なばてあ さんの感想・評価
4.2
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ドルチェとグロテスク
評価は1期のそれに準じる。
この3期のラストで、ようやく物語世界のメタ性の一端が開示され始める。ようやくプロローグが終わったという感じ。
1-3期をとおして、Fateっぽさが絶妙にまぶされた「デザート」という印象が大勢を占める。作画はうまくまとめられているし、キャラデザは賛否両論あるけど、原典のそれを括弧に入れてしまえば、これはこれでもちろんあり。萌えを推し進めるならここに着地するしかない、という潔さと割り切りと。この点にかんする揺るぎなさだけは、原典を大きく超えてくる。
3期最終話「世界の片隅で君の名を」で、イリヤはギルとのバトルのさなか、魔力行使の代償として目や口から血を流すほどに傷つく。かわいらしいキャラデのロリキャラが出欠して苦しむさまは、どこか『{netabare}メイドインアビス{/netabare}』を想起させる。でももちろん、『{netabare}メイドインアビス{/netabare}』のほうが制作時期としてはあと。その意味では、あのグロ描写の先鞭がここにあるのかも。
とはいえ、そのイリヤの場面の後に続くインサートカットで、フワッと宙に浮かんで揺れる球体の血は、どうしたって『{netabare}魔法少女まどか★マギカ{/netabare}』における有名な演出を思わせる。このように、よくよく目を凝らすと、アニメ史の流れがしっかりと刻まれているこの作品は、もしかしたらもっと注目されなければならないのかもしれない。
さて、本編はつぎの4期から。3期を見終わった時点ではまだそのことに気づいていなかったわたしだった。なぜなら、・・・松来未祐さんがここまでだったから。マジカルサファイアの声を鼓膜に焼き付けるように、ストーリィよりも声音に寄り添うつもりで見てきた。
青い魔法ステッキに花束を。
衝撃:★
独創:★☆
洗練:★★★☆
機微:★☆
余韻:★★☆