「ワンダーエッグ・プライオリティ(TVアニメ動画)」

総合得点
71.9
感想・評価
317
棚に入れた
1023
ランキング
1250
★★★★☆ 3.6 (317)
物語
3.3
作画
4.1
声優
3.5
音楽
3.6
キャラ
3.5

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ネタバレ

HmFDB75691 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

【解釈】オマージュと考えれば、特別編で完結している

今期のアニメでは一番期待している作品。シンプルな設定も好印象……って前に似たこと書いたけど、さすがにストーリーは期待できるだろう。


第1話 結末まで考えてみた
{netabare}{netabare}
作画がよくて、ストーリーも第1話を見た限りでは、傑作になりそうな気はする。濃厚な始まり方で、飽きずに最後まで見れそう。考察する楽しみもある。

いかにもファンタジーの印象を与えるけど、リアルかなって思っている。タマゴは、大戸アイの無意識のなかにある記憶。割ったことによって、表に出てきた。その記憶は、いじめられるのが、小糸に変わって、アイは見て見ぬフリに変わったこと。ケガは、アイ自身がやった。

無意識の世界だから、ファンタジーに見える。小糸が復活することはなく、小糸を失ったことを認めるのが、このアニメの結末かな。
{/netabare}

【考察】ユング、ヘッセ、ポーに関係ありそう
{netabare}
コガネムシ(カナブン)は、幸運をもたらし、再生や復活の象徴でもある。大戸アイの再生や復活が、この物語のテーマだと思う。
タマゴの文字は、ポーの「黄金虫」の暗号を使っている。

大戸アイのタマゴ
K?(?96→KURUMI(くるみ)

青沼ねいるのタマゴ
-4646(‡→CHIHIRO(ちひろ)、)?96(8→SUMIRE(すみれ)、K‡:‡*8→KOYONE(こよね)、
)5:?(6→SAYURI(さゆり)、5K5(6→AKARI(あかり)、6Z?96→IZUMI(いずみ)、
*536)5→NAGISA(なぎさ)、)46Z?K?→SHIZUKU(しずく)、
†9?36→OMUGI(最初が読めない。こむぎ?)、5K?(5→AKURA(最初が読めない。さくら?)

すべて三文字で女性の名前。なにか意味がありそう。
暗号は、アイと小糸の間で使っていた。コガネムシを見つけて、アイは小糸のことを思い出し、拾おうとして車にひかれた(冒頭シーンの最後でコガネムシが転がっている点から推測)。病院までのシーンは、アイの記憶や無意識の世界。

ユングの心理学では、意識、無意識、集合的無意識の三層になっている。第1話は、アイの無意識の世界で、トンネルを抜けたあと出現したのが集合的無意識。

ユングとタマゴを調べると、ヘルマン・ヘッセが出てくる。ユングと親交があり、ユングの心理学を『デミアン』という作品に取り入れてもいる。『デミアン』の主人公は、不良から金をせびられていて、それを助けたのが、転校生のデミアン。このアニメと共通点があると思っている。そして、こういうセリフもある。「鳥は卵の中からぬけ出ようと戦う。卵は世界だ。……以下省略」。
{/netabare}

【考察】ユングの心理学で考えてみた
{netabare}
ユングの心理学に出てくる用語を、(強引に)当てはめてみた。

・意識、無意識
アイには二つの記憶があり、それが切り替わって現れたのが第1話。
1.意識している記憶(リアル)
2.無意識に閉じ込めているが、形を変えて意識に上がってくる記憶(ファンタジー)
1は、小糸が出てくる実際の出来事。小糸の無残な姿もアイは意識しているが、その原因は無意識に閉じ込めている。無意識に閉じ込めて心を安定させるのは、フロイトの心理学と同じだけど、ユングの場合、安定を壊してでも、成長しようとする衝動が生まれる。
エッグは、”何か”を無意識に閉じ込めた状態で、エッグを割るのは成長衝動と解釈してみた。

・集合的無意識
どの国にも似たような神話があるのは、この領域が関係する。詳細は省略。無意識の領域なので、意識はできない。現在、アイがいる場所と考えている。アカと裏アカは、顔が見えないネットのこと。どの国の人も、ネットに対してアカや裏アカのようなイメージを持つから集合的無意識に存在する。

・シンクロニシティ
コガネムシの夢を見たという女性の話をユングが聞いているとき、部屋の中にコガネムシが飛び込んできた。この偶然の一致を”シンクロニシティ”と言う。いわゆるシンクロってやつ。三文字の女性の名前が該当しそう。

・影(シャドウ)
”もう一人のわたし”と言われたりする。抑圧された影の部分。これを自覚できると人は成長する。最初は、怪物の姿をして、自覚してくると身近な人に変わるらしい。見て見ぬふりはアイの影かも。

・塑像(そぞう)
ユングの言葉に「生きた形態は塑像として見えるためには深い影を必要とする」とある。塑像は、粘土や石膏で作った彫像。薄っぺらいと影も薄くなるが、立体的だと影は濃くなる。厚みのある人間になるには影は必要ってこと。光が当たれば影ができ、温かくもなる。彫像は小糸ではなく、アイの可能性もありそう。

・集団思考
ユングではないが心理学の用語なので書いておく。多数に従っていれば問題ないと考える心理。「赤信号、みんなで渡ればこわくない」のこと。
{/netabare}
{/netabare}

第2話 たくさんエッグを買う理由
{netabare}{netabare}
アイは退院したように見えるが、まだ無意識(夢)のなかと考えておく。まずは、リアルの部分を、つぎの考察でファンタジー部分を考察する。

アイを訪問する教師は生徒にワイセツな行為をして、動画を撮っていた。誰にも言えない秘密を抱えた被害生徒は、ストレスが溜まり、同じようなことをして、ほかの生徒をいじめていた→小糸が服を脱がされ、ロッカーに隠れたアイが撮影する。

教師は、顔にモザイクをつけ、動画ファイルをネットで売っていた。ガチャからタマゴが出てくる仕組みで、タマゴには暗号化された被害者の名前が記されている。そう考えると、コガネムシは教師だろう。

ねいるの妹も被害者で、ねいるは妹の動画が出てくるまで買っているからエッグが多い。メインキャラの4人は、ワイセツ教師が原因で、大切な人を失ったという共通点がありそう。

動画を見つけたアイと小糸は教師を糾弾しようと屋上に呼び出す。アイは教師を恐れて、小糸についていかなかった。その結果、小糸は教師に始末され、アイも教師の車でひかれてしまう。病院で意識を回復したアイは命を狙われるが、ねいるが助けに入る。リアルはそんな感じかな。
{/netabare}

【考察】エッグが割れる条件
{netabare}
ファンタジー部分を、ユングの心理学に(強引に)合わせて考察する。

〇意識、無意識、集合的無意識
アイは病院のベッドで夢を見続けている。記憶から描かれる夢で、三つの世界がある。

1.(アイ個人の)意識……リアル描写で、小糸が出てくる実際にあった出来事。真相は無意識にあるため断片的になる。アイのメンタルが強くなると真相に近づく。

2.(アイ個人の)無意識……ファンタジー描写で、エッグが割られ、バトルが始まる。学校が舞台になるのは、学校で起きたことを無意識に閉じ込めているから。バトルに勝利するたびに、閉じ込めた記憶が意識に上がる。

3.集合的無意識……すべての人がここでつながっている。リアル描写に近いが不自然なものが見られる。ネットの顔が見えない相手が原因で、大切な人を失ったという四人の共通点がアカ、裏アカ、ガチャ、エッグとして現れる。リアルで会ったことのないねいるとも会える。


〇エッグ
エッグが割れる条件は、無意識の世界で、アイと同じような悩みを持つ人がエッグのなかにいるとき。割れると、アイの影を刺激し、モンスターが出現する。「とさかにきた」といった表には出せなかった気持ちが、影になる。
影を自覚すると、人は成長するので、バトルに勝利することが該当すると思う。バトルのケガは、心を痛めること。無意識に閉じ込めたものに立ち向かうのは、苦しみや痛みを伴うから。

西城くるみも鈴原南も、ワイセツ教師の被害者。くるみは彫像になっているから、この世にいない。おそらく、真相を突きとめたとき、ワイセツ教師に肝臓を刺された。川井リカか沢木桃恵の無意識のなかに、くるみの彫像が存在する。

今回のエッグの暗号も書いておく。
96*596→MINAMI(みなみ)
;?25)5→TUBASA(つばさ)次回のキャラと関係がありそう
三文字の名前の理由については、つぎの考察で書く予定。


〇プライオリティ
くるみと南が解決してほしい問題はワイセツ教師で、もっともプライオリティが高い。現在のアイのメンタルでは、立ち向かえないので、それよりもプライオリティの低い見て見ぬふりや体罰教師が、アイの無意識(夢)の世界に現れる。プライオリティが低いものを退治しても、守ったことにならないから彼女たちは消えてしまう。
{/netabare}

【考察】三文字の名前について考えてみた
{netabare}
〇アイと小糸の会話
いじめの対象はアイから小糸に変わり、アイは仲間外れが怖くて、いじめに協力した。小糸はそれを知っているから「撮れた? 動画」と訊いている。
うまく撮れなかったから謝ったのではなく、いじめに協力したからアイは何度も謝った。嫌々やらされているのは、小糸はわかっているから、よく耐えたね、といった感じで慰めている。

〇三文字の名前
ワイセツ教師も中学時代に性的な嫌がらせを受けた。女子生徒に裸を撮影され、画像をネットに載せられた。女子生徒の名前は忘れたが三文字と記憶していた。怒りを無意識に閉じ込めた結果、復讐したい、それは犯罪だから意識に上げられない、といった無意識のなかで葛藤が生まれる。
その結果、ガチャなら犯罪じゃないよね、といったおかしな形になって意識に上がる。教師自身よくわからず、三文字の女子生徒を選んで、エッグを増やしていく。中学教師になったのも、無意識に操られたからだと考えられる。
{/netabare}

【考察】ユングの心理学で、第2話を解釈してみた
{netabare}
リアルで起きた事柄に、アイの意識(自我)は疲弊し、アイは夢のなかで、無意識を取り込んで自我の成長を試みている、と考察している。ユングの心理学で、第2話を解釈してみる。

集合的無意識には元型(げんけい)が存在する(イメージの源かな、説明は省略)。元型の一つに”ペルソナ(仮面)”がある。学校での自分、会社での自分、家族と接するときの自分、人間は様々な場面に合わせて自分を変えている。切り替えができるのは、ペルソナがあるから、という考え方。

ペルソナが見せる夢には、服(制服)や名刺が出てくる。第2話で該当するのは、ねいるのワンピース、南のレオタード、小糸は服を焼かれたり、脱がされたり、(服を洗う)洗濯機、(服を着ていない)お風呂。

服を脱がされる夢は、大切な人との関係がこじれる予兆や不安、他人の服を洗う夢は、他人(南)を助けたい気持ち、自分の服なら、ねいるのセリフと関連する。
自分を助けたいのか、南を助けたいのか、洗濯機が選択を迫っている奥深いシーンだったりする。屋上にいたときは小糸のため(アイ自身のため)だった。このあたりが、”友達の条件”に関係しそう。

