薄雪草 さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
中二病ユニバース
「うわぁっはっはぁ~。わが名はホーゥオーインキョオーーマッ!」
「世界の支配構造を破壊する、マッド・サイエンティスト、だッ!」
・。
・・・・・・。
(な、なんですと??)
とまぁ、そんなわけで、1話で "塩漬け" と相成りました。
それが5年たち・・・、10年も経ってしまい・・・。
そろそろ・・・食さないと。
レヴューには、未来ガジェット8号機が必要かも・・・。
<(-o-)ノシ。
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{netabare}
まゆりの "死" を、"なかったこと" にする 。
紅莉栖の "死" も、"なかったこと" にする 。
どちらかを選ぶのではなく、どちらも手中にする。
いかにも中二病らしい呆れた設定。
でも、なぜか惹き込まれるのです。
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確定した過去を変えずに、結果を変える。
過去に観測した結果はそのままに受け止め、そこから始まる未来を根こそぎ変える。
例えば、結果だけなら交通事故死に見える案件。
でも、自死かもしれない。心臓マヒかも知れない。突き飛ばされたのかもしれない。
結果は、"表象" に過ぎない。
科学の力によって、死因へのさまざまなアプローチが為される。
いくつもの仮説と解釈が生まれる。
そして、ときに評価は、ガラリと変わる。
(よく聞け。)
確定した過去の表象は変わらずとも、結果(=今)が変わるということは、おのずと未来も変わるのだ。
(成功を祈る。エル・プサイ・・・。)
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科学は、真理を一つに追求する。
それが、シュタインズ・ゲートの収束。
(岡部的には、でしょ!)
結果は一つに見えても、原因はいくつも考えられる。
(あの、凶真さん。ボク、因果関係はよく分からないのですけど。)
まゆりの死を、何度も目の当たりにし、学習してきた岡部。
紅莉栖の死にも直面して、さらに学習していく岡部。
昏い辛苦を、白衣のコスプレで受け止められるのが、狂気のマッドサイエンティストたる "真の姿" 。
まゆりと紅莉栖の、献身と犠牲の上にたどり着いた "確信" なのです。
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岡部の痛みを、感じずにはいられない。
α世界線からβ世界線への回帰のために、多くの女性たちの切なる願いが "なかったこと" へとバーターされる。
それは "犠牲の涙" なのだ。
(くちびる、奪われました・・・。)
世界線の移行、時間遡行の代償は、岡部自身の "血肉をもって" バーターされる 。
それは "贖罪の証" なのだ。
(おじさん、無茶して・・・。)
岡部の覚悟を、見定めずにはいられない。
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因果の構築も、世界の再構築も、常に岡部と鳳凰院の選択にある。
二つのキャラを行き来するのは、一つきりの思考。
岡部の憂いを和らげ、鳳凰院の苦悩を支えるのは、中二病たるギャップだ。
もちろん、紅莉栖も巻き込まれている。
(オカリン、これは、二人の共同研究なんだよね。)
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そしてもう一人のキーマン。
ジョン・タイターその人である。
鈴羽もまた、過去改変の漂流者と覚悟し、自らの使命を57億人の命とバーターさせる。
鈴羽の "死" は "なかったこと" にはできない。
狭まる選択と悔恨とが、岡部に決意を促す。
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シュタインズ・ゲートは、未来を救う世界線と時間軸とが収束する交点。
何かを犠牲にしなければ、突破できないダイバージェンス1の壁なのです。
記憶の亡失・・・。
未来の喪失・・・。
そして邂逅の不可逆性・・・。
それこそが時間の反逆者への報復。
そして "報酬" なのでしょう。
シュタインズ・ゲートは、大切な人を救った記憶のあわい。
存在のすべてを "1" に懸けて、時空を突破してきた証なのです。
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魂の質量、記憶の優劣。
ラボメンへの友情、大切な人への慕情。
紡いできたもの、心に芽生えたもの。
それらは、世界線を違えても、変わらないものと信じたい。
だって・・・・。
想いを交わしたキスの感覚は・・・。
時の一方通行ではないはず、でしょ?
(リア充爆発しろ!だぞ!)
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それにしても、キョウマは相変わらずにゃ。
紅莉栖ちゃんとの再会も、シュタインズ・ゲートの選択のせいにするなんて、告白もキスも、"なかったこと" にしたいのかにゃ?
やっぱりキョウマの頭のなかは中二病だにゃ。
{/netabare}