フリ-クス さんの感想・評価
3.1
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
よくも悪くも『なろう』系
僕が感じる『なろう』系作品の共通項として、
主人公に共感できない・モテ要素が感じられない、
というのがあるけれど、その典型作品ではないかと。
女の子を『タン付け』呼びするのをはじめ、
・日常描写のギャグが寒い・痛い、
・自分では何もできないくせに態度がでかい、
・大失敗して気づかされるまで他人の気持ちを顧みない、
・決め台詞が思わずのけぞるほどこっばずかしい、
・わめくようなシ-ンじゃないのにわめきちらす、うるさい
・自分の気持ちをすぐ他人に押し付ける
など、おおよそ人間的な魅力が全く感じられません。
てかふつうに『気持ち悪いやつ』です、まじで。
なのに、死に戻りを繰り返すことによって最適ルートにたどり着き、
周りから絶大な信頼を得、女の子からはモテモテ。
この基本構造は、一期から一ミリも進化してないんですよね。
もちろん、人間だれしも
『弱い部分』『かっこ悪い部分』『稚拙な部分』
は持っているし、そこに是も非もありません。
だけどこの主人公は、自分の意志でそれらと向き合うのではなく、
事件の成り行きや周囲の力でそれらと向き合わされるだけ。
で、ほとんど他人の力でそれらが解決したら、
なぜか『主人公の手柄』みたくなっている、周囲の評価も。
最終回、こんなやつ騎士にしたらダメでしょ。
同じタイムリープ系のイタいダメ男でも、
『シュタゲ』の岡部倫太郎には、
根底に流れる人としての優しさや共感できる痛みがあったけれど、
こっちはまるでそういうのが感じられない。
魔物に惨殺されたら「ざまあ」とか思っちゃう。
じゃあ他の人物設定や物語構成もめちゃくちゃかと言うと、
そっちはすごくよくできているんです。
登場人物がすごく多いのにきちんとかみ合っていて、
それぞれが抱える背景もドラマもしっかりしている。
そういう意味では、
ただスケベなだけの男がなぜかモテモテみたいな、
『お花畑物語』と一線を画しています。
物語をきちんと確立できている。
だからまあ、人にお勧めできるかどうかとなると、
やっぱりそれは相手によるんじゃないかなあ。
非オタの方には、正直きついと思います。