ヒロト さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
主人公の感動の成長譚。 ズルしない生き方。
私は主人公の成長ぶりに心を打たれずにはいられませんでした。当初あれだけ能力を濫用し、カンニング入学したり、異性の注目を寄せるためにトラックの事故を起こしたりと、何事にも正面から向き合わず未熟だった主人公・乙坂有宇ですが、友利奈緒たちとの出会い、そして兄・乙坂隼翼との再会を通じて、少しずつ大人になっていく姿は素晴らしかったと思います。
{netabare}それでも妹の死は有宇にとっては到底耐えきれないショックで、7話を観ればわかる通り完全に堕落してしまいます。そんな彼を救った友利は、心のどこかで、自分の兄のことを気遣ってくれていた彼を救うことに使命感を持っていたのでしょう。素晴らしい恩返しだと思います。
そして最終回のラスト、すべての能力を奪い帰還した有宇は記憶喪失に陥り友利のことも忘れてしまいますが、友利が作成した単語帳は覚えていたこと、友利と交わした約束を7話の時みたいに能力に頼ってズルしたり逃避したりせずに果たして帰ってきた姿が特に感動しました。単なるハッピーエンドよりも本作品の終わり方の方が遥かに良いと思いましたし、最後の詰めすぎ感を打ち消してしまうくらい感動的な締め括りではなかったでしょうか。 {/netabare}
最後になりますが、私はこの作品を通して『ズルしない生き方』を学びました。たとえ都合のよさそうな逃げ口があったとしても、困難からの逃避行を繰り返してばかりでは何も成長できないし、本当に避けられない事態が起きたときに立ち直れなくなってしまう。だから困難な状況でも逃げずに立ち向かい、仲間とともに幸せを探しに行こう。おそらくこれがCharlotteに込められた麻枝さんのメッセージではないかと考えました。
これから観る、もしくは今一つ感動できなかったという方は、ストーリー展開だけでなく、有宇が仲間との出会いを通じて成長していき、理不尽な困難に立ち向かうプロセスにも注目してみてはいかがでしょうか。