ノラネ さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
とても好き!後半ネタバレ!
自分は、TVアニメ版しか観ておらずるろうに剣心を原作で読んでないのでそれも踏まえてどうぞ。
まずとてもいい作品だと思います。
個人的に良いと思ったのは直接的な感情表現がないのに、それでも滲み出てしまう登場人物達の思いの数々です。
それは、声優さん達の技量の高さも大いに貢献して物語に入り込んだまま終わるまで抜け出せないほどです。
これは個人的な趣味ですが、最近のアニメのような主人公の俺は諦めないおらおらー、うおーって叫んどく、気持ちの強さでなんでもひっくり返してしまうぜー、負けないぜー、的なわかりやすい感じが好きじゃないです。
この作品では、メインキャラの2人が迷ったり、諦めそうになりながらそれでもその中でもがいて答えを紡いでいく、そして、自分の決めた道にしっかりと戻ってこれる心の動きが好きなんです。
それは、登場人物同士が相互に影響した結果であって、まるで本物の人生のように描かれていてとても良かったです。
そして絵の美しさ、音楽もとてもいいです。背景の多い淡々とした流れで場面が切り替わりますが、その背景がキャラクター達の情景も映し出して1つの空間を作っているかの様です。その中に吸い込まれて自分も同じ場所に立っているかのような、そんな空間的に広がりがある作りだと感じました。そこに音声が重なりさらにその空間に広がりと奥行きを増しています。抑揚がつく感じ。
ここからネタバレ
なんと言ってもそれぞれのキャラ立ちがすごいです!いらないきゃらいないです!強いて言うなら弟かな?笑
きっとTVアニメ版や原作のその後のストーリーなどで重要になってくる人物達の顔見せ的な登場も多かったですが、それはそれで他の作品も原作も見たいと思わせてくれました。
前述にメインキャラ2人の心情がよく描かれていると書きましたが、その他のキャラクターも各々の人生を生きて、考え、たまたま重なった時間をのぞいているようなそんなふうに感じさせてもらいました。
アニメの中のストーリーによってキャラが作られてるのではなく、キャラが作ったストーリーをのぞいてる感じ!笑
わかりづらい例え!笑
例えば桂さんは数少ない登場シーンでもすごく作品の中で存在感のある発言や登場の仕方が多いです。それに加えて桂さん自身の心の移り変わり、葛藤などがよくわかり、桂さん目線の同じ時系列の物語も気になってしまいます!
あと最後の敵役の人も、人の心を利用したなかなかエゲツない策を弄して来ましたが、それでも信念のある筋の通ったいいキャラでした。「人の業というものは、」と自身の哲学的な話もされててよく出来た敵キャラだなと思いました。
戦闘シーンもTV版よりも幾分リアルで、(ちょっと剣心が頑丈すぎるのは変わらんけど笑)
でもそれぞれの兵がきちんとした目的と作戦をこなしていく様は手に汗握りドキドキしました。
そして何より最後の巴が飛び出るシーン!!
その前に許婚の幻影を見て頷くシーンも一体彼女は何を思ったのかと引き込まれてしかたなかったです!
そして最後、剣心を守ったのか。それとも許婚の形見で愛した人を他人に傷つけられるのが嫌だったのか。死ぬと分かってて飛び込んだその行動の裏には何を思ったのか。許婚の幻影と交わした言葉が関係が?(あなたの元へ行きますね)という気持ちだったのか。それとも許婚の仇を愛してしまった事への償いなのか。
死ぬなら愛した人を守って殺されたかったのか。
そしてそして!最後剣心の頬に刀を突き立て十字の傷を刻みます。それは許婚のつけた傷を横切るように、、、
そして最後「ごめんね、、あなた、、」とこぼしこと切れます。これはどちらに言った言葉なのでしょうね??剣心を伴侶として呼んだのか、それとも(あなたの仇を打てなくて、愛してしまってごめんね)と許婚の傷に刃を重ねたのか、、、
もう胸が張り裂けそうです!!
そして巴に守ってもらった命、世のために使いそして自分の道を見つけると言った剣心の心の悲しい強さ、、、
この作品を見てからTVアニメ版を見ると時々悲しそうに空を眺める剣心の胸に何が残っているのか、とても想像が膨らみます。
このOVAは超好きな作品でした!!
長々と駄文失礼しました。
誤字脱字は許してください。