなので、別にギャグアニメとして狙って作られたわけではないでしょうが、視覚的に思わず笑ってしまうような場面が毎回たくさんあって、それなりに楽しめたことは否定できません。似たような系統でいうと、ジビエートあたりを好きだった人ならば、この作品もいけるんじゃないでしょうか。
最後まで観終わって、散々笑っておいてから言うのもどうかとは思いますが、なんだか原作者が気の毒になるアニメでした。アイキャッチやEDのような絵柄でちゃんと作られていれば、とりあえず、ちょっとセクシーな女性キャラの活躍が楽しめる作品にはなっていたかもしれません。