心底に来るアニメ切望 さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
殺しの富野が存分に出した(総製作者の富野氏自身が)失敗作だったらしいですが…。個人的には戦争の悲惨さや不条理等を露骨に描いたのが非常に心底に来ました…。ですがやはり決して最後まで超暗い気持ちで観ていたのを憶えています…。
普通ならこんなに超暗い&グロ展開満載…という時点で途中で切ろうと思ったが、何か変な不思議な魅力(!?)で最後まで観ました…。それでも結末の方も、正直、スッキリは全くしなかった…。だが不思議と観て後悔は決してしなかった…。富野マジックの妙なトリックに私は知らず知らずにすっかりハマったらしいですね…。
それにしてもカテジナさんは何故あんなに凶変してしまったのか…。このキャラ設定で見ても(富野氏が一番)Vガンが失敗作だったと思わせるね…。
このVガンがここまでのある意味凄いアニメになってしまった背景には、放送元のテレ朝の当時の系列局拡大戦略の影響で新ガンダムシリーズを当初の予定より大幅に早くやると一方的に決めたらしく、さらに玩具販売担当だったバンダイも今までと違うソフトなキッズ路線なMS等のロボや戦艦等をデザインして欲しいと強く強要した様で、富野氏がそれに激昂して2大制作元に反発する形で、子供世代向きでは決して全く無いあの超暗いグロ展開満載(プラスバイク隊出現)のアニメが出来てしまいました…。(ただバイク隊出現自体はプラモの売り上げは上々だったらしくバンダイサイドは富野氏の反抗に反して評判は上々だったとか…。)
多くのファンの皆様からはガンダムシリーズの中で下のランクの方の評価するのも本当に解る様な(MSのデザインの評判の悪さや世界観の設定がチグハグな所等も含めて)いろいろな意味で後味の決して良くないVガンダムでしたが、個人的にはそれはそれで戦争の悲惨さ不条理を強く描いたアニメでもあり心底に来る刺さる人間ドラマだったと本当に思いました。
最後にですが、シリーズ前半のED(本来はある仮面ライダーシリーズのテーマ曲に使う予定だった)はVガンダムのカラーを強く出したテーマ曲だったと思いました。(そして個人的にこのテーマソングはとても好きな曲のひとつであります。)