芝生まじりの丘 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
現代的な幼さ
現代的な世界観は良いし、2つの異なる世界を極端に区別して描いているのはすごい良い。
しかし、リミットを外して頑張るのさみたいな試験前の一夜漬けの決め台詞でチートを使って物事を解決するのが自分には脳筋すぎた。青汁の宣伝よりドラマに感動できない。
{netabare}
ゲームとして娯楽としてプレイしているサイボーグと、生身で決死で生きている人間の間の意識の差異が生む愉快なアイロニーこそが面白みかと思いきや、ゲーム的なトボけた楽観主義に現実までもが押しつぶされて、その差異が曖昧になってしまうのでこの設定で何が表現したかったのか分からなくなってしまった。
また、斬新さはあるものの、独創的というよりは時代の潮流にのったような穏当な作風で、ロック精神も何も感じないような作りなのに、それでシステムの破壊とインディヴィデュアリズムを強く標榜するのも何か皮肉な違和感を感じた。
極め付けは最終話で、あの最後の幸福な社会の実現された様子は”システム側”の理想的な虚妄にしか見えなかった。
結局ゲーム対リアル、システム対個人といった要素は製作陣にとって重要ではなかったのではなかろうか。ゲームでの実力がもっと深刻で現実的な価値をもったり、ゲームで世界を救うことが実際に世界を救うことに繋がったり、不快なゲームマスターを叩き潰したりというゲーマー冥利につきる夢物語を実現してやる、というのが多分このアニメの目的だったのだろう。
{/netabare}
色々書いてしまったが世界設定の時点ではかなり好みだし、好きになれそうな側面もたくさんあるだけに惜しいのだ。