ぺー さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
はたらけ!!細胞
原作未読
1期で「こんな頻繁にアクシデント起こると宿主大変よね~」と老婆心ながら思っておりました。
ドラマチックだとそれはそれで困るので落ち着くべきところに落ち着いたと思われる2期です。
話は変わりますが、ためしにリアルで離任の際に白血球さんの「ばいばい菌だっ!」を送ってみたら、「あ!はたらく細胞ですね」と間髪入れず。
2年前くらいだったか、中目黒の駅前で“細胞”と書かれた白Tシャツ着てた人を見かけてみたり。
最近もアニメで覚えたネタが入試で出てました、とニュースなったり一般浸透度の高い本作。
人間の体内を擬人化するというアイディアと表現っぷりが面白かった作品の続編です。
軽く1期の評価振り返り。良かった点↓
①構成が抜かりない
振り返りですよ。誰もが知ってる症例を序盤に投入し中締めのがん細胞(CV石田彰)を挟んでシリアス寄りで締める良い構成でした。イズムは2期も健在です。
{netabare}第1話「たんこぶ」
第2話「獲得免疫」「バイエル板」
第3話「デング熱」「ニキビ」
第4話「ピロリ菌」「抗原変異」
第5話「サイトカイン」
第6話「悪玉菌」
第7話「がん細胞Ⅱ(前編)」
第8話「がん細胞Ⅱ(後編)」{/netabare}
ご参考までに1期はこちら↓
{netabare}第1話「肺炎球菌」
第2話「すり傷」
第3話「インフルエンザ」
第4話「食中毒」
第5話「スギ花粉アレルギー」
第6話「赤芽球と骨髄球」
第7話「がん細胞」
第8話「血液循環」
第9話「胸腺細胞」
第10話「黄色ブドウ球菌」
第11話「熱中症」
第12話「出血性ショック(前編)」
第13話「出血性ショック(後編)」{/netabare}
1期説明済みの内容はおさらい程度に触れるものの、抑えに抑えてます。その分Aパート/Bパート別のエピソードに小分けして濃縮されるかと思いきや情報量は増えることなく、さはさりながらの単純労働。
体内に侵入した雑菌を退治する話
その指揮系統やメカニズムの説明
いたってシンプルな繰り返しです。だからこそ尊い生命の営みなのですがエンタメとなると話は別?
早晩飽きがくるわけでして、その萌芽は確実にあったかしら。
1話1エピソードから1話2エピソードに。そして全8話と短距離逃げ切りは判断としては正解だったと思います。同期放送の『はたらく細胞BLACK』とセットで取り扱うことでコンテンツの魅力は増すことでしょうし、面白い試みでした。
②デフォルメしたキャラが魅力的
細胞の機能を模した見た目や性格付けが秀逸でした。例えば幼児デフォルメの“血小板”ちゃんは集まって(凝集)機能する実際のそれのイメージと合致します。ステロイドを無機質なロボにしたりとなんとなくイメージの湧く例えのオンパレード。キレッキレのねずっちだと思えばよいです。
地味に配役も良いです。好塩基球(CV杉田智和)なんて最高です。他石田彰さん、長縄まりあさん、行成とあさんなどこのポジにはこの人だろうなって人が配役されてる気がしますね。
なお、これから観ようという方は1期から通しで鑑賞してもあっという間だと思いますよ。
前述①②は大きなブレなしで楽しめることもあり、基本評価は1期と変わりません。
※そんななかで2期の良かったとこ
■オマージュが過ぎる(笑)
もちろんニヤッとしました。
{netabare}ニキビ回⇒北斗の拳。種もみとか出てきそうだったYO
がん細胞回⇒エヴァンゲリオン。石田彰さんがカヲルくんでした{/netabare}
※2期の悪かったとこ
■キャラ変?
やっぱり愚直に己の仕事を黙々とこなす面白さが削がれてたかしら。
{netabare}とりわけ白血球。というか白血球のみ。
血小板ちゃんのお仲間“うしろまえ”ちゃんに肩入れしたり、乳酸“菌”では判断がブレブレだったり。
ちなみに話を展開する上で不自然に見えるわけではないのです。
舞台や設定に工夫があって、その土台でシンプルな仕事をするのが自分の感じるこの作品の面白さだということだったみたいです。{/netabare}
普通はキャラの違う側面を出すと魅力が増すものですが不思議とそうはいかず。
むしろもともとの体内細胞が違う動きをしちゃうのを“がん”と呼ぶのでは?となんとなく納得。
良い部分悪い部分は以上です。
繰り返しなりますが、同期放送の『BLACK』とセットでの鑑賞が推奨です。ある意味1期から続けてなくても何とかついていける2期でした。
{netabare}そういえばスーパーモチベーターに鼓舞される血小板たちで締められる第1話でしたが、鼓舞どころかいきなり最前線で死にそうになることの連続『BLACK』との良い対比になってます。一緒に観てほしいとの作り手の意図も感じました。{/netabare}
※余談
■実体験
{netabare}ラオスやカンボジアをバックパック旅した時、ツレがデング熱を発症しました。たしかに白血球が基準値の半分とかすごい減ってたのを思い出しました。{/netabare}
■どうでもいい振り返り
よく○年ぶり待望の2期!みたいな作品ってありますけど、
{netabare}リアタイ視聴して「2期望む」となり数年越しで続きを楽しむって後発の新人アニヲタな私としては今回が初体験かも。厳密にはどうか知らんがスパンが半年くらいだったりわりとすぐ続きがあったようなのが記憶にありますね。
たしか『オバロ』『ちはやふる』『シュタゲ』あたりはだいぶブランクあったと思いますけど、リアタイでファンになって数年後に再会!みたいなこれまで諸先輩方が経験したであろう感慨深さを今後自分も経験できるようになるんだろうなとしみじみ思うところです。{/netabare}
本作は2年と半年ぶりでした。
視聴時期:2021年1月~3月 リアタイ
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2021.03.28 初稿
2022.01.16 修正