R子 さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
過去と現在のつながり
前半はアリソンとヴィル、後半は二人の娘リリアとトレイズの物語。
前半は、とある宝を巡って様々な事件に巻き込まれる二人だが、知恵と勇気、人との絆で解決していく姿が描かれる。一国の王女フィオナと少佐ベネディクトの恋の行方も見どころ。この四人の出会いと、事件に関わった人物との関係が複雑に絡み合って、後半につながってゆく。
後半はアリソンとヴィルの娘リリアと、フィオナとベネディクトの子息トレイズを中心に進んでいく。
天真爛漫な母アリソンと、ある理由から父であることを隠してリリアを傍で見守るヴィル。過去を知っているからこそ見ていて切なくなるが、心強い存在として描かれている。一方、トレイズも自分が王女の子息であることをリリアに言えずに悩んでいたが、トレイズの身分を巡ってさらなる事件に巻き込まれていく。
思い切り泣ける、ということは無かったが、前半の物語が後半の物語に絶妙なスパイスを与えている。
命を脅かす数々の困難に遭うものの、その首謀者や味方になる者たちが私利私欲のためだけではなく、「何かしらの理由」を持ってその行動に至っている、ということまで描かれていた。
特にいい味を出していたのは、山寺宏一が声を担当する少佐・ベネディクトの存在だ。英雄と言われることに後ろめたさを感じながらも、いつもアリソンとリリアの味方でいてくれる。彼の存在がこの物語に大きな安心感を与えてくれていた。
もう少しじっくり描いてほしかった…という感想は残るが、それでもキャラクターに印象の残るアニメだった。ぜひ、原作を読んでみたい。