abe2 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
真面目に評論します
最近のアニメでは相当よく練られてて地に足のついた脚本。
そらオリジナルアニメと比較したら劣る部分はあるかもしれないでしょう。でもゲームシステムありきだからストーリーとして再現しにくい世界観や、キャラが大量に登場することでとっちらかりやすいスマホゲーム原作を題材にしてここまで手堅くストーリーを仕上げたことは十分評価に値する。
具体的に何が良かったかっというとエンタープライズを中心に置いて話を進めたこと。赤城加賀の企みとか綾波の交流とかのサブストーリーはあるんだけど、基本的には自分のアイデンティティーに苦悩するエンタープライズが最終回で葛藤を解消するっていう単純な構図になっていた。それへの反論として、エンタープライズはグズグズしてただけで何もしてないし最後は勢いで解決しただけだろと言われたらまあその通りで、厳密な3幕構成に照らし合わせたら不満な点はあるんだけど前述の通りゲーム原作からここまでできたってのがすごいし、視聴していて勢いや熱量が冷めることはなかったら成功したといって良いと思う。
サブストーリーも上手くできていた。
苦悩の果てに暴走してしまったエンタープライズに対して、葛藤を解消した綾波が引導を突きつける8話とかは作画の良さも相まって近年稀に見る名場面になってたと思う。(その直前の瑞鶴翔鶴の場面も見所!)
次の9話でエンタープライズと綾波が言葉を交わすとことか、綾波がジャベリンたちに自己紹介する伏線回収はベタベタなんだけど思わずウルっときてしまった(ここもエンタープライズの葛藤解消のための流れになってるから雑なシナリオではないと思う)
アニメ化によって生じるゲームとの齟齬を上手く解消していたのも評価して良い。艦ヶれよろしく人類の扱いをどうするのって問題があったけどアニメアズールレーンにおいては、人類はこのアニメでは絵的に登場させませんよと間接的に明示していて上手いなあと感心した。これで世界観への疑問が無くなってkansenに感情移入すればいいだけになる。
あと言うほど作画は悪くない。
いや視聴に耐えないクオリティーの作画は確かにあったしそれどころかカット繋ぎなどコンテレベルでおかしいところがあったんだけど、その一方で劇場版並みの作画を見ることができたのも事実(しかもシナリオ的にも盛り上がる場面で)
んでその作画良かった場面はちゃんと評価されてるんですよねえ。
作画批判してる人はそっちには目がいかなかったんですかね?
本当にシナリオがしっかりしてれば作画とかどうでもよくなるんだなあとわかったのが新たな発見でした。
これができるのも12話使って一つの物語を描ききるって方針があったからでしょう。
各話完結のオムニバス形式ならクソ回神回みたいに言われてましたから。
まあ何にせよ久々に見てよかったなあって思えるアニメに出会えましたわ。
気が向いたら追記