でこぽん さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
人間を描いた作品(おまけとしてジャズ演奏が素晴らしい)
この物語は1960年代の長崎県佐世保市の高校が舞台です。
東京からやってきた秀才で内気な主人公の西見 薫(にしみ かおる)と、高校一の暴れ者の川渕千太郎(かわぶち せんたろう)、そして二人をいつも応援する迎 律子(むかえ りつこ)の3人の友情を描いています。
薫と千太郎が演奏するジャズ音楽が心地よく、見終わった後、温かい気持ちになれますよ。
特に学園祭で二人が演奏したジャズはとても素敵で、何度も聴きたくなりました。
千太郎は喧嘩っ早くてみんなから恐れられていますが、人一倍純情な心を持っています。
でも、それを知っているのは薫と律子だけ。千太郎にとって二人は大切な友達です。
もちろん人と交わるのに慣れていない薫にとって千太郎や律子は、かけがえのない友達です。高校を卒業して社会人になった後も、その友情は続きます。
薫は二人と出会えたことで優しさを知ります。人に対して優しくしようと心掛けるようになります。
学年一の秀才が学年一の乱暴者からいつの間にか人間として大切なことを学びとるのです。
物語後半になると、薫の心がかなり成長していることがわかります。
ところで、この物語は会話の際に長崎の方言が使われます。
それが、とても懐かしいです。
実は、私は長崎県の出身です。しかも舞台である佐世保のわりと近くにある町で生まれました。
だから、長崎弁を聞くと嬉しくて嬉しくてたまりません。
もう二度と帰ってこない子供の頃を思い出してしまいます。
この物語は、いつの間にか私にとって昔を思い出すためのタイムカプセルのようなものになってしまいました。私の心の本棚の大切な場所に居ついたようです。
オープニングはYUKIさんが歌う「坂道のメロディ」 明るく素敵な歌です。
エンディングは秦基博さんが歌う「アルタイル」 心にずしーと響く名曲です。
このアニメは人間としての生き方を考えるきっかけを作ってくれます。
自分は今までちゃんと生きてきたのだろうかと、思わず振り返ってしまうでしょう。