ねいるはアイの姉としてのペルソナ。アイには妹がいて(ベッドは二段ベッド)、母親の愛情は妹に注がれ、アイはかまってほしい気持ちを無意識に閉じ込めていた。最初、ねいるが素気ないのは、アイが姉としての役割を果たしていないから。

南に「かまってちゃん」と怒鳴ったのは、無意識に同じ感情があるから。自我がこの感情を受け入れ、ねいる(ペルソナ)との距離が縮まる。第2話の見て見ぬふりは、学校でのアイのペルソナ。ネガティブな感情があると、ペルソナは黒い物になる。
深読みすると、見て見ぬふりを倒すと、ねいるも倒される。ねいるを病院送りにしたのはアイという解釈もできる。
{/netabare}

【考察】アイには双子の妹がいた
{netabare}
アイには双子の妹がいて、妹は勉強も運動もでき、スタイルも抜群。近所の人からは「かわいいリカちゃん」と呼ばれていた。妹のようになりたかった気持ちは、アイの無意識の影となっていった。

妹はネットで売られるエッグ(動画)を知り、彼女たちを助けるためエッグを買い続けた。すぐにお金はなくなり、アイにも協力を求めるが、妹に嫉妬するアイは無視した。そして、妹は真相に近づき、消されてしまう(ひき逃げで犯人は捕まっていない)。

ねいる(アイの姉としてのペルソナ)は妹の意志を引き継ぎ、エッグをたくさん買う。妹と小糸を失った原因であるワイセツ教師の沢木は、アイの初恋の人だった……。

青沼ねいる、川井リカ、沢木桃恵は、アイが街や電車で見かけた名前も知らない人たち。名前はアイが考えた。ねいるはネイルサロンのモデルかな。ねいるはペルソナ、リカはシャドゥ、桃恵はアニムスとなって夢に現れる。アニムスは女性のなかにある男性像。アイの無意識に沢木が存在するから、沢木桃恵となった。

沢木はスクールカウンセラーで、生徒の悩みを聞いて資料にしていた。タマゴから出てくるのは相談した生徒たち。その資料をアイと小糸は見る機会があった。
{/netabare}
{/netabare}

第3話 ハニートラップだと思う
{netabare}{netabare}
川井リカの視点で始まる冒頭シーンは想定外だった。アイの夢だから、アイの視点だけと思っていた。まずは、裏側にあるリアルを、つぎの考察でファンタジーの解釈を書く予定。

・アイと妹
アイには双子の妹がいて、ジュニアアイドルだった。妹に嫉妬するアイは、姉の役割を務めてこなかった。海での撮影の日、マネージャーでもあった父親の浮気現場を目撃するが、妹は見て見ぬふりをした。しかし、すぐに発覚し、両親は離婚。妹は父親と家を出て行ってしまう。

アイドルをやめた妹は、ネットでエッグ(動画)が売られるのを知る。ちえみに対する罪悪感を薄めるため、妹はエッグを買い続けた。お金がなくなり、アイに協力を求めるが断られ、離婚は妹のせいと非難されてしまう。そして、妹は真相に近づき、沢木に消される。

帰らぬ人となった妹を見たアイは、彼女の腕の傷に気づき、自分がつけた爪痕のように感じるのだった→ねいるの名前となる。

・小糸と沢木
嫌々いじめに協力させられるアイを助けるため、小糸はハニートラップを仕掛け、沢木から証拠(動画を撮影)を得ようとした。だけど、見破られ、催眠術が使える沢木に、素足で屋上の縁を歩かされた。

・アイの母親と沢木
両親が離婚して、父親がいなくなったから、沢木を父親のように見ているだけ。母親と並んで座るのも同じ理由。沢木桃恵が沢木の娘として登場したら、アイが沢木の娘になりたい気持ちを示す。

・今週のエッグ
カバンに入れた二つのうち、白のエッグは、k?(?96→KURUMI(くるみ)で、暗号が見えないもう一つはねいるに渡している。くるみが出てきたエッグは白だったので、作画のときコピペして暗号を変えるのを忘れたと思う。
{/netabare}

【考察】川井リカは、アイのシャドゥ(影)
{netabare}
追っかけやストーカーは、影のように付きまとうから、今回のテーマは影で、光を照らす灯台も意味がある。花は、屋上の扉と同じ(お供え)で、花の量で思いの違いを表している。

〇川井リカは、アイのシャドゥ(影)
影のように付きまとうし、アイを逆にすると、リカの母音になる。シャドゥは、無意識と集合的無意識に存在。リカは、アイの無意識にあるシャドゥ。認めたくない、受け入れたくない気持ちが影となる。

アイの場合、双子の妹がアイドルだったので、”人は見た目”という気持ちが影となった。「やっぱ顔じゃん」と指摘されて強く否定したのも、影に触れられたから。

リカが語った過去は、実際のできごとで、アイは妹から話を聞いて記憶していた。影は悪いものではなく、影を受け入れると、人は成長する。リカ(影)との対話で、アイの心は少しずつ成長していく。

〇灯台
灯台が出てくる夢は、進むべき道を示す。階段を上って灯台の外に出たとき、アイの言動がリカと似ているのは、アイが影を受け入れたから。リカが示した道を、アイが歩み始めたと解釈。

〇石化
周りの人が石化する夢は、夢を見ている人が頑なで、周りの人がそう思っているのを表す。アイの頑な考えは、小糸の復活かな。

〇バトルのケガ
他人の心の痛みを、自分の心の痛みにできるとケガは治らない。くるみの心の痛みを理解できなかったから治った。ケガが復活するのは、母親にかまってほしい気持ちが原因。リカの腹痛は姉のアイにかまってほしいから。
{/netabare}

【考察】主人公の名前は、大戸アイではない
{netabare}
認めたくないもの、受け入れたくないものが、四人の名前になっていると思う。主人公はアイだけど、本当の名前は別にある。

〇名前……主人公が受け入れたくないもの
大戸アイ……オッドアイ、主人公も片方を髪で隠している
青沼ねいる……爪による自傷行為(事実)と、苦しむ妹を助ける姉(役割)
川井リカ……リカ(妹)に嫉妬しているので、かわいいリカは認めたくない
沢木桃恵……沢木と母親が両親で、双子ではなく、桃恵という一人娘(”恵”は母親の一字)→願望だが、よくない考えだから無意識へ

〇主人公の名前
モモが主人公の名前。リカを”李下”と書くと、スモモ(酢桃)の木の下という意味になる。青沼モモ、リカの双子の姉妹と推測。
大戸アイも元型で、セルフ(自己)。セルフは心の中心、または心全体。セルフが見せる夢には、中庭や丸いものが現れる。地下庭園が該当する。

〇ファミリア・ストレンジャー
リアルでの四人は、名前も知らない他人だが、同じ場所(OPのシーン)で何度も会った”ファミリア・ストレンジャー”。通勤通学電車のような場所で、いつも会う他人とは思えない人たちのこと。まったくの他人よりは親しく、危ない目に遭うと仲間に変わり助けてくれたりする。
{/netabare}

【考察】桃太郎がベースになっている
{netabare}
第2話の顧問教師のモンスターは、「夜叉神曼荼羅図」を参考に描いたと思う。ユングは曼荼羅の研究もしていた。夜叉はインドの鬼神で、夜叉女は地母神のやさしさと人を傷つける残忍さをもつ。

アイの双子の妹はアイドルで、母親の(体罰もある)厳しいレッスンを受けていた。母親と顧問教師を重ね、アイの不安や怒りがモンスターを出現させた。目隠しが仮面(ペルソナ)になり勝利し、インド人っぽいねいるを病院送りにした。

※アイの心が安定していると、無意識にあるもの(妹の爪による自傷行為、アイが放棄した姉の役割)が、ペルソナの働きによって、夢のなかに青沼ねいるを出現させる。アイが不安や怒りにかられると、ペルソナは、無意識にあるものをモンスター(悪のイメージ)に変えてしまう。

マダムサチコは般若の面(鬼女)だと思う。アイの嫉妬や外見にこだわる気持ちが、モンスターを出現させた。マダムサチコは、鏡のような盾があれば倒せそう。

主人公の名前は、青沼モモと考察した。モモが三人の仲間と鬼(影)退治をする。桃太郎はユングの心理学で研究されたりもする。エッグはきび団子で、ねいるにあげて、リカには買うお金を貸した(実質あげている)。
{/netabare}

【考察】エッグについての解釈の変更
{netabare}
リアルでのエッグの中身は動画ファイルと考察したけど、コピーできるからたくさん買っても数が減らない。だから、コピーできない物をネットで売っている。

沢木は、カウンセリングを受けにきた生徒を治療せず、心の闇(トラウマ)を広げていた。その生徒を観察し、命を絶ったときに駆けつけて、生徒が最期に使った物を盗んでいた。くるみならペン、南ならリボンで、それをネットで売っている。
ワイセツ行為をされた生徒が沢木のカウンセリングを受けたから、小糸をいじめている。いじめをすることで一線を越えずにいる。

リカは、カッターを使った生徒を助けたから、武器がカッターになっている。リカの自傷行為はカッターではなく爪。自分のことのように感じられる人を助けている。ただし、アイの夢なので、アイが記憶するリカ(妹)にすぎない。次回、みこまこが取り出す道具が二つに割れた鏡だったりすると、それを使って命を絶ったことになる。

小糸とリカ(アイの妹)は、真相に近づき沢木に消された。ただし、小糸は証拠をつかんで、アイに渡している。証拠はタマゴの殻のように見えるベッドのカーテンをあけると、一段目のベッドにある。
{/netabare}
{/netabare}

第4話 最終回のオチを考えてみた
{netabare}{netabare}
女子が多くなり真相にも近づいた印象。ここまでの考察を簡単に書いておく。
舞台は、病院で眠る主人公の夢。4人の名前は、主人公が受け入れたくないもの。「自分大好き、オッドアイ大好き」になると、本当の名前、青沼モモになる。モモが3人の仲間と鬼(影)退治をして、ありまのままの自分を受け入れるまでの物語。

沢木桃恵は、アニムスと関係があり、沢木の中学時代の記憶を含んでいる(詳細はそのうち)。今回取り上げるのは、ハルカ。「触って(cv:本渡楓)」のひと言しかなかったキャラ。

沢木は中学時代、女性と勘違いされる男で、いじめにも遭っていた。そこに転校生のハルカが現れる。沢木と友達以上の関係になり、駅のホームでハルカは秘密を打ち明ける。「自分は体は女性だけど心は男で、男が好き」と。沢木は冗談と思い笑って済ませ、「きみはきれいな女性だよ」と言ってしまう。

沢木なら理解してもらえると思って、誰にも打ち明けなかった秘密を否定され衝動的に命を捨ててしまう。ハルカの最期の瞬間が頭から離れないから彫像になった。アイは小糸の最期を見ていると思う。

沢木はなぜ”彼女”がそんなことをしたのかわからず、教師になってから、ハルカと同じ年齢の女子生徒のトラウマを悪化させ、答えを見つけようとした。だが、見つからない。なぜなら、答えは沢木の心のなかにあるから……というオチ。

