たわし(爆豪) さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
最終回読了
漫画は25巻くらいまでしか読んでいませんでした。
諌山さんは僕と同世代なので、同じようなアニメや漫画、映画に傾倒してきたことが作品から伺えます。
正直、どこまで内容を初めから考えていたのかはわかりませんが(実際、編集者も口出ししていると考えられる)も、非常に「デビルマン」や「エヴァンゲリオン」的なラストの多くの「謎」や「伏線」の回収が非常に重厚な「層」になっているので、登場人物の行動や背景を理解した際のカタルシスが素晴らしいと思います。
ネタバレになってしまうので一切内容については触れられませんが、作品を観て思うことは、「エレンイエーガー」は原作者「諌山さん本人」なのではないかと思われます。
言い方悪いですが、根暗で引きこもりがち(実際に周囲を閉鎖する「大きな壁」が登場する。)で、友人関係が上手く行かず、裏切り合い。。はたまた相手を殺しかねないような恨みを抱いている。。。
非常にストレートに伝わって来るのは、これらの自分に対する「遺恨」をどう「許す」のか。。相手を「享受」できるのか。。。というのが作品全体から伝わってくる彼の「世界観」なんだと思いました。
まさにオタクのためのオタクによる精神疾患からの解脱が本作の肝なのだと思います。
来月、漫画が完結するようなので、一気に読もうかと考えているのと、アニメの仕上がり具合を含めて完結時にまた書きたいと思います。
漫画完結読了の感想(ネタバレ厳重注意)
重大なネタバレなので、ここから先は自己責任でどうぞ
漫画の最終回を読みましたが、やはりというか。。ああいった結末しかないと思ったことに加え、これからも続くであろう国家間や人種間の「終わりなき戦い」は、人類が「武器」を捨てない限り永遠に続くのだろうと示唆されています。というか、後半の設定は、社会学者さんの宮台真司先生が「どうやったらこんなバランス良い社会批評的な漫画が描けるのか。」と言ってましたが、元ネタはあります。。。。。
その名は、アメリカンコミックの最高傑作「ウォッチメン」です。
後半の始祖の巨人の能力「過去、現在、未来に影響を与えることができる」というのは、「ウォッチメン」に出てくるある超能力者にそっくりですし、エルディア人とマーレ人の二項対立も、1980年代旧ソ連とアメリカが冷戦真っただ中の核戦争の危機で社会そのものが疲弊している設定とそっくり。最後の結末はちょっとオーソドックスな終わり方ですが、いろいろなネタがあります。総じて言えるのはそれでも「良く纏めな。」という印象。
意外性はなかったですが、11年間という長丁場でこれだけのストーリーを纏められるのはすごいと思います。諌山さん。お疲れさまでした。
しかし、僕たちの戦いはまだ終わっていません。これからも頑張りましょう。