ヒロト さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:----
隠された世界で繰り広げられる心温まる物語
舞台は死後の成仏する前の世界。理不尽な運命を強いた神に復讐すべく日々天使を戦いを繰り返す「死んだ世界戦線」。
本作品のテーマは「人生」と公式サイトにありましたが、個人的には「思い出」の方がしっくりきます。私たちは生きていく中でつらい経験をたくさんしましたし、これからも様々な困難が待ち受けているはずです。でも、そんな過酷さや辛さ、痛み、悲しみなど全部包容してくれる。そんな心暖かさを感じる傑作だったと思います。
―――――――――――――――――――――
12話で謎の「パソコンの男」が登場し、「この世界に愛が芽生えた」とか「バグが発生した」とか淡々と述べてます。一見意味不明な独り言に思えましたが、これ、Angel Beatsの世界設定を知るうえで極めて重要な部分だと判断しました。
まず私の見解を率直に申し上げますと、その死後の世界をプログラミングしたのは天使・立華かなでで、“パソコンの男”は天使の思い通りに操られ、かつ天使の心が見える男です。「天使の魂」と言ってもいいかもしれません。
自分の寿命を延ばしてくれた音無に対し、死後のどこかの世界で、何らかの形で「ありがとう」と言いたかったから死後の世界を構築したのだと推測しました。天使は音無を心から強く思っているからこそ、彼女の心が見える“パソコンの男”は「この世界に愛が芽生えました」と言っているのであり、この愛は音無だけでなく、死んだ世界戦線のメンバー全員に対する愛と捉えることができます。音無に会いたいという当初の願いが膨らみ、音無に限らず死んだ世界にやってきた全員に自分の人生を笑顔で終えて欲しいと願うようになったのでしょう。
そして天使の強い想いが奇跡を呼び、すでにドナーとして悔いのない死を遂げ成仏していたはずの音無を奇跡的にAngel Beatsの世界に連れ出すことに成功します。“パソコンの男”が言っていた「バグ」はまさにこのことなのではないかと思います。音無が天使と同じ世界にやってきたところから、この物語はスタートします。
以上、自分の見解を述べさせていただきました。もし明らかに間違った情報が入っていたらごめんなさい(>_<)。ここまで読んでいただきありがとうございました!
(P.S.)ゆりっぺがパソコンを全部破壊した後、野田やTKたちは消えたのに直井や日向、音無たち5人が残っていたのは、彼らが、自分たちの人生を肯定してくれた音無に「ありがとう」と伝えるまで消えられなかったからなんだと思います。