えたんだーる さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
魔女の旅行記(薄味)
ライトノベル原作は未読です。
才能の差はあれど、魔法や魔法使い、魔女は普通にいて養成学校なども存在するそんな世界。
主人公のイレイナは魔女が世界中のいろいろなところを巡ったエピソードが書かれている本「ニケの冒険譚」を読み、作中の魔女ニケに憧れて同じく魔女となり世界中を旅することを夢見て、ついに魔女となります。
そんなイレイナがニケの旅路を追うように辿りながら各地で起こった様々な物語を自分も本を出すために書き留めていく、そんなお話…。
原作がどの程度費やしているのかはわからないのですが、魔女見習いを経てフラン先生に弟子入りして魔女となるまでの過程は、第1話だけでうまくまとめられています。
以後はイレイナが様々な村、街、国を訪れて、そこの住民や旅の道中で出会った人物との再会などの出会いによって物語が進んでいきます。
イレイナはあるときは住民を襲ったトラブルに巻き込まれて(主に自分のために)解決したりもしますが、イレイナ自身の関わり方もそうですし物語の進め方自体も、あえてその場所や住民の価値観には中立的にあるように描かれているように見えます。
ストーリーによっては寓話的な意味合いを読み取れたりする場合もありますが、上記のような「中立的」なニュアンスのせいでお話自体は薄味に感じる人も多くいそうです。
ただ、この飄々とした感じがこの物語の味なのかなという気もします。別に正義感でも魔法統括協会の仕事でもなく単に「身にかかる火の粉は払う」というイレイナの態度が気に入らないという人もいれば、とても人間らしいと思える人もいるのではないでしょうか。
私は後者なので、このお話自体はわりと楽しめました。
余談その1: イレイナに執着する魔女サヤを、黒沢ともよさんが好演されていましたね…。
余談その2: イレイナが自身のことを「美しい」とか「可愛らしい」とか常に肯定的に話すのもこの作品の「味」なんでしょうか(笑)。
余談その3: ED主題歌「灰色のサーガ」の拍子がかなり独特です。とても美しい曲ですが歌うのは難しそう…。