アイは、「トサカにきたぜ」と叫んで、男の子とケンカする女の子だった。だけど、それを否定されて育てられた。さらに、小糸を失った原因がわからずにいる。両方の気持ちを理解できるアイが、ラスボス沢木の無意識のなかで答えを教える結末。
{/netabare}

【考察】アイは、社長令嬢
{netabare}
ねいるは、アイの姉としてのペルソナ。自分が大好きだから、自分を偽る言動はなく、アイの素性を表している。”青沼”は、アイの本当の苗字で、妹に負い目(爪による自傷行為を見て見ぬふり)があるから、名前はねいる。

アイは長女で、大企業の社長を引き継ぐ立場にあった。両親が離婚し、アイは母親の実家に移る。父親の訃報が届き、アイが筆頭株主になり、成人になったら社長職を継ぐと聞かされる。アイはリムジンに乗せられ、会社では大勢の社員に迎えられる。急激な変化と重圧に、長女の役割を無意識に追いやる。
夢のなかでペルソナが働き、無意識にある長女の役割は、ねいる(人の姿)となり、社長をしている。

コガネムシを拾うときと、病院で眠るシーン以外は夢。夢には、アイが記憶したものが出てくる。
小糸のシーンは実際の出来事だが、「大戸さん」と言っているので、少しは改ざんがある。ねいる、リカ、桃恵は、ファミリア・ストレンジャーで、見た目がいいから記憶し、夢のなかでは外見だけを拝借し、ペルソナ、シャドゥ、アニムスとして現れる。

エッグから出てくるのは、沢木がカウンセリングした女子生徒で、資料には顔写真がある。名前だけの人は顔にモザイクがかかる。小糸は沢木に接近して資料を入手してアイに渡し、アイはそれを読んで記憶した。アイのカバンにはタブレット端末っぽいものがある。

ちえみは、リカ(妹)とのツーショットの写真を見ているから。ハルカは沢木の日記に挟まれた写真、かな。小糸は沢木の自宅まで行った可能性がある。学校、灯台、駅は、もともとアイの記憶にあるもの。社長令嬢なのに庶民的な家なのは、離婚した母親の実家だから(これ以外思いつかない)。
{/netabare}

【考察】アイのアニムスは、男であり女でもある
{netabare}
沢木桃恵は、アイのアニムス。女性は女性らしく育てられ、男性的なところは無意識に行き、アニムスとなる。夢のなかでは、(身近な、見知らぬ)男性として現れる。

アイは男の子と遊んだりして、幼いころは男の子と勘違いされた。親からは、「リカのように女の子らしくしなさい」と叱られる。社長令嬢で、親のしつけもあり、男性的なところは無意識に追いやる。妹に対する嫉妬から女性らしさにも抵抗があり、アニムスは男女が混じった桃恵になる。

名前は、沢木、桃(主人公の名前)、恵(母の一字)と分けられ、アニムスの半分(男)は沢木で、沢木の過去が含まれる。もう半分(女)は、沢木と母親が両親で、双子でない桃恵という一人娘の願望。男らしさと女らしさを備えたモデル体系の女性が、アイの理想かも。
リカとの共闘で”男”を少し取り戻したので、桃恵は少し女性寄りになる。細かい解釈は適当なところもあるけど、桃恵はアニムスだと思う。
{/netabare}

【考察】モモとミミの双子の姉妹か
{netabare}
いじめに協力させられるアイを助けるため、小糸は沢木に近づき、写真付きの資料を入手。アイはそれを読んだから、トラウマを持つ女子生徒が夢に出てくる。

アイは、小糸(三文字)を助けられなかった思いから、学校にトラウマがある三文字の女子生徒を助ける。アイの双子の妹(二文字)はアイドルで、ストーカーから逃げる途中で線路に落ち、帰らぬ人となる。妹を助けられなかった思いから、ストーカーにトラウマがある二文字の女子生徒を、アイのシャドゥ(影)が助けている。

アイは、似た境遇の沢木と同調し、アイのアニムスが電車にトラウマがある女子生徒を助けている。ハルカと妹の二人が関係するから、沢木、桃(アイ)、恵(母)と合わさった名前になった。美和(二文字)、瑞希(三文字)と、”ミ”が続くことから、妹の名前はミミ。モモとミミの双子の姉妹。リカはリスカの省略。

ねいるのエッグ世界にある彫像はミミだからアイとそっくり。エッグはすべて三文字なので、ちえみを助けられなかった妹の思いを引き継ぎ、ねいる(アイの姉としてのペルソナ)が、ダイエットや拒食症で命を落とした女子生徒を助けている。

ちなみに、ねいるとリカの仲が悪いのは、ペルソナとシャドゥが正反対だから。正義の仮面をつけると、悪い考えは影になるって感じかな。アイにペルソナができたから、シャドゥに向き合えたという解釈もできる。
{/netabare}

【考察】アイの無意識にある罪悪感
{netabare}
ねいるのエッグ世界にある彫像は、アイの妹(ミミ)で笛を吹いている。妹は防犯用の笛を持っていて、帰宅途中でストーカーに気づき、笛を吹いて助けを求めた。アイは妹に気づいたけど、妹がいなければ母親を独占できると無意識に思い、見て見ぬふりをしてしまう。

その結果、妹は帰らぬ人となる。アイが妹を最後に見たのが笛を吹く姿なので、彫像になっている。アイは、そのときの記憶や罪悪感を無意識に閉じ込めたので、自覚がない。自覚がないので、心の病の原因がわからずにいる。

ねいるのエッグ世界の景色も考察してみる。
景色は、駅前の大通りかな。リカのシャドゥ(影)で灯台があったように、仮面に関するものがありそう。隠れるという意味でトンネル。あと、階段もあると思う。学校では、(たぶん)下りるシーンしかない。だから、階段を下りてから屋上に行ったりする。大雑把だけど、上るときはポジティブ、下りるときはネガティブだと思う。景色は、駅前の大通りで、トンネルと歩道橋がある。リカが海だったから単純に山かもしれない。
{/netabare}
{/netabare}

第5話 事故現場は、歩道橋か
{netabare}{netabare}
深いなあ、という印象。話も深いけど、謎も深くて、真相を見極めるのが難しい。これまでの考察通り、舞台は、主人公(とりあえず、アイ)の夢の世界。

リカとねいるのエッグ世界での、崖と橋は歩道橋で、海はアスファルトの地面と考え、アイの双子の妹(ミミ)に起きたことを推理してみる。

妹は、ストーカーに狙われ、常に防犯用の笛とカッターを2本持っていた。夜中、帰宅する途中にストーカーに気づき、妹は歩道橋に駆け上がり、助けを求めて笛を吹いた。両手にはカッター。
そのとき、アイが歩道橋の下を歩いていた。妹に気づいたが見て見ぬふり(→崖下からミテミヌフリ)。歩道橋の下を通過する姉を覗き込み、体を乗り出してしまい、妹は落下。二つの意味で妹に背を向けたアイの背中を、カッターの刃が切り裂いた。

もう一つのパターンは、歩道橋の下で妹が笛を吹いたとき、アイは見て見ぬふりで妹のそばを通りすぎた。妹は、後ろから抱きついたストーカーに抵抗し、腕を振りまわし、アイの背中を切ってしまう。アイは妹に「あんたなんかいなければいいのよ」ときっついひと言を吐く。ちえみに対する罪悪感もあり、妹は歩道橋に上がり衝動的に命を捨てる。

見て見ぬふりの罪悪感は、アイの無意識に閉じ込められる。見て見ぬふりは、いじめよりまえに、アイの無意識に存在し、アイにとっての最強の敵だった。

歩道橋での出来事を思い出したくないから、夢のなかで変化し、大きな橋や崖となった。
大企業の社長令嬢も縮小して町工場の社長の娘にしておく。

今週のエッグ(ねいる)
k‡45(?→KOHARU(こはる)
{/netabare}

【考察】小糸のシーンを時系列に並べてみた
{netabare}
小糸をいいキャラと見る人は、ほぼ皆無だけど、自分の考察では、魔法少女にさせないよう努力したあのキャラに近いかな。小糸のシーンを時系列に並べてみる。ただし、解釈や考察も含む。

1.アイと友達になる(第1話)
2.いじめで服を脱がされ、アイが撮影(嫌々いじめに協力)、ひどく落ち込むアイを小糸がなぐさめる(第2話)
3.いじめをする女子生徒から話を聞き、小糸は、沢木のカウンセリングに疑惑を抱く(考察)
4.沢木のつぎのターゲットがアイだと気づき、小糸は、沢木に親しみを感じているアイを傷つけないよう、距離を取らせようとする(第5話・解釈)

5.アイを失うまえに、沢木を警察に突き出そうと考え、小糸は悩める少女を装い、沢木に接近(第3話・解釈)
6.沢木の自宅まで行き、カウンセリングした生徒の資料と、沢木の過去がわかる日記を入手(考察)
7.小糸は沢木と屋上に行き、アイはそれを見送る(第2話・解釈)。資料と日記は、アイに渡したか、アイが気づく場所に隠した(考察)
8.小糸は、証拠があることを告げ、沢木に自首を勧めるが、沢木の催眠術にかかる(考察)

9.屋上の扉のまえまで行ったアイが、少しだけ扉をひらく。屋上の縁から倒れていく小糸の姿を目撃。それが生きている小糸を見た最後の姿だった(考察)
10.アイは、資料と日記を読み、真相を知るために夜中に沢木を呼び出す。コガネムシを拾うとき沢木の車にひかれる(考察)
11.アイ、病院のベッドで眠り続ける(第1話)
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【考察】アイの妹もオッドアイ
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主人公(とりあえず、アイ)の夢の世界で、ねいるはペルソナ(姉の仮面)、リカはシャドー(もう一人のアイ、裏アイ)、桃恵は(女らしさを含んだ)アニムス。リカの母親も多恵。多恵にはリカが言うような側面がある。

ペルソナは表の顔だから明るく、シャドーは裏の顔だから暗くなる。アイは逆。ペルソナが暗すぎないよう、シャドーがくすぐって笑わせ、バランスを取っている。ジェンガはそれを示す。

アイをセルフ(自己)と考えたけど、セルフは意識と無意識が合わさったもので、元型の最上位の存在。アカ(意識)と裏アカ(無意識)がセルフで、アイは自我(エゴ)に変更。
自我はコンプレックスに弱くて(アイはオッドアイが弱点)、自己にゆだねようとする。そうすると、自己に呑み込まれて、「自己肥大」となる。自己肥大になった自我は尊大になる。

最初のモンスターが自己肥大かな。つぎがペルソナ肥大。活躍した子役が大人になっても周りから子役のように見られて、それに応えるため仮面がとれない感じ。薄い服がモンスターの本体(とれなくなった仮面)で、ねいるが吹き飛ばして、「きれい」と言われる苦痛から解放してやった。

