大重 さんの感想・評価
1.1
物語 : 1.0
作画 : 1.5
声優 : 1.0
音楽 : 1.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
すごいものを見た。負の方向に。
あ、本作は糞アニメ、ネタアニメ好きさんにはおすすめです。
話のネタになる酷さです。
しかし、普通に批判していいものなのでしょうか?
素人さんが個人で作った作品を、貯金をはたいてTVで放送したなら、まあ頑張りましたね、と生暖かく見る気持ちはあります。
なので悩ましくて色々調べてみましたが…さっぱりわからない。
公式ページはtwitterくらいしか出てこないし、本当にもう、一体何なの? どこの誰が、何の目的で作ったの…?
わからないけれど、一応ある程度の集団で作っているらしいし、TVで放送したからには身内以外に見られる覚悟もしているはず。容赦なく行きます。
本作はピクチャーアニメーションを自称しているようです。
ゲームのアドベンチャーパートのような、キャラの立ち絵が表示され、それに声をあてる形式。
口パクもなく、正直これをアニメと呼んで良いのか…。要するには、ノベルゲームのオートモードです。
ただまあ、素人がアニメを作るのに、一番簡単な方法はこれだと思うので…。まあ、この方式については一応有りとします。
実際エロゲーやギャルゲーは、この形式で数々の面白い、感動的な作品を作り上げてきたわけで。
さて、キャラの立ち絵の品質の方は、まあそれなり。
プロとして上手いとは言い難いものの、アマチュアとしてはまずまずで、ヒロインの絵は可愛らしいです。
しかし男の絵などは、かなり微妙です。腕の太さが左右違っていたり…。
複数人で描いているから実力にばらつきがあるんでしょうか。それとも女は描けるけど男は描けない人なのか。
でもまあ昔のエロゲーにはこんなのもあったよな…、と、懐かしい気持ちになったので、まあギリ許す。
じゃあ何がそんなに酷いかというと、まずは声ですね。
…完全に素人ですね。大変に聞き苦しい。
せっかくTVで放送する機会なんだし、新人声優でも良いから雇いましょうよ…。
それとも、こんなレベルの新人声優が居るのでしょうか?
残念ですが、本作に登場した方が新人声優なら、よほど鍛え直さないと今後まともなアニメに出られるとは思えません。
いや、素人ですよね? 制作スタッフが声を当てているだけですよね? そうであって欲しい。
テレビで放送する金を使うなら、声優をケチる意味がわからないです。
声優を当てて、ニコ動やらYoutubeで流した方が良いのでは…。
それとも千葉テレビの放送料は、声優代より安いのでしょうか。
と思ってちょっと調べてみました。福島テレビは、深夜は30分28万円からなんですね。意外と安い。
千葉テレビは首都圏だし、もっと高いかと思いますが… そんだけ出してるなら、もうちょっと頑張って声優呼んだ方が…。
で、最後は内容。
…典型的な、中二病黒歴史ノート。
いやー、ここまであからさまな、もうこの手の設定は何百万回も見た、と言いたくなるような、ひねりも何にも無い中二病黒歴史ノートを公開するのって、逆に珍しいのでは。
ま、こういう中二病スピリッツを持っている所は嫌いじゃないです。
中二病の何が悪いのか…。結局の所、面白くない、格好良くない、という所に尽きるのでしょうね。
面白かったり格好良かったりすれば、良いんですよ。
「これがモノを殺すということだ」とか「生きているなら神様だって殺す」とか、一部に偏りましたが、格好良ければそれで良いんです。
それが、ゲートキーパーって格好いいですかね。門を守るならせめてそれを生かした特殊能力を持っているとか…。
何か珍しかったり独特な個性でもあれば、認めるのですが。
ところが、面白くも珍しくもない設定をぐだぐだ…。
こういう設定は聞いても、上滑りして頭に入ってきません。
そして、実際頭に入れる必要も無いでしょう。
だって結局、剣と魔法でバトルするだけなんでしょ? 何の必要もない情報でしか無い。
こういう虚無な作品というのは、擁護のしようもないです。
そりゃ、中二病黒歴史ノートを公開するのって、きっと製作者からすると楽しいことなのでは無いでしょうか。
でも視聴者が見て面白いかって視点、ありますかね?
で、内容が酷いのに輪をかけて、演出も酷いです。
ダサくて芋っぽい。ひどい内容をさらに滑稽に見苦しくしています。
酷い内容を酷い演出でより酷く。凄い相乗効果ですね。
さて、ここまで驚くほど質が低いと、逆に見る価値があるのでは? という錯覚すら覚えます。
面白いのに見れないアニメは他に山ほどあって、時間の無駄なのは百も承知で、ちょっと時間を無駄にしてみようかな。
そう思うくらい突き抜けた、衝撃的な酷さでした。
4話まで視聴
いやまあ、あまりの酷さに、頑張って見てしまいました。
悪い部分のオンパレードでいい部分が一つもない、圧倒的な駄作っぷりはすごいと言えばすごい。
しかし、良い作品は良かった以外語ることがない、悪かった作品はどこが悪かったか語りたくなるのでつい文章が長くなる傾向はあるのですが、悪い部分しかないと逆にどこをどう語っていいかわからなくなるということがわかりました。
というわけで、大変悩ましいのですが…。
とにかく演出的な部分が酷かったと思います。
本作はゲーム的な立ち絵が表示される仕組みなのですが、ゲームによくある地の文が無いのですね。こういう形式の場合セリフで何が起きたか話さなきゃいけなくて、くどい不自然な文章になりやすく、他のゲームでも難儀している所です。
ところが本作は地の文が無いことに対する配慮がなにもないので、情景がさっぱりわからない。
いや剣で戦ってるとかその程度はわかりますが、キンキン滑稽な描写にしかならないわけですね。
いやそもそも滑稽じゃない部分が無いのですが…。そもそもつまらない、クオリティが低いだけじゃなくて、他人が見てわかりやすいかという配慮が一切無い方が問題かなーと思いました。
まあそもそも何もかもレベルが低すぎて論外なのですが。
セリフとセリフの合間の不自然な間があって立ち絵がしばらく表示されたままになるところとか…。
本作のクオリティがどれくらいだったら許せるか考えたのですが、『高校の文化祭のクラスの出し物で出した映像作品』という形式だったら、まあ妥当かなと。
映像系、ゲーム系部活やサークルの作品なら、もうちょっと頑張った方が良いと思います。
続編鋭意製作中とか… まだ作るんだ…。