フリ-クス さんの感想・評価
3.2
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 1.5
状態:観終わった
キャラ設定が微妙すぎてリズムが崩れてる、かも
あくまでも『好み』の問題だと思うのだけれど、
監督がメインヒロイン二人のキャラ付けを『ふつう』に寄せすぎて、
物語のリズム感が崩れちゃった印象のある作品です。
女子大生二人が、いなくなった友達を探して
ホラー要素たっぷりの異世界を探検する、
その基本構成は決して悪くないと思うんですけれど。
まずヒロインの一人目、めがねっ子の空魚の基本属性は『地味子』。
それ自体は是も非もないのだけれど、
その『地味さ』をリアルに寄せすぎていて、正直ウザいです。
相方の島子に寄せる恋慕や独占欲も重たすぎて
少なくとも僕は、とても応援する気になれませんでした。
『オタ恋』で悠木碧さんが演ったみたいに
極振りした方がキャラが立ったんじゃないかしら。
そして相方の島子は、行動的でちょっと雑めのイマドキ女子。
こっちもリアルに寄せすぎていて『はっちゃけ感』が薄いんです。
そもそも島子を演じている茅野さん自身が、
ゆるふわ系の役を除くと、リアルに寄せるタイプの役者さんですよね。
たとえば本渡楓さんみたいに
「一人でしゃべらせるだけで爆発的にその場の空気をもっていく」
みたいな芸風は最初から計算に入っていない方です。
要するに『動』と『静』二人のヒロインが、
どっちも真ん中に寄っちゃって、
二人の対比の面白みが薄れてしまっているんですよ。
だから日常的な二人の掛け合いに、引き込まれ感がない。
さらに、緊迫した場面になると、
どっちがどっちでもいいんじゃね、ぐらい
差別化が曖昧になってしまうんです。
もちろん、それは監督の意図したことなのだろうけど。
平成アニメ的な『メリ』と『ハリ』ではなく、
リアリティの感じられるキャラで物語を構築したい。
そうした意図は、演出の随所にも伺えます。
あとはそれを『斬新・新鮮』と受け取ってもらえるか、
『なんかドライブ感がないなあ』と受け止められるか。
申し訳ないけれど、僕は後者でした。
他の物語ならともかくファンタジーでこれをやるのは、
まだちょっと機が熟していないのかなあ、と。
だから『万人』にはお勧めしません。
アニオタ的な方よりも、
キャンキャンのアニメ声や過剰演出に抵抗のある人の方が、
ゆったりと楽しめるのではと思う次第です。