ユングの心理学の場合、コンプレックスは無意識に原因がある。無意識にあるから嫌っている原因を説明できず、「なんか、イヤ」と言うしかない。
オッドアイに対するコンプレックスの原因は、妹に対する罪悪感。おそらく、妹もオッドアイで、妹を思い出すから見るのもイヤ。妹を思い出すのが嫌な原因は無意識にあるから説明できず、「なんか、イヤ(=コンプレックス)」になった。
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【考察】ねいるとリカの関係を考えてみた
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ねいるは、ちえみと同じトラウマを持つ三文字の女性を助けている(お金欲しさに過ちを犯した→ちえみの万引き、もう一つは見た目)。リカが助ける人たちを、ねいるが助けている。リカがその逆なら、妹はストーカー被害に遭ったと推測できる。ねいるとリカに関しては、「彫像の人が持つトラウマ=エッグの人たちのトラウマ」となっていない。

アイの生い立ちを考えてみる。アイも双子の妹も、幼いころは明るかった。アイは、決め台詞を叫んで男の子と遊ぶ女の子で、モモ(アイの本当の名前)=男らしさ=自分らしさだった。
しかし、親の教育で女らしさの仮面をつけさせられ、男らしさはアニムスとなる。自分らしさを失ったアイは表の顔が暗くなり妹とも仲が悪くなる。姉の役割は無意識に追いやり、シャドーとなる。

女性が無意識に追いやった男らしさはアニムスになって、夢では身近な男性となって出現する。アイのアニムスは桃恵で女性、リカがアニムスの代わりをしている気がする。

ねいる(女らしさ)、リカ(姉の役割)、沢木(男らしさ)が本来の形だったけど、沢木に原因(心が女性?)があり、男らしさはリカに、姉の役割はねいるに、女らしさは沢木に移動し、桃恵となる。その結果、ねいる(姉の役割)、リカ(男らしさ)、桃恵(女らしさ)と現在の形になってしまった……考察継続。
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第6話 アイの妹が初登場した回になると思う
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今回は解釈がしやすい。まずは、アイが髪を上げた理由から。

アイの右目が「見て」で、隠した左目が「見ぬ」、髪を上げて見て見ぬふりをやめた。アイは、小糸と沢木の関係を疑っていたけど、小糸に嫉妬したくないから、見て見ぬふりの仮面をつけて、嫉妬を隠した。真相を知りたい気持ちが強くなり、仮面をつけたままでは真相にたどり着けないから外した。

同時に、ミテミヌフリ(アイの無意識にある罪悪感)からも仮面が外れ、嫉妬がむき出しになった。髪を上げたのは見て見ぬふりをやめて真相を確かめるというアイの決意を表す。数珠で小糸が見えると思ったのもあるだろう。

モンスターは、ヒンドゥー教の神様、ガネーシャ。鬼でもなく、尊大でもないので、おそらく、セーラー服を着たアイの妹。メンタルが強くなり夢のなかに現れるようになった。

ネットの匿名性を人の姿でイメージすると、世界中の誰しもが、アカや裏アカと似たものを思い浮かべる。それは、集合的無意識に人類共通の心が存在し、同じ発想をさせるから。

ガネーシャは、誤って失った子供を、違う形でもいいから蘇らせようとして生まれた(詳細省略)。モンスターは集合的無意識からのイメージなので、アイにも似たような気持ち(妹への罪悪感)があるから、ガネーシャが出現した。
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【考察】舞台になっている世界を考えてみる
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1.リアル(自我)
小糸が出てくるシーンやアイがコガネムシを拾う瞬間まで。リアルでの4人は、ファミリア・ストレンジャー(同じ場所でよく会う他人とは思えない人)で名前も異なる。主人公、とりあえずアイ(自我)は病院で眠り、何をするかは、自己(アカ、裏アカ)にゆだねている。

2.夢のなかの現実世界とエッグ世界(自己)
1と地下庭園以外のシーンは、夢のなかの出来事。現実世界(意識)とエッグ世界(無意識)に分かれ、二つの世界はおもに扉で隔てられている。

現実世界では、妹や厳しい母親は存在せず(無意識に追いやった)、友達もいる。リアルでは味わえない欲求を満たすオアシス。

エッグ世界では、これから直面するリアル(小糸や妹の真相)に耐えられるために、心を鍛えている。エッグの人たちの心は集合的無意識(後述)に存在し、似たようなトラウマを持つアイに共感して現れる。アイが命を絶たないように、バトルをサポートし、メンタルを鍛えてあげている。助けているようで、アイのほうが助けられていた。

エッグ世界でボロボロになっても、現実世界で回復でき、心地もいいからバトルも続けられる。ちなみに、カメレオンは獏(バク)だと思う。

3.集合的無意識、または普遍的無意識
地下庭園のシーン。セルフ、ペルソナといった元型が存在する。ただし、元型に形はない。アニメの演出だと思う。ここには故人の心も存在し、リアルや夢に現れて、助言や警告をしてくれる。エッグは無意識を表し、無意識を表に出せなかった(タマゴの殻を割れなかった)人が、エッグから出てくる。
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【考察】どのエッグを取るか決まっていない
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エッグは4種類あって、ガチャから出てくるから、だれがどれを取るか決まっていない。

1.学校にトラウマがある3文字の人(小糸に関係するので、以下、小糸エッグ)
2.ストーカーにトラウマがある2文字の人(妹に関係するので、以下、妹エッグ)
3.犯罪や見た目にトラウマがある3文字の人(ちえみに関係するので、以下、ちえみエッグ)
4.電車にトラウマがある3文字の人(ハルカに関係するので、以下、ハルカエッグ)

くるみと南は、小糸エッグ。リカと共闘したときは、二人とも妹エッグで、桃恵の初登場のときは、妹エッグとハルカエッグ。前回のねいるは、ちえみエッグを二個、今回は妹エッグ(影のようにつきまとうのは妹エッグ)。

エッグ世界は決まっている。
アイ(学校)、桃恵(駅)、リカ(崖)、ねいる(橋)。ただし、崖と橋は、歩道橋と考察している。

彫像はその人が生きている姿を最後に見た場所にある。
小糸(学校の屋上)、ハルカ(駅のホーム)、ちえみ(握手会?)、妹(橋)。
アイがじかに見たのは、小糸と妹(笛を吹いているとき)。ちえみとハルカは、話を聞いたり日記を読んだりした記憶から。

ユングの心理学では、夢にはテーマや物語性がある。エッグから出てくる人を助けると、彫像になった大切な人が生き返る、という物語。アイが作ったわけではなく、集合的無意識が働いて神話が生まれた感じ。
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【考察】アイの心の成長を考えてみた
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小糸に関する断片的な記憶が契機となり、病院で眠るアイのメンタルを鍛えている気がする。これまでの話を振り返って、アイの心の成長を考えてみる。ただし、こんな感じかなといったレベル。

[契機]小糸と友達になる
くるみと友達についての会話。くるみの境遇がアイと似ていて、4色ボールペンを武器として使い続ける。4色ボールペンは、4人(アイ、ねいる、リカ、桃恵)が一つという意味。

[契機]オッドアイをきれいと、アイを肯定
アイは親のしつけで男らしい性格(自分らしさ)を否定された。南の体罰と親のしつけが重なる。目を塞がれたのが、女の子らしさの仮面を意味する。

[契機]小糸がいじめられ、アイが撮影、それでも小糸はアイを気遣う
リカとちえみの関係へとつながる。どんなことを言われても、ちえみはリカのファンを続けた。アイとリカの会話は主人公の心の葛藤。リカ(認めたくないもう一人のアイ)を認め、言動がリカと似てくる→アイの心の成長が顕著なところ。

[契機]小糸と沢木の関係を疑う
4人がアイの家で話したのは、すべて主人公の考え。いい人なのか、そうではないのか、といった肯定、否定を繰り返す心の葛藤を表す。その結果、真相を知りたい気持ちが強くなる。

[契機]絵のモデルを奪われた?
小糸に嫉妬したくないので、見て見ぬふりの仮面で嫉妬(=アイも沢木が好き)を隠した。以下の三つの要因から仮面を外した→アイの心の成長が顕著なところ。
1.数珠で小糸が見えると思った
2.心の葛藤(4人の会話)で真相を知りたくなった
3.仮面が外れなくなると命を落とすことを学んだ(前回のねいるのバトル)

アイの無意識にあるのは、「助けを求めた妹を助けなかった罪悪感」。学校に行くと、「(小糸が)助けを求めたのに助けなかった?」という疑問が理由のわからない不安感(罪悪感が無意識にあるため)となり、不登校になった。
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第7話 リカの母親は、アイの母親
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普通に見るとわかりやすい話だけど、考察すると難解。
今回のラストで、リカはリスカをやめたわけでも、弱さを克服したわけでもない。弱さをそのままにしたまま、前向きになった。弱さも自分らしさと受け入れた。これは森田療法だと思う(詳細省略)。

これまでの考察に沿って解釈してみる。
舞台は、主人公(とりあえず、アイ)の夢。4人は夢では元型、リアルではファミリア・ストレンジャー。4色ボールペンは4人がひとつ(主人公)という意味。

アイの(夢のなかの)現実世界は、いじめがなく、母親は優しく妹もいない、沢木が訪ねてきて、友達もいる。バトルに耐えるためのオアシスで、偽りの世界。リカは、受け入れたくないもう一人のアイなので、リカの母親は、アイが受け入れたくない母親となる。

1.幼いころ両親が離婚し、アイは父親、双子の妹は母親に引き取られる、妹は父親の顔を知らない
2.妹が助けを求めたがアイは見て見ぬふり、妹は歩道橋から落ち、アイは背中をカッターで切られる
3.父親が他界、アイは(成人したら?)社長となる
4.アイは母親のもとに行くが、母親は妹が生き返ったと思い込む→ねいるが言う両親がいない状態?
5.今回のリカのようなことがアイにもあった

母親は、アイを妹と思っているから五枚の写真を見せた(アイは父親の顔を知っている)。そんな母親だから、アイは自傷行為に及ぶ。アイの腕には爪による自傷行為、背中には妹に切られた傷がある。
アイは心身ともにボロボロだから、(自分の)世界を変える必要があった。そのために、心や体の傷をねいるとリカに分け、アイを無傷にして、少しずつ傷を受け入れていく。それが夢の中で行われている。
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【考察】リカの心の変化を考えてみる
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主人公の名前は、青沼モモと推測中。モモが三人の仲間と鬼(影)退治する物語。桃太郎は鬼を許したので、モモも影を受け入れる終わり方だと思う。
モンスターは基本的に鬼だと思う。今回は、藤原秀郷(俵藤太)の百足(むかで)退治かな。藤原秀郷は百目鬼(どうめき)も退治したから、百足と百目鬼が合わさったモンスターって強引に考えた。

リカの心の変化を考えてみる。
志乃はリスカを”苦しみ”と考えるから、解放される誘惑に負け、変な方向に走った。リカも誘惑に負けたけど、カメに助けられた。リカは、リスカを”自分らしさ”と自覚したから、「自分を傷つけてでも、わたしは生きてやる」と言った。

