Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
終わりなき労働の果てに―――
この作品の原作は未読ですが、「はたらく細胞」のTVアニメ版第1期~第2期は視聴済です。
2021年の冬アニメでこの作品と「はたらく細胞」が1時間連続で放送されました。
本編とスピンオフが2作連続で放送されるなんて中々珍しいことだと思います。
原作は未読なので分かりませんが、作風と作り手についてもストブラの山本英世監督を筆頭に本編とガラリと変わっていたのも相当なインパクトだってのではないでしょうか。
インパクトと言えば、キャラデザは本編と同じではないものの似通っているので、見ただけで赤血球、白血球、血小板やマクロファージなど分別できるのは優しい設定だと思いました。
でも優しいのは設定だけで、それ以外は本編とはまるで真逆の設定が逆に面白く感じられました。
ですが、一番印象に残ったのは世界観と取り扱っている題材でした。
全体的に本編より作画やキャラデザに昭和を感じるのは、きっとこのモデルの人が昭和生まれの方だったと推測しています。
きっと見ている方の中には「これ、もしかすると自分の身体のことなんじゃ…」と思った方もいらっしゃったのではないでしょうか。
かく言う私もその一人ですけど…
喫煙はしませんが昭和生まれで毎晩の晩酌が欠かせなくて…
加えて仕事によるストレスもゼロではありません。
血管の中なんかも、きっとこんな感じなんだろうな…
脱毛だってきっと時間の問題だろうし…
なんてこと思いながら視聴していました^^;
唯一救われたと思ったのが、この作品で取り上げられた結石や血栓などの症状に対し、潰瘍以外に罹患したことが無いことです。
私の場合、潰瘍は胃ではなく十二指腸でしたけれど…
タイトルに付けられている「BLACK」ですが、これは見た時からブラック企業のブラックだと想像していました。
身体の機能には休みが無いので、一番過酷な労働環境であると以前から思っていたので…
しかも、厄介なのが自分で労働環境を改善できない点です。
来るものを拒めず全てを受け入れなきゃいけないという点は過酷以外のナニモノでもありませんよね。
そして声を出すこともできないんです。
だから私たちが身体のサインに気付けるのは異変が起きたあとでしかなく、もうその時には色々手遅れなんでしょうね。
治療をすれば症状は改善できるのでしょう。
ですが、異変で傷付いた細胞はきっと2度と戻ることはないんです。
そう考えると、改めて身体に負担を強いているなぁ…と思います。
少しは改善しなきゃなんですけれど、考えてみると結構難しいんですよね^^;
私にとって、本編も十分に面白いのですが、本編より自分の身体に向き合いたいと思える作品でした。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
オープニングテーマは、ヤマサキセイヤさんによる「走れ!with ヤマサキセイヤ(キュウソネコカミ)」
エンディングテーマは、赤血球(榎木淳弥さん)と白血球(日笠陽子さん)による「上を向いて運ぼう with 赤血球 & 白血球」
エンディングも然りですが、白血球を演じた日笠さんの仕事っぷりは流石としか言いようがありませんでした。
1クール全13話の物語でした。
本編が全8話しか無かったので、全13話の構成は嬉しかったですね。
最終話Cパートの展開はムッチャ気になったんですけど…
続編の布石と思って良いのでしょうか…?