栞織 さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
Qですがどうも絶不調だったのでは・・・?
オバキューとかウルトラQとひっかけているみたいなタイトル、「序」と「破」の次の「急」じゃないという事で嫌な予感がした本作でした。なぜ「急」にしなかったのか?それは私にはわかりませんが、破とシンエヴァのはざまにあるみたいな作品で、話としてもわからない部分が多かったと思います。なぜ槍が二本あるのかとか、その槍を抜いたらなぜだめだったのかなどのフォローがまったくなくお話は進みます。従って観客も謎解きがなされないので、ただ画面で物語が流れていくのにつきあっているだけの状態になってしまいます。こういうまったく理由が不明である作品に、私は見たことがないのですが、海外のニューシネマ的ジャンル、例えば「去年マリエンバードで」などの作品があげられるのではと思います。いわゆる雰囲気を楽しむという作品ですが、はっきり言って私はこの手の作品は好きではありません。ただ、シンジとカヲルの物語として見た場合は、一本筋が通ったものになっており、その支持者の人たちには受け入れられたのではないかと思います。
作画的にはキャラの顔が全体的に長くなっており、貞本さんの絵柄ではない感じがしたのもあれでした。背景などは凝った感じのSF的舞台装置になっており、エヴァの退廃的な感じはよく出ていたのではと思います。もしシンエヴァがあの終わり方にしようと当初からもくろんでいたのだとしたら、この「Q」はあえて趣味に走って作ったと思われまして、万人に受け入れられるものではなかったと私には思います。