リカは、”母親とは多恵のような人”と思っていたから、千秋とのギャップに苦しんだ。だけど、千秋が多恵になることは決してないと気づいた。諦めでもなく、千秋を受け入れたのでもなく、リカの世界(意識)が変わった。自ら答えを見つけることに、バトルの意味があると思う。

ねいるもバトルのときに誘惑されたけど、自ら答えを出した。小糸を失った原因が沢木にある、だから沢木は危険(ねいるの論理的、道徳的思考)と、沢木に惹かれる気持ち(欲望)の間で、アイ(自我)は葛藤し行動(登校)できずにいた。
ねいるが、仮面がとれなくなる弊害(道徳すぎるのもよくない)を学び、「アイも沢木が好き(欲望)」を優先させたから登校できた。
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第8話 「セカイを変えろ」の意味
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総集編だったので、考察も総集編をする。

ベースになっているのは、ユングの心理学だと思う。アイが学校に行った理由を気にする人は多いけど、すでにその理由は描かれていると思う。わからないところは各自が解釈するという形なのだろう。最終回を見たあとは、「よくわからなかったけど、面白かった」という感想があふれている気がする。

テーマの「セカイを変えろ」について考えてみる。
タイムリープや転生で世界を変えるパターンが多いけど、このアニメの場合、まわりの世界はいっさい変わらず、主人公の世界(意識)が変わっていく。学校に行くもその一つ。

例えば、”受験に失敗”は、ネガティブな記憶になるが、志望校でない学校で恋人ができれば、受験に失敗したから恋人ができたと、ポジティブな記憶に変わる。このアニメにおける世界が変わるとは、記憶に関する解釈を変えることだと思う。

アイはオッドアイにネガティブな感情を持っているが、小糸はきれいだとポジティブに言っている。オッドアイに優劣はないのに、アイが劣等感を持つのは、ほかに理由があるから。考察では、妹に対する罪悪感と考えている。

双子の妹もオッドアイで、妹が助けを求めたのに見て見ぬふり。それが原因で妹を失ったとアイは考えている。しかし、原因は妹につきまとったストーカー。過去は変えられないし、妹も復活しない。だから、アイのネガティブな記憶の解釈を変えるしか救われない。
それを夢のなかでやっていて、まず、リカが世界を変えた。リカについての総集編はつぎの考察で。
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【考察】リカについての総集編
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舞台は、主人公(とりあえず、アイ)の夢。4人は夢では元型、リアルではファミリア・ストレンジャー。4色ボールペンは4人がひとつ(主人公)という意味。

アイは、助けを求める人がいたら駆けつける女の子だった。だけど親のしつけで、「女はかわいくしてれば男が助けてくれる」と育てられ、友達を助ける気持ちや男らしさは無意識に追いやり、アイ自身は、見た目で友達を選ぶようになる。

・友達を助ける気持ち→シャドー(影)→リカ
・男らしさ→アニムス(女性の心にある男性)→桃恵

アイは自分のため(小糸の復活)に戦っていたから、友達を助けたい気持ちは、リカのほうが強かった。リカとの共闘で、アイはもう一人のアイ(影)を受け入れ、友達を助ける気持ちを取り戻す。これでアイのセカイが少し変わった。


多恵と千秋は、グレートマザー(元型)の二面性を表し、多恵は慈しみで、千秋は呑み込むほう(共依存で子供を放さない)。どちらもアイの母親で、多恵は幼いころ、千秋が現在。

リカは父親を知りたいから母親から離れない。母親はリカを放したくないから父親を教えない。さらに、理想の母親(例として多恵)にこだわり、苦しんでいた。考察では、母親がアイを双子の妹と思い込んでいるため、消えたい衝動から自傷行為に及ぶ、としている。

リカは、アムカを”自分らしさ”と自覚し、「自分を傷つけてでも、わたしは生きてやる」と言った。理想の母親を持たないカメに教えられ、理想の母親という”こだわり”も捨てた。グレートマザーの支配から自立し、リカはセカイ(解釈)を変えた。これがアイに反映されるか、次回を見るまで不明。
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【考察】ねいるについての総集編
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ねいるはリカと違ってわかりにくい。ただ、リカとは真逆なのは、ほぼ間違いない。リカ(シャドー)との違いで、ねいる(ペルソナ)を考えてみる。

・シャドー(影)を受け入れる→アイの言動が、リカと似てくる、モンスターに変化なし
・ペルソナ(仮面)を外す→アイが学校に行く、ミテミヌフリから仮面がとれる、妹のモンスターが現れる(考察中)

心理学で二人の性格を考えると、リカはヒステリーで、ねいるは神経質。ヒステリーは、性格は明るいけど身勝手。周りの気をひくために体の不調を訴えたりする(初登場のときの腹痛)。
神経質は、鍵をかけたか何度も確かめるといった強迫観念を持つ。ねいるは背中の傷は治っているのに、うずく気がして、何度もエッグ世界に行かないと気が済まない。
リカの性格は母親のしつけで、ねいるの性格は父親のしつけが原因かも。

ねいるが戦った最初のモンスターは、自我肥大(まわりの目が気にならず、神様のように尊大になること)。これに勝ったことで、ヒステリーを弱め(自分勝手な思い込みを柔軟な解釈に変えた)、リカのバトルを勝利に導いたとも解釈できる。

つぎに戦ったモンスターは、ペルソナ肥大(まわりの目を気にしすぎて、仮面が取れなくなり、自我を失うこと)。これに勝ったことで、神経質を弱め(まわりの目を気にしすぎない)、アイは学校に行けたのかも。

ねいるの武器は円を描くコンパス。ユングの心理学で円は、心を表す。
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【考察】桃恵についての総集編
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メインキャラを元型に当てはめてみる。
アイ(自我)、ねいる(ペルソナ)、リカ(シャドー)、桃恵(アニムス)、多恵と千秋(グランドマザーの二面性)、沢木(老賢者)、アカと裏アカ(自己の意識と無意識)

老賢者は、SF映画に出てくる老賢者のように正しい道に導き、夢のなかでは教師(それ以外の場合もある)の姿で現れる。老賢者とアニマ(男性の心にある理想の女性)は父娘の関係を持つが、老賢者とアニムスは、叔父と姪にはならない。このアニメの設定だろう。

アイは、親のしつけで、男らしさ(=自分らしさ)を無意識に追いやられた。男らしさはアニムスとなり、夢のなかでは身近な男性として現れる。アニムスが沢木から桃恵になった理由を考えてみる。
沢木も親のしつけで女らしさ(心が女性)を否定された。沢木の過去(日記?)をアイは知り、沢木を女性と見ているから、女らしさを持つアニムス(桃恵)となった。

考察では、小糸をいい人、沢木を悪い人と考えている。ハルカに対する罪悪感から、沢木はトラウマを持つ少女を助けなくては気が済まなくなる(ねいるがエッグ世界に何度も行くのと同じ)。アイと沢木は大切な人を目の前で失ったショックから、強迫観念を持つようになった。

カウンセリングを受けた少女は沢木を好きになるが、沢木は女性なので拒否する。トラウマを持った少女はさらに心の傷を増やし命を絶つ→エッグから出てくる。小糸はそのことに気づき、アイを沢木から遠ざける。屋上で沢木に女性だと告げるが、動揺した沢木は、小糸に催眠術をかけて口封じをする。

深読みすると、第1話のくるみは、小糸が助けられなかった友達。小糸もエッグ世界を経験して自分の心を成長させてきた。今度は見捨てないようアイを助けようとしていた。4色ボールペンは小糸がくるみにあげたもの、とか。
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【考察】アイについての総集編
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リアルと夢のなかの現実世界に分けて考えてみる。

<リアル>
幼いころのアイは、決め台詞を叫んで男の子と野球をしたりする女の子だった。だけど、親のしつけで男らしさ(=自分らしさ)を否定され、無意識に抑制する。
かわいい双子の妹に嫉妬するアイは、妹がストーカーに狙われて助けを求めたのを見て見ぬふり。妹は歩道橋から落ち、手にしていたカッターでアイの背中を切る。

父親の跡を継いで社長になるプレッシャーや、母親がアイを妹と思いこみ、アイに気づいてくれず、ストレスをためる。背中の傷は完治したが、うずく気がして、そのたびに爪で自傷行為をくりかえす。

小糸に出会ってからは、何度も書いているので省略。小糸は、いじめに協力したアイをなぐさめる心の広い人だから、アイからモデルを奪うといった心の狭いことはしないと思う。


<夢のなかの現実世界>
エッグ世界でのバトルは高地トレーニングと言っているが、エッグ世界は夢だから、どんなに体を鍛えても腹筋は割れない。現実世界も夢だと推測できる。

現実世界は、アイの心に負担がかからない世界。心や体の傷は、ねいるとリカに分けて、アイは小糸だけに専念している。バトルの経験は、体ではなく心を鍛え、アイに反映される。多くのバトルを経験したから、アイは学校に行くことができた。そのほかの疑問点を考察してみる。

〇ケガ
現実世界でケガがぶり返すのは、母親にかまってほしい気持ちがあるから。ただ、そうすると入院したねいるの説明がつかない(考察継続)。

〇暗号
小糸は文学少女で、ヘッセやポーを愛読し、「黄金虫」の暗号をアイに解かせていた。コガネムシを見つけたアイは、小糸を連想して、この物語が始まる。

〇お金
心的エネルギーと考察中。

〇彫像とエッグ
彫像の人を復活させるのは不可能。その代わりに、彫像の人と名前の文字数が同じ人を助けている。贖罪の意味もあるだろう。
エッグから出てくる人は、アイが抱えている心の傷と似たトラウマを持っている。リアルに戻ったとき、アイが心の傷に向き合えるよう心を鍛えている。助けているようで助けられていた。

〇カエルとひまわり
アイの部屋のドアのプレートはカエル。陸上、水中で生きられるカエルは、意識と無意識を表したりする。ひまわりは太陽に向かって花をひらくところから、ポジティブを意味する。
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第9話 アイの双子の妹だと思う
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アイには双子の妹がいて、妹もオッドアイと考察してきたので、寿はアイの妹。解釈が難しい点もあるけど、これまで通り、自分の考察に沿って考えてみる。

舞台は、主人公(とりあえず、アイ)の夢。4人は夢では元型(イメージ)、リアルではファミリア・ストレンジャー(OPのようにすれ違う程度)。4色ボールペンは4人がひとつ(主人公)という意味。エッグ世界は夢なので体は鍛えられない。心を鍛えていて、体のケガは心の痛み。

寿がアイの妹なら、2文字でない点を考える必要がある。とりあえず保留。妹ではなく友達なのは、無意識に妹に対する罪悪感を隠して、妹を意識したくない気持ちが強いからと解釈。
落下する寿をねいるが助けるシーンはよかった。助けを求めた妹をアイは見て見ぬふりをして、妹は歩道橋から落下したと考察しているので。

ねいるの素性は、実際より誇張されていると思う。不妊治療による人工授精で、双子が生まれた。それ以外は、人工授精で生まれたと知った姉妹の憶測。生命維持装置を止めるのは、リアルでもあったかな。秘書とアカ、裏アカの関係は不明。考察はしてみるけど。
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【考察】アイの妹の名前は、イブ
{netabare}
アイは、妹に関する記憶は無意識に抑制したけど、怪物少女や寿の姿でエッグ世界(夢)に現れる。小糸も妹も落下した点は同じだから、寿(妹)を小糸と重ねて、妹を友達と認識している。妹の名前は2文字で、ペットの名前がアダムなので、妹の名前は、イブ。

