ラグマット さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 2.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:----
国内ダークファンタジーの金字塔
主人公のガッツは、親友を拷問官に半殺し(優しい表現)にされたり、その親友に仲間ごと裏切られたり、仲間が全滅したり、好意を抱いていた女を怪物と親友に輪姦されたり、片目と片腕を失ったり……劇場版アニメ、初代アニメ版では色々と悲惨な目に遭っています。
今作はそれらを経てからの続編(原作でいうところの14巻以降の話)となります。
前作群ほどではありませんが、その繋がりから陰鬱とした描写が多く、楽しく見れる範疇を超えていると感じる可能性もあります。
まず目を引くのが、ヌルヌルと動く3DCGによるアニメ描写。残念ですが、お世辞にも出来が良いとは言えません。原作、初代アニメの重厚感ある作画の再現はCGでは難しく、しかしながら中盤以降は陰影を巧みに使い、3DCGに漫画的な表現を併せて、ベルセルクらしさを表現していたと思います。
本作の問題や不満点の多くはこの作画によるところが大きいでしょうが、3DCGアニメに寛容な方ならば特に違和感はないかと。ただ、やはり一部間抜けに映るシーンもあるのは事実です。
ちなみに規制版は乳首や一部のグロシーンを消していますが、BD版は描かれています。
作画はさておき、声優の演技は最高ですね。媒体によって声優がコロコロ変わるので一部賛否はありますが、自分は気になりませんでした。
主人公ガッツを演じる岩永洋昭の低く落ち着いた声は今作の、様々な地獄を経験してきたガッツには適しているかと思います。
その反面、媒体によって声優が違うため、小山力也など劇場版で演じていた人が今作では違うキャラを担当していたりと、一部混沌としています。別に下手というわけではないので、不満点ではありません。
BGM及びOPEDは私はそこまで印象には残りませんでしたが、戦闘開始時のゴングのようなリズムあるBGMは良くも悪くも面白かったです。最初は笑いましたが、最後らへんは一周回って、らしさを感じてきました。
作品として見た時、個人的には尺不足を感じさせました。初期の作画の酷さや物語の展開は原作、全アニメ視聴者でないと許容するのは難しいかと。とにかく描写不足によって一部台無しになっているシーンも少なからずあります。
しかし総じて見た時、やはりベルセルクの良い部分をしっかりと描いており、見て損はない作品になっていると感じました。