二足歩行したくない さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
オセアニアじゃ常識でした
今敏監督の劇場版アニメ。
原作は筒井康隆氏の長編SF小説。
夢に介入することで精神治療を行う新技術・PTを悪用した犯罪に対し、夢探偵「パプリカ」が暗躍するストーリーです。
大雑把に言うと"夢の共有"、"夢の介入"、"夢の操作"をすることで、精神を崩壊させ、異常行動を起こさせる事件に、夢をコントロールする装置の開発者「時田浩作」とサイコセラピスト「千葉敦子」が調査に乗り出すという展開なのですが、夢と現が入り交じって重なり合い、とにかくゴチャゴチャしていてわかりづらい作品でした。
今は"どっち"なのか、あるいは、最初から最後まで夢だったのかもしれないと思われるような展開が続きます。
夢探偵・パプリカは、夢の中の女性のはずなのですが、妙なことに神出鬼没、出没自在です。
また、夢の世界は非常に素っ頓狂で、理屈に合わない理屈が理屈としてまかり通ります。
映像はキレイで騒がしく、幻想的な感もあり、そういった独自の世界観が楽しめるかどうかがポイントかと思います。
訳が分からないのを分からないとして楽しめないと難しい作品です。
面白かったかというと、個人的には、正直微妙でした。
よくわからない芸術作品の感想を求められている感覚に近いです。
好きな方は好きだと思います。
監督・今敏と、原作・筒井康隆、そして音楽の平沢進が複雑にコラボレートされて、爆発的な化学反応が起きていることを感じました。
複雑怪奇な展開ですが、ファンが多いのも頷ける、不思議な作品だと思いました。