小糸と重ねているから、こいと+いぶ=こいといぶ……→ことぶき、となった。”い”が抜けて、”き”が足されているから、主人公の名前は、アイではなく、アキ。

双子っぽくないから、アイのほうがましかな。さすがにアダムはないだろうけど、アムならいいかも。主人公の名前の候補……アイ、アキ、アム

主人公の名前は、青沼モモではなさそうなので、4人の名前について考えなおす。リアルでの4人は、OPのようにすれ違う程度の関係。

青沼ねいる……すれ違うときに会話が聞こえて、”青沼”と知った。”ねいる”は爪による自傷行為か、ネイルデザインに興味があったから
沢木桃恵……電車で話すのを聞いて、”桃恵”と知った。沢木にしたのは、ホクロが似たところにあったから
川井リカ……かわいいリカ、外見から思いついた名前、もしくは、「かわいいリカ」と言っているのを聞いた
大戸アイ……オッドアイ、外見から思いついた名前、もしくは、いじめを受けたときにつけられた名前
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【考察】ワンダーランドで考えてみた
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村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』と類似点があるので、考察してみる。まずは、大雑把なあらすじ(ネタバレ含む)。

人の意識を使い、絶対に解読できない”暗号”を発明した博士は、人の”意識を映像化”させて、主人公に施した。その結果、主人公には本来の意識(A)のほかに、別の意識(B)ができてしまう。
意識Bの世界は、争いもなく苦しみもないユートピア。ただ、ここでは影を切り離され、心を失ってしまう。徐々に意識Aは消えて、意識Bへと変わっていく。元の世界(意識A)に戻るには、影と一緒にならないといけない。

ここからは自分の考察。意識Aに関係ある人物が、意識Bの世界に反映される。図書館の女→図書館の女、図書館の女の夫→発電所の男(『Yの悲劇』のオマージュだと思う)、博士→大佐または門番、ピンクの太った女→影(アニマ)。未読の人にはさっぱりだと思う。


ワンエグに当てはめてみる。
現実世界に入る前に、アイは影(ねいる、リカ、桃恵)を切り離された。アイにとって現実世界はユートピアだけど、そのうち影(友達)は消えてしまう。友達を失ってまでその世界に留まるか、友達と一緒になって、もとの苦しい世界に戻るか、選択を迫られる。

現実世界も夢と考察中だけど、意図的に作られた夢かもしれない。例えば、その人が望む世界を夢で見させる、とか。ただ、”夢を映像化”は、現実世界(夢)の技術なので、リアルではカウンセリングをしているだけかも。

寿の「別の世界線でその子とも友達になるよ」を解釈してみる。
リアル……アイに友達はいない。ねいる、リカ、桃恵はOPのようにすれ違うだけの関係
現実世界……ねいる、リカ、桃恵が友達
別の世界線は、リアルを指していて、リアルに戻ってもねいるたちと友達になれると言っている。
秘書とアカ、裏アカの関係についてはつぎの考察で。
{/netabare}

【考察】秘書とアカ、裏アカの関係
{netabare}
現実世界とエッグ世界を夢と考察している。リアルのものが現実世界に形を変えて反映されている。

第4話で、桃恵が美和からじっくり話を聞くのは、(リアルでの)沢木のカウンセリングを表していると思う。沢木はハルカに対する罪悪感から、トラウマを持つ少女たちを助けようと、くりかえしカウンセリングをしている。(現実世界の)猫は(リアルの)少女たちのこと。

少女たちが沢木のカウンセリングを受ける→沢木を好きになる→沢木は心が女なので拒否する→少女たちの心の傷が増えて命を絶つ→エッグから出てくる

小糸と沢木に恋愛関係はなく、アイを沢木から遠ざけようとしていた。小糸に命を絶つ理由はなく、沢木が関与していると思われる。抑圧した(女性でありたい)欲望を、小糸に指摘され逆上した?
小糸が裸足で少し汚れている点から、(催眠術で?)屋上の縁を歩かされたと考えている。小糸と親友だったアイも秘密を知っていると思い、沢木は車でアイをひく(第1話でドライバー(モブ)の視点になるのが不自然)。

アカ、裏アカは、沢木のこと。正確には、カウンセリングの資料や日記がネット上にあり、それを読んだアイの心象。アカは、カウンセラーとしての沢木だからきちんとした格好。裏アカは日常の沢木だからくだけた格好。小糸は資料と日記を手に入れて、どこかに保管している。パスワードは”5k6(アキ)”。

秘書は怪物少女(妹のこと)と同じ声優さんだから、妹。寿も妹だが、小糸と合体しているから別の声優さん。姉としてのペルソナであるねいるが社長なので、妹は秘書になった。秘書とアカ、裏アカの関係は、妹も沢木が好きだったことを示す。双子だし、たぶん、同じ中学に通っていた。
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第10話 表層意識と深層意識のせめぎあい
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終盤らしい展開になってきた。ただ、収束というより拡大している印象。ひとつくらい謎を明かしてほしい。いつものように、自分の考察に沿って解釈していく。

舞台は、主人公(とりあえず、アイ)の夢。4人は夢では元型(イメージ)、リアルではファミリア・ストレンジャー。4色ボールペンは4人がひとつ(主人公)という意味。エッグ世界は夢なので体ではなく心を鍛えていて、体のケガは心の痛み。

沢木の心が女性(もしくは、ハルカの心が男性)と考察してきた。ジェンダーの問題も含まれそうだけど、現時点では置いておく。

アイと桃恵は連動して、桃恵のバトルの結果はアイに反映される。薫が男性だと桃恵が認めたことで、アイはアニムス(女性の心にある男性)を自覚した←桃恵のクリア条件。
女性にとって心のなかに男性がいるのは耐えがたいことだけど、それを自覚できると、男に騙されない女性に成長できる。

桃恵のバトル終了→薫が男だと認める→アイの心が成長(アニムスを自覚)→アイ、個展に行く→沢木に真相を問いただす

フリルは、表層意識(意識)の比喩だと思う。アイたちがいるのが深層意識(無意識)。表層意識は心全体の数パーセントだから、スカートのフリルに例えている(水面と水の中に例えたりもする)。
ハイフン(‐)は、二つのものをつなげるものだから、表層意識と深層意識をつなげるものと解釈。無意識に閉じ込めたものが意識に上がりそうになり、意識(フリル)が(ハイフンで)押し返そうとしている。意識と無意識のせめぎあいが行われている。

ワニは、アンチ(ミテミヌフリ)を食べてきたので、ワニの肉はアンチでもあるから、見て見ぬふりを受け入れるかどうか試されたのだと思う。
真実を沢木から聞かされ、アイはタナトスに支配されそうになるが、リカのバトルで、エロスが強くなっている(「自分を傷つけてでも、わたしは生きてやる」)ので、耐えられるという展開だと思う。
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【考察】エッグ世界は、変性意識
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変性意識は、夢や瞑想のときの意識状態、半覚醒といったところ。これを含めて階層を考えてみる。

1.表層意識(主人公の意識、フリルがいる)
2.変性意識(エッグ世界、ハイフンがいる)
3.深層意識(現実世界)
4.集合的無意識(地下庭園)

表層意識は意識全体の数パーセントだから、服の飾り(フリル)に例えている。ハイフンは”抑圧”。抑圧からの解放を”さなぎから蝶”で例えたりもする。アイたちはトラウマやコンプレックスを持った主人公の心のひとつと考えればいいのかも。
桃恵はアニムスだけど、正確には自分のなかに男子がいて不安になる主人公の心。だから、初登場のときに女子に見えるか尋ねたりした。クリアして、アニムスを受け入れた。

桃恵はクリアしたので、表層意識に上がろうとしたけど、フリルの命令でハイフンが威圧(抑圧)し、桃恵は現実世界(無意識)に戻ってしまった。見て見ぬふりはまだ受け入れられないから。

この物語は、トラウマやコンプレックスを意識に上げる(主人公が自覚する)のが目的。いきなり意識に上げると耐えられないから、エッグ世界で心を鍛えていた。エロスが強いときは戦い続けるけど、タナトスが強くなると桃恵のようにやめてしまう。

天井から落ちる水滴は、エッグ世界が水の中だから。地下庭園にあった水の中のタマゴがエッグ世界と推測。
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【考察】小糸は男子で、生きている
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小糸は、体は女性だけど心は男性、という考察をしてみる。アカは、男子の小糸を表す。

小糸は命は助かった。体は動かせないが脳は活動している。アカの割れたメガネは、落下した小糸のメガネを指す。小糸は、表向きの日記と本音が書かれた日記をネットで書いていた。

裏アカの日記には、自分が男子でアイが好きなこと、沢木の悪行が記されていた。パスワードは『黄金虫』の暗号、56(アイ)では短いかな。小糸の裏アカ日記(表に出せなかった気持ち)のイメージが、夢のなかでエッグや暗号になった。

アイは日記を読んだけど、男子としての小糸をイメージできないから、アカと裏アカになった。アカと裏アカは、自己(セルフ)。夢のなかでは神様の姿で現れたりする。小糸は特別な存在だからセルフとなった。セルフは導き手なので、コガネムシも小糸となる。
小糸は、アイを沢木から引き離そうとしたが反撃された。薫と同じことがあったかもしれない。

桃恵がクリア→アイは小糸が男子だと認める→沢木と(男女の)恋愛関係はないと確信する→沢木を問いただす

現実世界(無意識)で真相が明らかになり、4人のエロスの戦士がハイフンに立ち向かう。そして、リアルで主人公が目覚める。

こいと+あい=こいとあい(恋と愛)という語呂合わせから、小糸のリハビリを手伝いながら、アイと小糸の関係は恋愛に発展し、ハッピーエンド。
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第11話 アカと裏アカは、ゲイ
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急展開というか、全く違う話を差し込んだような印象。作画のクオリティが高いから生々しい。このままSF展開で終わりそうな気もしたけど、夢ならなんでもありと考え直した。いつものように自分の考察に沿って解釈してみる。

アイたちは、主人公の心のひとつ。トラウマやコンプレックスを意識に上げようとするアイたちと、それを拒絶する主人公の意識(フリル)とのせめぎ合いが、夢のなかで行われている。
裏側にあるリアルを考えてみる。主人公の名前はとりあえずアイとする。

アカと裏アカはゲイ。裏アカは沢木。AIは”アムネスティ・インターナショナル”で、監視は”良心の囚人”の比喩かな。二人はゲイだからアイを養子として迎える。だから、アイには両親がいない(ねいると一致)。

アイにはゲイだと教えず、アカを父親、裏アカ(沢木)を叔父と教える(桃恵と一致)。アイには母親が必要と感じて、事情を受け入れた女性とアカが結婚する。二人はゲイなので、ひまりの父親は誰かわからない(リカと一致)。

