ゲリオ さんの感想・評価
2.9
物語 : 3.0
作画 : 2.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
オリンピック新規採用種目
美少女×部活物のスポーツクライミングVer。
もうこれ系でやったことない素材はないはず…と毎度言ってるけど、何かと違う部活物が出てくるのスゴイと思う。
本作のレビューに関しては「とりあえず普通でしたと」しか伝えようが…
これ系の面白いかどうかは、その競技がアニメに適してるか否かに左右されるところが大きい。
近年の作品を例えにすると、まったく動きのない"レーザー射撃"のアニメは競技が地味すぎてつまんなかったし、"ボードゲーム"は内容的にアニメーションで表現するのが難しい素材だった。
で、肝心の"スポーツクライミング"という競技はといえば、動きがあるだけアニメ向けだったとも言えるが、ただ1人でコースを登る個人競技なのでさすがに熱い展開というのは生まれにくいとは感じた。
ただ、この競技を素材にした強みは、大会で用いられる人工的に作られた壁面コースに加え、自然の崖を登るロッククライミングの話もやろうと思えばやれたことだ。
本作では修行シーンでそれらしき描写が見られたが、もっと日常シーンで見たかったというか…"ヤマノススメ"ならぬ"ガケノススメ"的な話があっても良かった気がする。
部活あるいは大会だけにストーリーの軸を絞るのではなく、日常回を通じてクライミングの魅力を表現してくれたら、もっと幅広い楽しみ方ができた競技ジャンルだったかもしれない。
まぁ、学生だけでガチのロッククライミングは普通に考えて危険なんだろうけれど、ならば本作のどこが"岩駆ける"なんだと感じた。
どうでもいいけど揃って安全マット背負って移動する絵面はシュールで笑えました。
作画は終始低カロリー気味で、試合シーンなのに止め絵や顔面アップばかりなのは如何なものか。
第2話にして明らかな低予算アニメだということを隠しきれてない様子。
最初からクオリティが望めないことが分かってる作品に作画がどーだこーだ言うのはナンセンスかもしれないけど、実際にリスクがあるのにコストをかけて高品質なアニメーションに仕上げてる作品もあり、それらと比較しないわけにはいかないのでここは厳しくマイナス評価を付けたい。
キャラデに関しては、CM等で原作絵を見たけど割と思いきって改変したな…と。
原作絵は画力は未熟ではありながら女の子は可愛く描けてると思ったが、アニメのキャラデは00年代っぽくてあまりブヒれない感じに。
でも上原準ちゃんの細マッチョな筋肉には拘りを感じられて良かった。バキバキに割れた腹筋、フェチにはたまらないだろうなぁ…と。
準ちゃんといえば「私にはクライミングしかないの!」的な性格でありながら、楽しいという理由でスポーツクライミングを始めた主人公このみに、あっという間に追い越されたのは可哀想だった。
このみが覚醒してクライミングマシーンになったときは、てっきり某バドミントン作品の主人公みたく魔王化するのかと不安視されたが、挫折した準を呼び戻すシナリオ展開になることで杞憂に終わった。
主人公を性悪にさせても作品にとってプラスになることは何もないことは過去作が物語ってるから魔王化フラグ回避できて良かったわ。
スポーツクライミングと言えば、今年のオリンピックで新規採用された話題の競技。(オリンピック開催されない可能性のがだいぶ高いけど)
実を言えば今まで「スポーツクライミング=ボルダリング」なのかと思っていたが、ボルダリングがスポーツクライミングにおける種目の1つ(全3種)ということを本作で初めて知れた。
その知識を得られただけでも見た価値はあったんじゃないかと。
最終回はかなり駆け足気味で、全国大会をダイジェスト感覚で終幕させた感じ。
まぁ、ストーリーも作画もはっきり言ってB級夜露死苦なアニメだったので、そこは仕方がない。
限られた尺、予算の中で出来る限りのことは尽くしたと思う。
それなりに満足できたアニメだったということでレビューを締めたい。