シャベール大佐 さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ヴィジュアル的な部分で魅力がある、オリジナルのSFクライムアクション
過去に起こった戦争によって「カントウ」の属国となっているという「カンサイ」を舞台に、「アクダマ」と呼ばれる犯罪者たちが国家権力を敵に回して大暴れする、オリジナルのSFクライムアクション。全12話。
主人公は不運な巡り合わせによって巻き込まれた一般人ですが、その他のアクダマはいろいろな分野の重罪人たち。超S級アクダマだとか、推定懲役589年のハッカー、推定懲役745年の運び屋などといった設定のセンスは、ダンガンロンパの制作陣がこの作品に関わっていると知って、なるほどな、と納得しました。内容的には、高度なテクノロジーと猥雑な生活感がミックスされたサイバーパンクっぽい風景の中で、情報統制されたディストピア的な管理社会を描いています。作画がとても綺麗なこともあり、雰囲気はしっかりと出せていました。ただ、そういった世界観は特に新鮮味があるわけではないので、ヴィジュアル的な部分で感心することはあっても、それ以上の魅力はなかったです。ストーリーについても、途中の展開から作品としての結末まで、別につまらなくはないけれど、先が気になるほどでもなくて、どちらかというと、雰囲気や勢い重視で楽しむもののよう感じました。人が容赦なく死んでいくとか、政治的な風刺がどうのとかは、それ自体が物語の深さや面白さと直接的に結びつくものではないと思います。
最後まで観終わって、オリジナルアニメとして、それなりに良く出来てはいました。かなりクセの強い作風なので、センスの波長が合う人には嵌まる作品かもしれません。