レオン博士 さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
旅の途中で出会った炎の輝き
映画館で見てレビュー書きましたが、改めてTVで見て細かいところまで見れたのと、2期の情報を知ってちょっと意見は変わったので全部書き直しています。
【紹介】
劇場版と言うよりも、2時間スペシャルと言ったほうがしっくりくるかも。
話は新規書下ろしではなく、原作をそのまま映画化した作品ですね。(もちろん細かいところは結構違いますが)
しかもこれとは別に、アニメ2期でこのエピソードそのまま全部作り直されるでしょうから、相当好意的に解釈したとしても、先が気になりすぎて早く見たい人向けの映画化ということでしょうか?
まあ、商業的な都合以外の何者でもないですよね・・・
【映画化する必要性はなかった】
ほぼ原作そのままのシナリオなので、本来これは2期でやるべきことで、劇場版にしたのは商業的な都合ですよね。
実際大成功しているわけですが、これは映画として評価してはいけないと思います。
何しろ、実質的にはただの第28話?であり、映画化する必要性がないものですから。
しかもこのエピソードまるまるアニメ2期でやるなら、映画化する必要性そのものがほとんどないですよね。
この売り方そのものには非常に批判的に見ていますが、それと内容は別の話なので、分けて評価したいと思います。
ただ、話としてはとても良かったです。
映画化する必要性はないとは言っても、鬼滅ファンとしてはこれだけのクオリティで制作されたことは素直に嬉しいと思いました。
【作画】
テレビで見ても神作画だけど、やっぱり映画館で見たときの凄まじい映像美が忘れられないですね。できることならもう一度映画館で見たい。
なにがすごいかって、全体的に暗い場面が多いですが、暗い場面って描くのが難しいと思うんですよね。暗くしすぎるとわかりづらくなるし、かといってはっきり描きすぎると雰囲気が出ない。でも陰影のつけ方が絶妙で、状況がわかりやすくかつ雰囲気をしっかり出せています。燃え盛る炎の作画も思っていた以上に凄かった。文句なしの神作画。
たぶん、何度も何度も見直して細かい修正を繰り返した成果なんでしょうね。よくここまで凄い映像にしてくださいました。
作画担当の皆様に感謝したいです。
【主題歌 炎】
エンドロールとともに流れる「炎」は「ほむら」と読みます。
これは煉獄さんの生き様を見てその志を引き継いだ炭次郎が煉獄さんに抱いた憧れの気持ちと、失った悲しみと、誓った決意を歌詞にしたもので、こんなん、泣くなっていうほうがムリ。
物語を締めくくるのに相応しい名曲で、絵と音楽で物語の余韻を美しく彩っている。
【シナリオ】
{netabare}
前半部分では夢の世界で炭次郎や煉獄さんが過去と向き合うところは良かったけど少し長い。
実は原作のシナリオとは結構違うところありますが、私は特に気にしていません。
後半部分は煉獄さんの独壇場。主役が完全に持っていかれてましたね。
煉獄さんの戦闘シーンそのものは最高でしたが、あれだけの死闘繰り広げた幕切れが死に損なって逃亡って言うのはやっぱりこの場面だけで見れば興ざめですね。
原作通りだから仕方ないのですが、劇場版にしたことでスッキリしない終わり方という印象がより強調されてしまっていますね。
原作だと当然この後すぐ次のエピソードが始まりますが、劇場版はこのエピソードだけで一つの物語として表現されていますから。
煉獄さんの柱としての実力が描写不足で、こういうシナリオにするにしても、もう少し派手に暴れさせてからでも遅くないと思うんですよね。
炭次郎の「逃げるな卑怯者!!!!」は良かったんですけどね。
ただ、炭次郎はただ守られてその生き様を黙ってみていることしかできず、己の無力さを感じるとともに、煉獄さんのように強くなりたい、仇を討ちたい、その燃え盛る熱い想いを継ぎたい、と強く決意しました。
今後、さらなる強敵と戦うことになる炭次郎にとって彼との出会いは大きな糧となっているのでとても大事なエピソードです。
そしてエンドロールとともにLiSAの炎の歌詞まで含めて一本のシナリオになっており、その演出がとても良かった。
{/netabare}
【総評】
クオリティは凄い。全力でこの舞台を演出していることはよくわかる。
鬼滅が好きすぎて原作はジャンプで読み、単行本を読み、映画館まで見に行き、本日TVでも視聴しました。
何度見てもやっぱり煉獄さん最高ですね。
原作から見ているのでこんな凄いクオリティで映像として見れたこと自体が感動ものでした。
結構原作と違うところも多いのですが、映画版にブラッシュアップした結果だと思うので気にはならないです。
仕方ないけど、煉獄さん暴れさせるためにもう少し激しい動きができる舞台が欲しかったところ。
この続きはもう少し先になりそうですが、楽しみですね。
【視聴して満足感は得られたが、少し残念なところもあった】
{netabare}
・舞台が列車の中のためどうしても動きに窮屈さを感じ、1期と比べて戦闘シーンの躍動感に欠ける
・炭次郎が戦った魘夢ですが、最初は夢の中で暗殺という卑怯かつ地味な方法、後半は触手の無限沸きで斬っても斬ってもどんどん湧いてくるタイプの敵で、炭次郎達のピンチ感はすごくあったものの、敵の魅力がほぼ0に近く、夢から覚醒後の戦闘シーンも大量に沸く雑魚敵を始末しているようにしか見えず、前半の戦闘シーンは盛り上がりに欠けた。
・今回の敵、猗窩座ですが、登場の仕方も微妙だったし、煉獄さんと初対面のはずですが、実力を見るまでもなくいきなり勧誘を始めるなどその行動には疑問しかなかった。
{/netabare}