タック二階堂 さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
ソシャゲ原作アニメのわりには…
詳細は公式でも。
f4samuraiからリリースされているスマホ向けゲームアプリのアニメ化作品です。要するにソシャゲが原作。
ぱっとイメージしたのが「アルスラーン戦記」。中世風ファンタジー世界が舞台で、冒頭にオルタンシア王国オーベル領の領主・フェルナンド・オーベルが、反乱を起こした属国であるカメリア公国が送り込んだ魔物によって命を落とします。
その一人息子である主人公・アルフレッドが領主を継いで、カメリア公国の小部隊と一戦交えるというところまでが初回です。
うーん、声優陣の豪華さ以外は普通オブ普通。いわゆる戦記物の王道といえば、そういう感じでもあります。「アルスラーン戦記」とか「天鏡のアルデラミン」とか、そのへんと似たような感じと思っていればいいかと。
まあ、王道だけに初回の内容は普通だけど悪くない。今後、どういう展開になるのか、しばらく様子見します。ただ、なんらかの大きな意外性を見せてくれないと、終わったらすぐに忘れてしまう程度の作品となりそうです。
=====第2話視聴後、追記です。
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2話にして、早くもやることがなくなったのか、近所に魔物が出るようになったから様子を見に行きましょうという話。
で、好奇心しかない男の子がダンジョンに魔物の変身シーンを見に行ってしまい、メイドのノンノリアが、「私、能力は平均値でって言ったよね!」に出てくるナノちゃんそっくりな何かと一緒に探しに行っちゃって、ゴブリンに囲まれて、さあ大変というお話。
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重苦しい雰囲気で始まったのに、もう日常パートになりますね。上田麗奈さんの声は好きだけど、どうしてこういうキンキンした役を振るんでしょうねぇ。
あっと驚かせるつもりだったんでしょうけど、だいたい分かりましたよ、部下のマリユスが王女だってことぐらい。
普通オブ普通という評価は変わらず。それなりに観れはしますが、面白いかって言われると、うーん……。
次回で判断しましょうかね。
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=====第3話視聴後、追記です。
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石皮病とかいう奇病が流行ってしまった村。それを魔女の仕業だと隔離し、村人を封じ込めて抑え込んだという過去があったらしいです。
そんな村に、最近アンデッドの魔物が現れるという噂があり、アルフレッドはマリユスとモーリス、そして“ナノちゃん”を引き連れて様子を見に行く指令を受けますよと。
そこには、自由奔放な賞金稼ぎのデフロットがいて、アンデッドの群れに囲まれていました。アルフレッドたちはデフロットを救い出すと、彼はその村出身で、父親は教会の司祭だったのです。そんなとき、教会騎士団が現れ、立入禁止とされている村に入ったということでアルフレッドたちを亡き者にして、村を焼き払おうとします。
と、そこに巨大なアンデッドが現れて……。
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というお話です。
基本的にソシャゲのアニメ化が失敗する要因として、キャラを出しすぎて主題が見えなくなる。ソシャゲの軸である課金要素を盛り込むことで、作品の世界観にそぐわなくなって破綻する。こうした失敗例が多いものです。
そのため、ソシャゲ原作のアニメは、スタート時点からこうした呪縛に対する警戒感で「どうせ面白くないだろう」という見方が多いわけですが、この作品の評価は「普通」というものが多いですね。
でも、裏を返せばソシャゲ原作アニメなのに「普通」というのは、けっこう凄いことなんじゃないかという気がしてきました。主要キャラはアルフレッドを中心に、今回仲間に加わったデフロットも含めて5人程度。スッキリと見やすい配役です。ここまで、ソシャゲの課金要素らしきものを感じる不自然さは感じません。
ストーリーも、ある意味では1話完結的なエピソードを重ねてきて、その根底で王国と公国、教会絡みの抗争といった背景を見せている。
普通にストーリーが展開されていて、普通に見られて、普通に面白い。そんな「普通」なソシャゲアニメって、けっこう凄いことかもしれません。スタッフが優秀なのかも。スタートラインでマイナス10ぐらいなものをプラマイゼロにできているわけですから。
というわけで、これちょっと見直しました。
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=====第4話視聴後、追記です。
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前回の村の一件を報告するために、王都へ向かう一行。その途中で、魔物に襲われて全滅したらしい荷馬車を見つけます。そこに隠れていた生き残りが、褐色系美少女の双子。とりあえず保護して王都で孤児院に預けようと。
村の件を報告しているアルフレッドとモーリス。そんな折、なにか街で騒ぎが。なんと、突如として現れた魔物が大聖堂を急襲。教皇バルデブロンを狙っていたのは、なんと保護した褐色の双子だったのです!
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というお話。
うん、普通です。
普通に観れます。今期たくさんある駄・なろう作品よりは遥かに真面目に作っていて面白いですよ。
ただ、いかんせん地味。作画が光るわけでもなく、飛び抜けて目を引く斬新な設定でもなく、ギャグとかエロとか、そういう派手な特徴があるわけでもない。制作のライデンも今期は4本も抱えてる中で、これが一番、注目もされていなければ力も入ってない印象。
なんでしょうね。もったいないというか、意外とちゃんとしているのにね。前期の「禍つ!ヴァールハイト」枠って感じでしょうか。同じライデンでも「ラスダン」観るぐらいなら、こっちをオススメしますけどね。
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=====最終話視聴後、感想です。
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ラスボスである教皇とのバトルに勝利……したはいいけど、アルフレッドは死んでしまい、復活するも悪魔だったようです。
ソシャゲ原作アニメにしてはキャラも絞って、スッキリと見やすくなっていました。ストーリー展開も、つまらないというものではなかったと思います。まあ、作画に関しては少し残念な感じですが。
なんだかんだ最終話まで観られたわけで、悪くはなかったと思いますよ。作り方次第では駄作になってもおかしくなかっただけに、制作陣が頑張ったんじゃないかと思います。
ただ、これもソシャゲ原作アニメのウィークポイントではあるのですが、どうしても「続きはゲームでね!」という投げっぱなしの中途半端なところで終わってしまう点については、この作品も例外ではなく……。
そしてこれもソシャゲ原作の悪いところですが、2期はやらないケースがほとんどってところなんですよね。
せっかく悪くないストーリーに、力のある豪華声優陣で出来が悪くなかっただけに、こんなところで終わられても……という気持ちになります。そのあたりが、この作品の残念なところです。
{/netabare}