STONE さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
とりあえずの簡単な感想
原作は未読。
シャーロック・ホームズの宿敵であるモリアーティ教授を主人公にした異色作品。
とは言え、主人公らしくなるように一般のホームズ作品とは異なり、美青年になっているのは
ご愛嬌といったところ。
一方のシャーロックは今回は脇役に回ったかと思いきや、そうでもなくて
ウィリアム・ジェームズ・モリアーティとはタイプの異なる主人公といった描かれ方で、
ダブル主人公といった方が良さそうな感じ。
もはやブランド化したようなフィクション作品の主人公や主役を勤めることの多い歴史上の
人物の、敵役やライバルを主人公に据えると同じ世界観を使いつつも新しい風景になることが多い。
今でこそ主人公サイドに回ることの多い新撰組も、かっては維新を邪魔だてする典型的な
悪役だったわけで、彼らを中心にした初期の作品(子母澤 寛氏辺りか?)は当時はさぞや斬新な
印象だったのでは?。
そういう点では本作もホームズ世界の作品でありながら、手垢の付いた感は薄かった。
作品世界ではウィリアムらは殺人を繰り返す犯罪者ではあるが悪を描くといった作風ではなく、
自身の正義により悪どい貴族を葬っていくという必殺シリーズのような印象。
中盤以降は社会変革のための殺人といった趣きが強くなり、革命家を描いたような感じだったが、
貴族を廃すれば世の中が良くなるといった考え方が、頭脳明晰なウィリアムにしては随分と
脳内お花畑な感じ。
まあ優秀な人ほど理想主義に陥ることはあるし、計画の全貌が明らかになっていないから
なんとも言えんが。
分割2クールの前半ということで、思いっきり話途中といった感じで、ウィリアムと
シャーロックも本格的には向かい合っていないし、互いの印象もまだ手探り中といったところ。
ウィリアムとは異なりシャーロックに嫌悪感を見せる弟のルイスの存在や、オリジナルでは
シャーロックを凌ぐ頭脳を持つ兄のマイクロフトが登場するなど、先行きが楽しみである。
2020/01/25