たわし(爆豪) さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「ルパン音頭」が必見
ルパン三世は、DCコミックスが1950年代から現在まで発行する風刺漫画雑誌「MAD」の影響を受けていると原作者のモンキーパンチ氏は語っている。
アメコミファンからすると、なるほどね。。と思ってしまうのだが、知らない人はふーんくらいしか思えないかもしれない。
正直、カリオストロの城はフランスの小説家モーリスブラン原作「アルセーヌ・ルパン」におけるルパン像に近く、非常に上品で義賊的な側面が強調されたスノッブの効いた洒落た出来だと思う。流石に宮崎駿が監督しているだけあって非常に知能指数が高い作品だ。
しかし、モンキーパンチ氏原作のルパン三世は非常にガサツでスケベでどうしようもない男として描かれている。まさにそういったスノッブとは程遠い風刺的で人を食ったような存在として描かれているので、実は「複製人間」の方が原作寄りなのである。
話は当時流行っていた松本零士的なSF世界観だが、エッシャーやダリといったシュールレアリズム絵画の引用があったりなんかして、まさにポストモダン的な紗に構えた作品であることが最大の特徴である。
しかし、ラストに流れる「ルパン音頭」が、
「そんなに構えて見るな。これはただの漫画だよ。」
と作品全体の総評となっていて、最後に安心して見終わることができるのである。
非常に高いバランスで描かれた大人向けの良いアニメ作品だと思います。