STONE さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
とりあえずの簡単な感想
割と他にはない設定や世界観を持つ作品を好む傾向にあるが、そういう点では文句なしだった
作品。
大阪的な俗っぽさを詰め込んだサイバーパンク的世界を始め、とにかくぶっ飛んでいた感が
あった。アクダマ達を中心とするキャラも魅力的。
やたらと人が死ぬ作品で、グロいシーンも多いが、独特のポップ感覚のためあまり暗い印象は
ない。この辺は主要スタッフが過去に関わった「ダンガンロンパ」に通じるものがあるような。
カオス的雰囲気や明るい残虐描写など、感覚的なものは「ドロヘドロ」に近しいものがある感じ。
前半と後半では結構テイストが異なり、前半はアクダマと呼ばれる犯罪者達がやりたい放題
しながらミッションを遂行していくコメディ味の強いものだったのが、後半になるとアクダマが
次々と死んでいくシリアス味の強いものになり、その死に様もなかなか印象的なものであった。
主役である一般人も前半は巻き込まれてアクダマ達と行動を共にせざるを得ない存在だったのが、
後半は自らの意志で兄と妹を守っていこうという存在に。
前半はロングヘアだったのが、後半にショートになる展開は彼女の心情の変化を表す、なかなか
良い演出。
そして、それまでは偽りの呼称である詐欺師だったのが、終盤になると文字通り詐欺師になる
展開は見事。
正直、カンサイとカントウの歴史、処刑課のボスや弟子やカンサイ自体の去就、アクダマ達の
過去など、もっと描いてほしい部分もあったが、アクダマ達と兄、妹の物語としては描き切った
感じで、最後まで勢いを失わなかった作品。
キャラには固有名称がなく、この辺は「まおゆう魔王勇者」、「ゴブリンスレイヤー」と同じ。
前述の2作品は作品の成り立ちなどからそうなったことが判るが、本作はどういった経緯で
そうなったのかは不明。
個人的にはキャラに思い入れを持たせるためにも固有名称があった方が良いと思ったりするが、
一般人から詐欺師への流れの演出などは固有名称を持たないために効果的になった感も。
2020/01/11