むんむん さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことは、手短に。
放送 :2012年4月放送、全22話
原作 :米澤穂信の推理小説
アニメーション制作:京都アニメーション
2012年 春アニメ 1番の期待作。
★★★★★★★★放送前レビュー★★★★★★★★
原作は、米澤穂信さん。
代表作は「インシテミル」「折れた竜骨」などなど。
「折れた竜骨」で「このミステリーがすごい!」2位に輝き、現在、注目されている作家さんです。
そして、その米澤穂信さんのデビュー作となった「氷菓」から続く「古典部シリーズ」。(現在、全5冊)
この作品が、このアニメの原作です。
「氷菓」
「愚者のエンドロール」
「クドリャフカの順番」
「遠回りする雛」
「ふたりの距離の概算」
物語は、「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことは、手短に」をモットーとする省エネ主義者―――折木奉太郎が姉の頼みで古典部に入部することから始まります。
「やらなければいけないことなら、やらない」奉太郎ですが、瞳が大きく好奇心あふれる清楚な少女―――千反田えるの「私、気になります!」の一言に翻弄され、日常に潜む不思議な謎を次々と解き明かしていくことに。
いつの間にか密室になった教室。
毎週必ず借り出される本。
あるはずの文集を「ない」と言い張る青年。
そして「氷菓」という題名の文集に秘められた33年前の真実・・・
奉太郎は、そして古典部は、その謎を解き明かすことが出来るのか!?
さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリ、登場!
★★★★★★★★★★レビュー★★★★★★★★★★
毎週、本当に楽しみにしていました。
原作を既に読んでいてストーリーもトリックも分かっているのに、それでも毎週楽しみでした。
まず、アニメの「見せ方」が上手い。
内容がミステリ(まあ、「日常の謎」系ですが)なので、解決シーンなどは探偵役がだらだら説明するのかとおもいきや、謎やトリックを表した絵が現れてビックリしました。
これは小説を読むより分かりやすいです。
ミステリ小説もこれからどんどんアニメ化出来ることを証明しました^^
次にストーリー。
本当に面白かったです。
文集「氷菓」の謎。
結末の描かれなかった映画。
文化祭での奇妙な連続事件、などなど。
殺人事件が必ず起きるドラマばっかり観ている人はミステリの新しいジャンルに興奮するでしょう。
なにもミステリーは人が死ななくても良いのです。
私たちが過ごしている日常にも様々な謎が潜んでいます。
このアニメ「氷菓」はこの「日常の謎」というジャンルのミステリです。
アニメ化されただけあって、ミステリとしての謎の質もとても良く作られています。
矛盾なんてもちろんありませんし、ちゃんと筋も通った解決をしました。
でも、このアニメ「氷菓」の本当の見所は↓にあると思います。
キャラクターの心理描写。
「氷菓」や「愚者のエンドロール」ではなく、「クドリャフカの順番」(文化祭)や「遠まわりする雛」でよく現れたキャラクターたちの心理描写が素晴らしいと思います。
文化祭の中、漫画研究会での居心地の悪さを感じる摩耶花、奉太郎の代わりに謎に挑戦する里志、文集を売ろうと奮闘する千反田。
人生、良いことばかりではないですね。
17話での里志と摩耶花の会話、「ふくちゃんは折木勝ちたかったの?」
この台詞に、この作品の良いところがとても良く表れていると思います。
このように「嫉妬」や「他人に勝ちたい」などの繊細な心理を描くアニメがどこにあるのでしょう。
21話 「手作りチョコレート事件」もキャラクターの感情がとても良く描かれていました。
本当にキャラクターの心理描写が素晴らしかったと思います。
ミステリアニメとしても、青春アニメとしても、素晴らしいレベルのアニメでした。
私のMYBESTでも上位に入るかもです。
現在あにこれで、2012年のランキングでは4位、総合では115位ですが、まだ放送終了して間もないためこれからどんどん順位が上がっていくと思います。