多恵はアイの母親で写真を見たか想像。沢木が描いた肖像画はアイの父親。アイの父親と沢木は知り合いで、両親が故人となり身寄りのないアイを、アカと裏アカが引き取った。ハルカは沢木の中学時代の女性と考察中。沢木はゲイだから女性に告られても拒否。その結果、ハルカを失う。ひまりを失ったことでハルカに対する罪悪感が復活し、同じ年頃の少女をカウンセリングしている。
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【考察】見て見ぬふりが悲劇の連鎖を招いた
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前回の続きで、裏側にあるリアルを考えてみる。

アカと裏アカはゲイで、裏アカは沢木。アカの精子であずさと人工授精し、生まれたのが双子の姉妹(とりあえず、姉と妹とする)。姉はアカと裏アカ、妹はあずさが引き取る。姉にはアカを父親、裏アカを叔父と教え、あずさは「中学になったら父親と会わせる」と妹に約束。

二人が中学生になり、アカとあずさは形だけの結婚をする。事情を聞かなかったか、聞いても信じなかった姉は、アカはあずさに、裏アカは妹に奪われたと嫉妬する。
姉は嫉妬を無意識に抑圧する(夢のなかで抑圧はハイフンやドット、嫉妬はアンチとなる)。抑圧した嫉妬は形を変えて意識に上がり、見て見ぬふりとなる。

妹はアイドルをやっていて、芸名はイブ。妹はストーカーに狙われていて、防犯用に笛とカッターを二本持っていた。妹は笛を吹いて助けを求めたが、下にいた姉は見て見ぬふり。妹は歩道橋から落下し、手にしたカッターで姉の背中を切る。
アカと裏アカ、あずさは病院に向かう途中(大きな橋か崖)で事故に遭い、アカは帰らぬ人となる。アカ=コガネムシで、第1話でアイがコガネムシを埋めているのが伏線。姉はアカの会社の社長となる。

ICUで姉が意識を取り戻したとき、杖をついた裏アカが割れたメガネを差し出す。あずさは娘を失ったショックから、姉を妹と思い込む。見て見ぬふりが招いた悲劇の連鎖に、姉(主人公)の自我が5つに分かれ、アイ、ねいる、リカ、桃恵、フリルとなる。5つの自我についてはつぎの考察で。
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【考察】つぎは、ハテナ(?)かファイブ(5)
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ハイフン、ドットに続く三番目を考えてみる。

『黄金虫』の暗号に当てはめると、ハイフンは”C”で、ドットは”P”になる。単純に考えれば、つぎは”U”で、CPU。”U”は”?”なので、ハテナという名前になる。CPUだとSF寄りになってしまうので、心理学でもないか探してみた。

P、A、Cで自我状態を調べるエゴグラムがあった。”A”は”5”なので、ハイフン、ドット、ファイブとなってしまう。ハテナのほうが合いそうだが、『おとなのこども』には合っている気はする。P、A、Cは、親、大人、子供の英単語の頭文字だが、このサイトではNGワードになる。

Pは、CP、NPに分かれ、Cは、FC、ACに分かれる。全部で5つの自我になる。主人公の5つに分かれた自我をエゴグラムに沿って考えてみる。※心的エネルギーが強い⇔心的エネルギーが弱い

・CP(支配性)……厳しい心⇔怠惰な性格 フリル
・NP(寛容性)……優しい心⇔冷淡な性格 桃恵
・A(論理性)……論理的な心⇔非合理的な性格 ねいる
・FC(奔放性)……自由奔放な心⇔閉鎖的で暗い性格 リカ
・AC(順応性)……協調性的な心⇔マイペースな性格 アイ

フリルは責任感を持つ厳しい心だから、すべては自分に責任があると思い込む自我になった。桃恵はエッグの少女たちに優しい心を見せ、敵には冷淡。ねいるは論理的だけど、非合理なところ(寿のことかな)もある。
リカは自由奔放だけど、ワムカをする一面がある。アイは周りを気にしすぎて行動できずにいたので、むしろマイペースに傾くほうがプラスとなり、学校に行くこともできた。
エゴグラムは、5つの自我を棒グラフで表すが、高いほどいいというわけではない。以上、Wikipediaを参照して記述。
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【考察】ラストは、自分を守るために自分と戦う
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小糸は、形を変えた主人公の妹という考察をする。小糸のシーンを妹に変えて、裏側にあるリアルを考えてみる。

アカとあずさの結婚を機に、妹は姉の学校に転校してきた。妹は沢木(裏アカ)が好きで、姉も好きなのを知らなかった。だから、歩道橋の上で「(モデルを)辞退したほうがよくない」と姉に言う。

同じ歩道橋の上で妹は助けを求めたが、姉はモデルの座を奪われたことを思い出し、見て見ぬふり。その後の悲劇の連鎖は記述済み。妹に関する記憶を抑圧したが、夢のなかで小糸となって現れた。

姉(主人公)は、妹に背中を切られて脊髄を損傷。脳は活動しても体が動かない。寿とは逆。脳(心)もタナトスに支配されて危ない状態。立ち直らせるため、沢木はハルカに対する罪悪感を打ち明ける。罪悪感を抱えた沢木を助けたのがアカで、アカの娘を沢木が助けようとしている。

最後のエッグから出てくるのは主人公で、自分を守るために自分(フリル)と戦う。

主人公と妹の名前を考えてみる。
小糸とイブ(アイドル時代の芸名)は、どちらも妹を指す。
こいと+いぶ=こいといぶ
”い”を取り、”き”を足すと、寿になる。アイもアキとなる。アカの娘だからアキ。ただし、ひまわりもありそう。千秋万歳は長寿の言葉なので、アキと寿の母親は千秋。
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第12話 △と×の違い
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エッグからアイが出てきたときは、いい展開と思ったけど、話が進むにつれ、謎を残したまま終わる、いつものオリジナルアニメになりそうで心配になった。結局、結末は特別版に持ち越しってことで、ひと安心。考察はまだ有効。

これまでの考察に沿って解釈してみる。
アイ、ねいる、リカ、桃恵、フリルは、5つに分かれた主人公の自我、もしくはコンプレックス。無意識から意識に上がろうとするアイたちと、それを押し返そうとするフリル(意識)とのせめぎ合いが続いている。

髪留めが△のアイをアイ△、×をアイ×(パラレルのアイ)とする。
最初は、主人公=アイ×と思ったけど、パラレルのアイとするほうがよさそう。ただし、アイのパラレルがいるなら、いままでの少女たちのパラレルも否定できない。ややこしくなりそう。

ミテミヌフリはアイ×のトラウマで、沢木のワンダーキラーは、アイ△の「疑念が作り出した怪物」。パラレルの分岐点は、おそらく、学校に行かずに母親を手伝ったのがアイ△で、行ったのがアイ×でそのあとプール。プールをやめて裸足で屋上に行った気もする(アイ×が屋上の縁にいるから)。アイ△が移動した場所を考えてみる。

1.表層意識(主人公の意識、フリルがいる)
2.変性意識(エッグ世界、ハイフンがいる)
3.深層意識(現実世界)
4.集合的無意識(地下庭園)

エッグを割ってアイ×が出てきたのが第2階層。水の中は無意識を表すので、プールから出て小糸がいた場所が第3階層。ここはアイにとっては心地のいい世界(ユートピア)。そのことにアイは気づいて? 空に向かって突っ込んだ。第2階層のエッグ世界に戻って、屋上の縁にいるアイ×と抱き合う。
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【考察】△と×の関係を、時系列で考えてみた
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主人公のアイをアイ△、パラレルからきたアイをアイ×とする。

1.エッグからアイ×が出てくる
アイ×のミテミヌフリ、アイ△の怪物沢木が出現。名前の点から、怪物少女も「疑念」から生まれたと推測できる。

2.アイ△とアイ×がプールに潜り、アイ△だけが別世界に移動
学校に行くか、行かなかったで、二人の世界は分かれたと推測。
学校に行かなかったアイ△→母親の手伝いをする……→エッグ世界で戦うことになる。
学校に行ったアイ×→プールに潜るが苦しくて出てくる→裸足のままで屋上に行き、身を投げる。
小糸は、アイ×を反映した嘘の友達。学校に行かなかったアイ△は、小糸を通してアイ×を見ていた。

3.別世界にきたアイ△は、小糸と屋上の縁に行く
「後悔してるよね?」とアイ△は、エッグ世界にいるアイ×に問いかける。返事を求める相手は小糸ではないのがわかる。アイ×が「後悔してる」と返事。それに呼応して小糸の手を離し、嘘の友達と決別。
アイ△は、空に向かって突っ込んでいき、エッグ世界(上層)に戻る。このとき、アイ×は屋上の縁にいるので、そこが後悔している場所と推測できる。

4.彫像の小糸が復活し、アイは涙
小糸が復活したあと、ねいるとの会話シーンになる。このシーンはアイのバトルが終わったあとのもの。小糸が嘘の友達だと視聴者に伝えるため。小糸が存在しないと気づいたアイは涙する。
パラレルの行き方はわからないが、アイ△はアイ×の”小糸”になろうと決意。

5.キララが現れる
キララが狙っているのは、アイ△。キララの攻撃を受けてアイ△は気絶する。倒れているアイ△の髪をアイ×がかきあげる。アイ△の代わりにアイ×が攻撃を受ける。見て見ぬふりではなく、助けたことに満足してアイ×は消滅。

髪で隠したほうの目を取られたのが含みがありそう。推測すると、髪で隠したほうは無意識の比喩で、受け入れたくないものを無意識に追いやるが、無意識にも光るものがある。キララが取った無意識を意識(フリル)に上げれば、良い方向に影響が出るかもしれない。

6.ねいると会話
時系列で考えると、アイがバトルを終えてから4人で集まる冒頭のシーンになる。小糸は嘘の友達だったけど、救われたとねいるに話す。
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〇考察まとめ 概要編
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三か月後のために、どんな考察をしていたか、そこに至った経緯も含めて書いておこうと思う。

・舞台
第4話のアイとねいるの会話から推測できる。

ねいる「あっち(エッグ世界)での戦いは、私たちの体にすごい負荷をかけるみたい」
アイ 「高地トレーニングみたいな……うっすら腹筋われてきたような」

エッグ世界は夢で、夢では体は鍛えられないし、腹筋も割れない。腹筋が割れたなら、現実世界も夢だと解釈できる。

・心理学
無意識は見えないが、フロイトやユングの心理学では、夢を介して無意識を見ることができる。受け入れたくないもの、選択しなかったものが、無意識に存在する。
物語の舞台は、無意識の世界(パラレル世界)とも言える。主人公は、双子の妹の記憶を無意識に抑圧していると考察している。

妹の記憶を抑圧→形を変えて夢に現れる→寿、ひまり、怪物少女

妹の記憶を抑圧したためにコンプレックス(アイ、ねいる、リカ、桃恵)が生まれる。だから、4人は妹の記憶と関連がある。例えば、妹もオッドアイ。コンプレックスは人格でもあるので(そういう解釈を読んだことがある)、自我を持ったキャラクターとして描かれている。
コンプレックスはネガティブな面だけでなく、変わろうとする衝動ももたらす→”セカイを変える”に該当。

