ゲリオ さんの感想・評価
3.7
物語 : 2.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
オープニングが素晴らしい
ブシロードがアニメ、舞台、ソシャゲなどを主導するシリーズ。
原作企画自体はかなり以前から"アクションドール"というコアなコンテンツで存在していたとのこと。
そんなコアな素材に目を付けたブシロードは流石だが、問題はそれをどうやってムーヴメントさせるかという点だ。
まずアニメーション制作はシャフトという数々の名作を手掛けた実績ある制作会社に一任。そこは良かったんじゃないかと。ブシロ自身でアニメーションも手掛けようとして大失敗したバンドリ1期と同じ轍を踏まなかったのは。
このアニメの良かった回と悪かった回は、非常に分かりやすく区別できる。
すなわち、前者はキャラ回、後者は戦闘回である。
2話、5話、7話、10話は当たり。
3話、6話、9話、11話は外れ。
とにかくヒュージという物言わぬ外敵との戦闘が全然盛り上がらないのだ。
こういう地球外生命体タイプ(?)との戦いを描くアニメの戦闘シーンって大体面白くなくて、当たってるの"ストパン"くらいな気がする。
むしろ本作は戦闘シーンになると必ず退屈になると言っても過言ではなく、良回とハズレ回の乱高下が凄まじかった。
そして主人公達から高く尊敬されてるはずの夢結様がいちいちメンタル最弱なのがストレス溜まる。1クールアニメで3回も闇落ち繰り返すキャラなんて史上初だろ…って。
一方でヒュージが出てこないキャラ回においては、それぞれのキャラクターが大変魅力的に描かれていた。
最も印象深かったのは5話で夢結様が山梨県までラムネを買いに行った話。
完全にギャグ回のノリだったけど、初回からあれだけ孤高の存在としてクールに描写された夢結様が、実はポンコツ少女だったというのはギャップ萌え半端なかった。
それだけに6話と11話で再び精神崩壊を繰り返してしまうのは改めて勿体ない。
あれもいわゆる"誰得シリアス"の一種なのだろうか…
多数の美少女キャラが登場する類似アニメ(ソシャゲ作品等)は、結局キャラを覚えられずにとっ散らかる場合が大体なのだが、本作はメインとなるキャラクターが絞られてて、特に一柳隊の9人全員に分かりやすい役割が与えられていた点がポイント高い。
毎回氏名を表示する手法も、おかげで顔と名前を覚えられた点で親切だったと思う。必ずしも正しい手法ではないが本作に関しては有りだった。
一番のお気に入りキャラはやっぱり楓・J・ヌーベルさんかな。
ナルシストなお嬢様なのに嫌味がなく、友人思いの性格がめちゃ最高で毎回高感度が上がり、10話でピークに達しました。
次点で安藤鶴紗ちゃんも気になる存在だったが(レギオン集めの時の猫のシーンがくっそ笑えたので)、メイン回がくる前にアニメが終わってしまったのは少し勿体なかったかも。2クールあればなぁ…
本作の声優さんの起用は、ブシロード作品なだけあってブシロ関連会社所属の方が多かったけど、主人公の一柳梨璃を担当したのが赤尾ひかるさんというのは意外だった。
この人は2018年の"こみっくがーる"のカオス先生の声だったのが記憶に残ってて、またメインヒロインを与えられたのがなんか嬉しかったね。
演技力だけではない唯一無二の魅力がある声をお持ちの方で、多数の作品に出演できるタイプの声優さんではないが、ピンポイントで役どころがあるタイプ。
最後にまとめると、ずばりキャラ的魅力は高い作品だったがストーリーが今ひとつで勿体ない作品だった、というのが総評になる。
まぁ、物言わぬ外敵との戦闘がメインとなるストーリーはやっぱり難しい。
いっそのことキャラの日常だけのが良かったのではと感じたりもするけど、それはそれで単なる凡庸萌え作品になってしまうと思うので、結局は出来る限りのことはやりきったのかもしれない。
最後にタイトルに書いたオープニングの件にも触れて置かないと。
バンドリの"RAISE A SUILEN"が担当した"Sacred world"は最高だった。シャフト制作のアニメーションも格好良すぎだし、OPだけなら当年度アニメのナンバーワンかもしれない。合わせて一柳隊が歌うED曲"Edel Lilie"も素晴らしかった。OP&EDだけなら100点アニメ。