御宅忍者 さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
この作品はある意味「弱キャラ日南ちゃん」なのかもしれない
日南葵というメインヒロインを人間の完璧像に見せてる風にしているが、普通に日南葵は異常者だよっていう伏線を少しずつばら撒いてます。この作品は「陰キャの俺でも変われる」では全くありません。この作品を主人公がただただリア充目指す物語だと思っている人達は、この作品の意図を全く理解していないと思います。
ただ一つ思ったのは、ラブコメ作品として売っていくならアニメ特有にもう少しポップな感じにしても良かったのかなというもの。アニメにしてはちょっと説教臭すぎて、これは悪印象を受けるのも理解できる。序盤は共感性羞恥だが、友崎が変化していくことによるキャラとの掛け合いが面白くなってくると思います。
個人的にこの作品が良いなと思うところは、「うん。やっぱり日南いらないよね?」となるところです。
友崎という人間のありのままの純粋さ(水沢に「好きだったら付き合わなくね?」など)が周りの価値観を変えていくところが面白く、"日南葵に操作される友崎"ではなく、"友崎が操作する友崎"がキャラクター達に影響を与えていくところがこの作品の魅力だと思っています。
なので元々の友崎のキャラの良さと、日南のスキルがある程度マッチしてきた11話からが本番という感じ。この作品が伝えたい"日南の間違い"を出していくためには、序盤の「日南お前頭大丈夫?」という酷さが不可欠。ここの小さな伏線が厳しいと思う人が切ってしまっている印象。
友崎の根底にある強さが、日南が努力で身につけた強さ(スキル)で引き出されていく所が好み。実際にキャラクターが影響されているのは、素の友崎という所がこの作品の良さ。
友崎は根底が強キャラであり、日南は根底が弱キャラなんだと思う。ここの対比に見せているが、時に似ている部分がこの作品の魅力なんだと思う。
作品の意図はある程度理解できました。原作が評価されているのもおそらくここからなのだろう。やはりこれは中終盤を引き立てるための酷い序盤なので、一期のみで判断するならば3.0ですね。10話からある程度友崎のキャラの良さが引き出され(水沢の盗み聞きを自分から謝りに行ったところなど)、11話からやっと本番という感じがするので。
でもやっぱりBgmなども含め、No.9制作はとても安っぽく感じてしまって好きではない。A-1やPAが制作していれば少し変わっていたかもしれない。