STONE さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
良くも悪くも落ち着いた感のある作品
内容と放映時期(2020年10~12月)から考えて、本来なら2020年に開催される予定だった
東京オリンピックを踏まえての作品だったんだろうなと。そういう意味では運が悪かったのかな。
一度は引退を覚悟した体操選手が家族を始めとする周りの後押しで再起する話。
主人公である荒垣 城太郎の穏やかな感じとベテランゆえの落ち着きが作品自体の雰囲気を
作っているのか、スポーツものにありがちな熱さはあまり感じられず。
逆に熱さを感じられたのが城太郎を後押しする家族や仲間達の愛で、特に城太郎が良くも悪くも
体操バカ的な分、一人でなんとかしていこうとする娘の玲の必死さ、健気さが際立つ。
この辺の空気感はちょっと昭和のホームドラマを思わせる感じ。
前述のようにストーリーの基本構造は城太郎の再起物語であるが、後押しをする側である
レオナルドや玲が前へ進むための要素もあり、それぞれが相手を後押ししているような関係性が
良い。
城太郎の体操選手としての復活の物語はそう悪いものではなかったが、レオナルドの
バレエダンサーとしての復活の物語は物足りない。
立ち位置的には第二の主人公的存在でありながら、城太郎の復活のための舞台装置に
終わってしまった感がある。
同じく舞台装置で終わってしまった感があるのがライバル?的存在の南野 鉄男で、彼自身の
ドラマももう少し見たかった感はあった。
基本的には地に足の着いた感のある現実味の強い話であるが、体操絡み以外のレオナルドの
忍者設定、城太郎の母である荒垣 マリが経営する「スナックマリー」周辺のキャラ、玲の
ペットであるビッグバードなど、随所随所にあまり現実味のない要素が顔を出してくるが、
体操部分がともすれば地味目であるため、こういった変な要素がエンターテイメント性を
補っている感じ。
舞台が2002年ということでそれ自体は懐かしさがあったが、オリンピックまで描いて、
日本体操界が不振な時代の中、城太郎が一矢報いるといった展開ならともかく、国内大会で
終わってしまったので、その時代設定の意味合いが最後まで判らず。
2020/01/11
2023/05/07 加筆・修正