・階層
1.表層意識……意識のこと
2.変性意識……夢や半覚醒の状態、エッグ世界、現実世界が該当
3.深層意識……無意識のことで、コンプレックスがある
4.集合的無意識……イメージの源

夢に現れるイメージの源は、無意識や集合的無意識にある。アイたちのイメージの源は、無意識にあるコンプレックスで、地下庭園のイメージの源は、集合的無意識にある元型(セルフ)。集合的無意識には、故人の心があり、夢やリアルに現れて助言してくれる。第1話でずらりと並んだエッグが該当すると思う。

表層意識は意識全体の数パーセントだから、服装の飾り(フリル)に例えた。主人公の意識は、ほぼフリルだと思う。ハイフン、ドット、キララは、抑圧と解放(または、破壊と再生)の二重メタファー。

主人公が、なぜそういう夢を見るのか、その原因となるリアルも書いておこうと思う。
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〇考察まとめ リアル編(1)
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現実世界を夢と解釈したので、第11話のSF展開も夢となる。夢のなかには事実も含まれ、男性二人の間に女の子がいる状況を考察した。養子は、男二人では審査が通らず、無理だと結論。

どうしても子供が欲しい男性二人と、その男性たちに理解のある女性が協力し、子供が生まれる。女性も子供を授かれば育てるはず。だけど、男性二人で女の子を育てるシーンになっている。以上を反映させ、次のようなリアルを考えた。


【リアル】
アカと裏アカ(沢木)はゲイで、二人に理解のあるあずさが子作りに協力。アカとあずさで人工授精し、生まれたのが双子の姉妹。姉はアカと裏アカ、妹はあずさが引き取る。姉にはアカを父親、裏アカ(沢木)を叔父と教え、あずさは「中学になったら父親と会わせる」と妹に約束。

二人が中学生になり、アカとあずさは形だけの結婚。ゲイと人工授精を理解できない姉(主人公)は、アカと裏アカを奪われたと嫉妬。家族に対する嫉妬は表に出せず無意識に抑圧する。


【夢(現実世界、エッグ世界)の解釈】
主人公は、ゲイと人工授精を理解できないため、どうやって生まれたのかわからず、夢の中にフリルが現れた。
多恵と沢木のつきあいは、多恵をアカとすれば辻褄が合う。頻繁に沢木(裏アカ)が訪ねるが、ゲイを理解できないから、アカを自分とよく似た母親に変えざるをえなかった。

無意識に抑圧された嫉妬は、エッグ世界ではアンチとなる。ゲイ(LGBT)に対するコンプレックスは、現実世界では桃恵となる。桃恵はエッグ世界のバトルで成長し、薫(LGBT)を理解したところでクリア。
桃恵は意識に上がろうとしたがハイフンに威圧(抑圧)される→LGBTよりも妹の記憶が蘇るのを恐れたため。セーラー服は妹を表すと思う。
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〇考察まとめ リアル編(2)
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ワンエグの舞台は主人公の夢で、現実世界に似たリアルが存在する。主人公(姉)には双子の妹がいるが、まったく出てこないのは姉が抑圧したから。ねいるの背中の傷から、妹に関するリアルを、次のように考察した。


【リアル】
アカとあずさの結婚後、妹は姉の学校に転校した。妹は沢木(裏アカ)が好きで、歩道橋の上で「(モデルを)辞退したほうがよくない」と姉に言う。
妹はアイドルで芸名はイブ。ストーカー(寿のトラウマ)に狙われ、防犯用に笛とカッターを二本持っていた。

同じ歩道橋の上で、妹は笛を吹いて助けを求めたが、下にいた姉は見て見ぬふり→リカのエッグ世界の崖下からミテミヌフリが現れる理由。妹は誤って落下し、カッターで姉の背中を切る。姉は脊髄損傷、体が動かなくなる。寿と逆。姉は妹に関する記憶を抑圧した。


【夢(現実世界、エッグ世界)の解釈】
抑圧しても、小糸、寿、怪物少女の姿で夢に現れる。妹の名前は寿と推測。
こいと+いぶ→こいといぶ→”い”を抜いて”き”を足す→ことぶき
同様に、主人公の名前は、アイではなく、アキ。アカの娘だからアキ。ただし、ひまわりもありそう。

第12話でエッグから出てきたのは、アイの影(シャドー)。小糸は、妹とアイの影を合わせた”嘘の友達”。影は、受け入れなかった(選択しなかった)もう一人の自分。アイの影は、学校に行ってプールに潜るが苦しくなって出てきて、裸足になって屋上で身を投げた。

エッグからは選択しなかったほうが出てくる。これまでの少女たちも影で、”立ち向かうほうの少女”が出てきたから、アイたちと一緒にワンダーキラーを倒した。
{/netabare}

〇考察まとめ リアル編(3)
{netabare}
主人公は父親に関する記憶も抑圧したと思う。アイの父親は離婚、リカの父親は誰かわからない、ねいるは人工授精、桃恵のシーンには母親のみ、といった感じで、父親がまったく出てこない。抑圧した理由(リアル)は、以下のように考察した。


【リアル】
アカと裏アカ、あずさは(娘たちが運ばれた)病院に向かう途中で事故に遭い、アカは帰らぬ人となる。アカ=コガネムシで、コガネムシを埋めているのが伏線。姉はアカの会社の社長となる。
ICUで姉が目覚めたとき、杖をついた裏アカが割れたメガネを差し出す。あずさは娘を失ったショックから、姉を妹と思い込む。

姉妹が倒れていた現場から、妹が姉を刺したあと橋(歩道橋)から身を投げたと判断された。真相は姉の無意識にあり、そのため夢の中に、ミテミヌフリが何度も現れることとなる。
見て見ぬふりが招いた悲劇の連鎖に、姉の心はタナトスに支配される。立ち直らせるため、沢木はハルカに対する罪悪感を打ち明ける。罪悪感を抱えた沢木を助けたのがアカで、アカの娘を沢木が助けようとしている。

主人公は意識不明になり、ワンエグの夢を見る。次回予告に描かれる細い線は心電図と考察。


【夢(現実世界、エッグ世界)の解釈】
ねいるのエッグ世界は、アカの事故現場を表している。おそらく、車の玉突き事故。主人公にとって頼りになる父親(アカ)と沢木(裏アカ)が夢のなかで導き手として現れた。

夢をフロイトが解析すると性的なものになるが、ユングの場合、英雄物語になる。夢の中の物語=その夢を見ている人の心の葛藤。ワンエグという物語が、主人公の心の葛藤を表している。
{/netabare}

〇考察まとめ キャラクター編
{netabare}
第12話に出てきた"もう一人のアイ"こそが、主人公(名前は、アキかひまわり)と考えてみた。主人公はオッドアイがコンプレックスで、無意識のなかで大戸アイとなった。コンプレックスは人格でもあるので。

中学生のとき、突然、妹と母親が現れ、父と叔父(沢木)がゲイで、自分は人工授精で生まれたと教えられる。受け入れられずコンプレックスとなり、ねいる、リカ、桃恵、フリルという人格が生まれる。人工授精を理解できず人工的に生まれたと解釈し、フリルの物語となった。

悲劇の連鎖(リアル編に記述)で、父(アカ)と妹(ことぶき)を失い、主人公は母親(千秋)と暮らす。罪悪感を抱えた主人公を立ち直らせようと沢木(裏アカ)は何度も訪ねる。主人公は学校に行き、プールに潜るけど苦しくなり、屋上から身を投げた。一命を取り留めるが意識不明の重体。ワンエグの夢(無意識の世界)を見る。

息を引き取ろうとする主人公を、コンプレックスが助けようと、意識に向かっている。そのコンプレックスは、主人公を苦しめるものだから、フリルが邪魔をしている。

もう一人のアイ(主人公・意識不明)←×―助けにいく――アイ、ねいる、リカ、桃恵(無意識)
                  ↑
                  │邪魔(抑圧)
 フリル(主人公の罪悪感)→ハイフン、ドット、キララ

小糸は、妹と主人公(姉)を合わせた嘘の友達。二人をつなげたために沢木に疑念を持った。不登校になった原因は、小糸ではなく、通学路に妹が落下した歩道橋があるから。

すぐに姉妹になるのは難しいから、妹は友達から始めようとした。だから、ことぶきはねいるの友達として現れた。ねいるのエッグ世界にある彫像は、ことぶきになる。

まだ色々書きたいけど、特別編を見てから書こうと思う。
{/netabare}
{/netabare}

最終話 スッキリする結末にしてほしかった
{netabare}
前半の総集編の時点で、謎を解決するには尺が足りないな、って思った。なんでもいいから、スッキリする結末にしてほしかった。特別編がなかったほうがよかった気もしてくる。

このアニメのテーマは、心の問題だったと思う。その問題を、問題が存在しない世界に行く(または変える)ことで解決する、そんな結末だった。それでは自己満足にすぎず、問題自体、まったく解決していないと思う。


【総評】
作画がよかっただけに残念な終わり方だった。この作画レベルなら傑作にもなっただろう。第12話までのストーリーは、それなりによかったし、考察も楽しめた。特別編が中盤の話みたいで、あと1クールは必要に感じた。心の問題をSFで解決したのは面白みに欠ける。

とりあえず、特別編を見て感じたことだけを書いた。冷静になれば評価も変わる気がする。全体像を考え直して、自分なりの解釈を書こうと思っている。考察については、せっかっく書いたので、いつも通りラノベのプロットにしようと思う。
{/netabare}

【解釈】オマージュと考えれば、特別編で完結している
{netabare}
村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』との関連を考えてみた。

この小説は、マッドな博士が、主人公の意識を映像化して新しい意識(世界の終り)を作り、主人公がそこに移動する話。かなり大雑把だけど、そんな感じ。
世界の終りでは、主人公は影と分かれる。その世界から出るには、再び一緒になる必要がある。期限内に脱出しないと、主人公にとっての"世界の終り"となる。影は、脱出方法を考えたり、迷っている主人公を説得したり、あらゆる手段を尽くすが、主人公は世界の終りに残る(その世界に存在する人を救済する意味もある)。そして、最後に主人公と影は……。

この小説のオマージュで成功したのが、『まどマギ』。影(キャラ名は伏せておく)は、魔法少女の世界(その人の世界の終りでもある)から主人公を守ろうとして、あらゆる手段を使うが、最後は……。結末は小説とほぼ同じ。

あまり評価がよくなかったのが、『神様になった日』。陽太は太陽(光)の逆だから影。あらゆる手段で、ひなと一緒に施設を出ようして……結末は小説とは違っている。

ワンエグも同じように考えてみる。寿がパラレルを見つけたから現在の世界がある。ねいる(影)は実験(寿にとっての世界の終りに留まること)を止めようとしたができなかった。寿の犠牲により少女たちは復活できた。

小説では、影が最後どうなったか、ねいると同じように描かれていない。オマージュと考えれば、ねいるが去ったところでワンエグは完結している。ねいると寿だけのシンプルな話のほうがよかった。
{/netabare}

投稿 : 2021/07/01
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