たわし(爆豪) さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ヤンキー母校に帰る
少年マガジンが誇る事実上「最後のヤンキー漫画」である。これ以降のマガジンは少年ジャンプや少年サンデーのようなオタク路線を取り入れて、今日のファンタジー漫画を作り、雑誌からwebへ移り、アイドルのグラビア等を載せることをしなくなる。
この「GTO」の主人公教師「鬼塚永吉」は、著者の前作「湘南純愛組」の続編であり、スピンオフ企画でありながら「湘南」よりも売れてしまった。
当時の社会問題を大いに取り入れ、陰湿ないじめ問題、オタクひきこもり問題、インターネット社会に援助交際と。。。まさに90年代のサブカルを総まとめする作品である。
つまりは「湘南純愛組」で80年代を、「GTO」で90年代の時代の空気を理解することができる。
絵に関しては、北条司や池上遼一などの劇画の路線を貫く泥臭さが残りながら、「スラムダンク」における80年代少女漫画の絵柄も取り入れ、時には「エヴァンゲリオン」のようなオタク路線をとり入れたりするので、まさに「サブカル」の宝庫である。
僕は「スラムダンク」と「GTO」の時代に青春を送ったので、当時まだ微かに「ヤンキー」が都会にも田舎にも存在した時代を生きていた。。
令和になり、すっかりヤンキーは姿を消してしまったが、「若者」にいなくなっただけで、40代以上のおっさんには未だこの感覚で生きている人も多い。