シャベール大佐 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
転生ものであることの意味がちゃんと感じられる、「なろう系」のファンタジーアニメ
無職で引きこもりだった主人公が異世界に転生し、赤ん坊から人生をやり直す、「なろう系」のファンタジーアニメ。全11話。
この作品、観始めてまず感じるのは、作画が素晴らしいな、ということ。背景も人物もとても綺麗に描けていますし、たまにあるアクションシーンも、ちょっとびっくりするくらい出来が良くて、映像的には文句なしのクオリティでした。では、物語としてはどうだったかというと、適度に下衆なユーモアをベースに、ときどき少し真面目になったりして、こちらも普通に面白かったです。個人的には、異世界転生ものというと、ただ主人公にチート能力を持たせて活躍させたいときに使える、便利でお手軽な形式みたいなイメージがあって、一旦物語が動き出してしまうと、「これ別に前世がどうとか必要なくね?」なんて思ってしまうことも多いのですが、この作品の場合、主人公の声を、少年ルーデウスとしての表の声と、心のなかの前世の男の声で使い分けることによって、中身は引きこもりのダメ人間であるということが常に意識されるようになっており、転生ものであることの意味が、ちゃんと感じられる内容になっていました。物語の方向性としても、前世の知識を利用して無双するようなお決まりのパターンではなく、むしろ前世の失敗を繰り返さないという、ある種の成長もののような一面もあるので、ルーデウスがどのような道を歩んでいくのか、先の展開も気になります。また、主人公以外の登場人物も含め、キャラが全体的にかなり人間臭くて、それも作品の面白さに繋がっていたと思います。
最後まで観終わって、内容的にも外形的にも、なかなか高品質な作品でした。このあとは、2クール目がおそらく夏くらいに放送されそうなので、そちらにも期待したいです。