saitama さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
いま観てもハマる押井ワールド。これが攻殻機動隊へ繋がる。
劇場版パトレイバーは1も2も面白い。
そうなんだけど、この2はとくに押井守監督の押井ワールドが感じられる。
うる星やつらビューティフル・ドリーマー、そしてこのあとに続く攻殻機動隊。
このパトレイバー2は、画は攻殻機動隊の元なんだけど、演出は明らかにビューティフル・ドリーマー。
結局のところ、ビューティフル・ドリーマーも、パトレイバー2も、攻殻機動隊も、作品として昇華したものが、それぞれ違うだけで、設定というか世界観はすべて押井守。
そこがすごくいい。ハマる人は絶対にハマる。
このパトレイバー2や攻殻機動隊が、その後の実写ドラマや映画にも、さまざまな影響を与えたのをすごく感じる。
例えば踊る大捜査線なんて、押井守作品演出の数々を丸パクリしてる。
本広克行はパクるのが巧かっただけで、才能があったわけじゃないんだなって、押井守作品をみればみるほどわかる。
その押井守も学生時代に年間1000本単位で映画を見ていたそうだけど、やはり若い時代にどれだけ知識を吸収したかがその後の世界観というか、演出の引き出しにつながるのだなと。
押井守もパクリはたくさんしただろうが、それはもっと高尚な、数あるなかからふるいにかけ、洗練されたなかから、形を変え、自分好みを見つけだしたのだろう…。そこが本広克行とは違う。才能レベルが桁外れに違うと痛感する。
押井守みたいな才能を感じさせる人って誰だろうと思ったとき、ギレルモ・デル・トロはそうだなと思った。やはり若いときに蓄積した情報量が圧倒的。そういう人だからこその感性や引き出しの数々。
世界のメジャーになりきれなかったけど、才能だけなら、間違いなく世界のメジャー監督たちと肩を並べるであろう、押井守らしい作品。